二級ボイラー技士 過去問
令和6年4月公表
問23 (燃料及び燃焼に関する知識 問3)

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問題

二級ボイラー技士試験 令和6年4月公表 問23(燃料及び燃焼に関する知識 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラー用固体燃料と比べた場合のボイラー用気体燃料の特徴として、適切でないものは次のうちどれか。
  • メタンなどの炭化水素が主成分である。
  • 発生する熱量が同じ場合、CO2の発生割合は石炭の1/3以下で、温室効果ガスの削減に有効である。
  • 燃料中の硫黄分や灰分が少なく、伝熱面や火炉壁を汚染することがほとんどない。
  • 一般にクリンカの発生がほとんどない。
  • 漏えいすると、可燃性混合気を作りやすく、爆発の危険性がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

ボイラー用固体燃料と比べた場合のボイラー用気体燃料の特徴を問われています。

特に二酸化炭素の発生割合を把握しておくことが重要となります。

選択肢1. メタンなどの炭化水素が主成分である。

正しい記述です。

有名な燃料として、LPGやLNG、都市ガスなどが挙げられます。

選択肢2. 発生する熱量が同じ場合、CO2の発生割合は石炭の1/3以下で、温室効果ガスの削減に有効である。

発生する熱量が同じ場合、CO2の発生割合は石炭の1/3以下ではなく2/3以下となります。

 

選択肢3. 燃料中の硫黄分や灰分が少なく、伝熱面や火炉壁を汚染することがほとんどない。

正しい記述です。

また、空気との混合は燃焼が効率的で、汚染物質なども少ないのが特徴です。

 

選択肢4. 一般にクリンカの発生がほとんどない。

正しい記述です。

重油などを燃焼すると発生する「クリンカ」ですが、気体燃料ではほとんど発生しません。

選択肢5. 漏えいすると、可燃性混合気を作りやすく、爆発の危険性がある。

正しい記述です。

漏えいすると、空気中に飛散して、ガス爆発の恐れがあります。

まとめ

二酸化炭素の発生割合が大きいとそれだけ温室効果ガスの削減に効果があります。

石炭の1/3以下であるとあまり効果がないので、その点も理解しておきましょう。

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02

ボイラー用の燃料として固体燃料(石炭など)と気体燃料(主に天然ガスなど)を比較した場合、それぞれに特有の利点・欠点があります。

 

とくに気体燃料は燃焼時のCO₂や汚染物質の排出が少ない反面、漏えい時にはガス爆発の危険がある点などが重要な特徴です。

選択肢1. メタンなどの炭化水素が主成分である。

天然ガスの主成分はメタン(CH₄)です。都市ガスやボイラー用気体燃料の大部分はメタンを中心とする炭化水素が主体なので、この記述は正しいです。

選択肢2. 発生する熱量が同じ場合、CO2の発生割合は石炭の1/3以下で、温室効果ガスの削減に有効である。

一般的に、天然ガスを燃焼させると同じ発熱量当たりのCO₂排出量は石炭より少ないのは事実です。しかし、その排出量は「約半分程度」とされることが多く、「1/3以下」というのは明らかに過大な削減率(=CO₂排出量が少なすぎる)といえます。

 

実際、理論計算上も「石炭の約1/2程度」というのが一般的な見解です。したがって「1/3以下」という表現は過大であり、適切でない記述と考えられます。

選択肢3. 燃料中の硫黄分や灰分が少なく、伝熱面や火炉壁を汚染することがほとんどない。

天然ガスなどの気体燃料は、もともと硫黄分や灰分が極めて少ないため、固体燃料と比べて燃焼生成物による汚れ(スケールやデポジット)が少ないです。よってこの記述は正しいです。

選択肢4. 一般にクリンカの発生がほとんどない。

クリンカは石炭など固体燃料の不燃成分(灰分や鉱物成分)が高温で固まったものです。気体燃料は灰分がほとんどないため、クリンカが発生することはほぼありません。したがってこの記述は正しいです。

選択肢5. 漏えいすると、可燃性混合気を作りやすく、爆発の危険性がある。

天然ガス(メタン)は空気中で一定濃度範囲(爆発限界)に達すると可燃性混合気を形成し、爆発する危険性が増します。ガス漏れの監視や換気、警報設備の設置が重要です。したがってこの記述は正しいです。

まとめ

適切でない選択肢発生する熱量が同じ場合、CO2の発生割合は石炭の1/3以下で、温室効果ガスの削減に有効である。」です。

気体燃料(天然ガス)は固体燃料(石炭)よりCO₂排出量が少ないものの、一般的には約1/2程度とされ、「1/3以下」という表現は過大です。

それ以外の選択肢は、気体燃料の特徴を正しく述べています。

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03

気体燃料の燃焼の特徴についての問題です。

 

ボイラーにおける気体燃料の気体燃料はLNGが主です。

LNGの主成分はメタン・ブタン・プロパンなどです。

選択肢1. メタンなどの炭化水素が主成分である。

正しい記述です。

 

ボイラーにおける気体燃料の気体燃料はLNGが主です。

LNGの主成分はメタン・ブタン・プロパンなどの炭化水素です。

選択肢2. 発生する熱量が同じ場合、CO2の発生割合は石炭の1/3以下で、温室効果ガスの削減に有効である。

誤った記述です。

 

燃料中の炭素量は石炭と比較して少ないため,温室効果ガスの削減に有効ではあります。

発生割合は1/3ではなく1/2程度です。

 

[排出係数(参考:環境省)]

原料炭 0.0245 tC/GJ 

液化天然ガス(LNG) 0.0135 tC/GJ

選択肢3. 燃料中の硫黄分や灰分が少なく、伝熱面や火炉壁を汚染することがほとんどない。

正しい記述です。

 

採掘の段階で公害の原因となる硫黄分が除去されており,

灰分も少ないため,伝熱面や火炉壁を汚染することがほとんどありません。

選択肢4. 一般にクリンカの発生がほとんどない。

正しい記述です。

 

クリンカは燃料中の灰分が高温で溶融し発生します。

気体燃料には灰分が少ないため,クリンカの発生はほとんどありません。

選択肢5. 漏えいすると、可燃性混合気を作りやすく、爆発の危険性がある。

正しい記述です。

 

漏洩すると空気(酸素)との可燃性混合気を作りやすく爆発の危険性があります。

まとめ

気体燃料は石炭と比較して,発熱量に対するCO2の発生量は少ないです。

排出係数ベースでは約1/2となります。

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