二級ボイラー技士 過去問
令和6年4月公表
問22 (燃料及び燃焼に関する知識 問2)

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問題

二級ボイラー技士試験 令和6年4月公表 問22(燃料及び燃焼に関する知識 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

重油の性質について、適切でないものは次のうちどれか。
  • 重油の密度は、温度が上昇すると減少する。
  • 引火点の低い重油は、一般に粘度も低く密度も小さい。
  • 重油の比熱は、温度及び密度によって変わる。
  • 重油の実際の引火点は、一般に100℃前後である。
  • 密度の大きい重油は、密度の小さい重油より単位質量当たりの発熱量が大きい。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題では重油の性質について問われています。

それぞれの性質をしっかり理解しておけば難なく解く事ができる問題となっています。

選択肢1. 重油の密度は、温度が上昇すると減少する。

正しい記述です。

温度が上がり密度が下がると、重油は水のように柔らかくなります。

イメージとしては、家で料理をする時にフライパンに油を入れると最初ドロドロですが、熱するとサラサラになるのと同じ原理です。

 

選択肢2. 引火点の低い重油は、一般に粘度も低く密度も小さい。

正しい記述です。

密度が小さい重油は、一般的には引火しやすいのが特徴です。

逆に密度の高い重油は引火しにくい重油となります。

選択肢3. 重油の比熱は、温度及び密度によって変わる。

正しい記述です。

重油の平均比熱はおおよそ50℃から200℃の時に約2.3kJとなっています。

選択肢4. 重油の実際の引火点は、一般に100℃前後である。

正しい記述です。

この引火点「100℃」という数字は、数字を変えて出題される事があるのでしっかり覚えておきましょう。

選択肢5. 密度の大きい重油は、密度の小さい重油より単位質量当たりの発熱量が大きい。

密度の大きい重油は、密度の小さい重油より単位質量当たりの発熱量が大きいのではなく小さいので誤りです。

まとめ

密度の大きい重油は「C重油」と呼ばれ、一般的には不純物が多く燃えにくいのが特徴です。

この問題も「危険物乙4類」の内容に類似しているので、しっかり確認しておいて下さい。

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02

重油の性質についての問題です。

 

重油は液体燃料の一種で,引火点・動粘度等の違いにより,

A・B・Cで区分されています。

選択肢1. 重油の密度は、温度が上昇すると減少する。

正しい記述です。

 

温度が上昇すると膨張しますので,密度は減少します。

選択肢2. 引火点の低い重油は、一般に粘度も低く密度も小さい。

正しい記述です。

 

引火点の低い重油は粘度・密度も低くなります。

選択肢3. 重油の比熱は、温度及び密度によって変わる。

正しい記述です。

 

重油の比熱は,温度及び密度により変化します。

選択肢4. 重油の実際の引火点は、一般に100℃前後である。

正しい記述です。

 

重油の引火点については日本産業規格で以下の通り定められています。

A重油:60℃以上

B重油:60℃以上

C重油:70℃以上

 

実際に使用されている重油の引火点は,一般に100℃前後となっています。

選択肢5. 密度の大きい重油は、密度の小さい重油より単位質量当たりの発熱量が大きい。

誤った記述です。

 

密度の大きい重油は,密度の小さい重油より単位質量当たりの発熱量が小さくなります。

まとめ

密度の違いにより単位質量あたりの発熱量に差が出ることを覚えておきましょう。

また,密度が大きいと単位質量あたりの発熱量が小さくなることを把握しておきましょう。

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03

重油は、揮発分や粘度、密度などさまざまな性質によってグレードが異なり、それに伴い燃焼特性や取り扱い条件も変化します。試験問題では、重油の物理的性質と、それらの関係を正しく把握できているかが問われています。

選択肢1. 重油の密度は、温度が上昇すると減少する。

一般的な液体と同様に、重油も温度を上げれば体積が膨張し、単位体積あたりの質量が減少するので密度は下がります
この記述は正しいです。

選択肢2. 引火点の低い重油は、一般に粘度も低く密度も小さい。

引火点が低いということは、揮発しやすい軽質成分を多く含む傾向があります。こうした重油は粘度が低く、密度も小さめであることが多いです。
この記述は正しいといえます。

選択肢3. 重油の比熱は、温度及び密度によって変わる。

比熱(比熱容量)は、物質の種類や温度によって変化します。重油の場合も、温度が変われば比熱が変化し、また密度の違い(=組成の違い)でも多少変化します。
この記述は正しいです。

選択肢4. 重油の実際の引火点は、一般に100℃前後である。

重油にも種類(A重油・B重油・C重油など)がありますが、一般的には60~100℃程度の範囲に収まるものが多く、種類によっては90℃前後になる場合もあります。
 

したがって、「100℃前後」という表現はおおむね妥当といえます。
この選択肢は正しい扱いです。

選択肢5. 密度の大きい重油は、密度の小さい重油より単位質量当たりの発熱量が大きい。

一般的に、密度が大きくなると、質量あたりの発熱量はむしろ小さくなる傾向があります(逆に、体積あたりの発熱量は大きくなることが多い)。
 

そのため、選択肢の「密度の大きい重油は単位質量当たりの発熱量が大きい」というのは誤りです。

まとめ

適切でない記述は「密度の大きい重油は、密度の小さい重油より単位質量当たりの発熱量が大きい。です。
重油は、密度が大きくなるほど質量あたりの発熱量は下がる方向になります。この記述はそれと逆の説明をしているため、正しくありません。

 

それ以外の選択肢については、温度変化による密度の変化や引火点、比熱の概念など、重油の性質として適切な内容となっています。

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