二級ボイラー技士 過去問
令和6年4月公表
問24 (燃料及び燃焼に関する知識 問4)

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問題

二級ボイラー技士試験 令和6年4月公表 問24(燃料及び燃焼に関する知識 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

油だきボイラーにおける重油の加熱について、適切でないものは次のうちどれか。
  • 粘度の低い重油は、噴霧に適した粘度にするために加熱する。
  • C重油の加熱温度は、一般に80~105℃である。
  • 加熱温度が高すぎると、いきづき燃焼となる。
  • 加熱温度が高すぎると、バーナ管内で油が気化し、ベーパロックを起こす。
  • 加熱温度が低すぎると、霧化不良となり、燃焼が不安定となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

重油の加熱についての問題です。

特に各重油の粘度について理解しておく事が大切です。

選択肢1. 粘度の低い重油は、噴霧に適した粘度にするために加熱する。

粘度の低い重油ではなく、粘度の高い重油は噴霧に適した粘度にするために加熱します。

選択肢2. C重油の加熱温度は、一般に80~105℃である。

正しい記述です。

この数字は完璧に覚える必要はないので、大体100℃前後と押さえておきましょう。

ちなみに「B重油」は5~60℃です。

選択肢3. 加熱温度が高すぎると、いきづき燃焼となる。

正しい記述です。

「いきづき」は人間が走ったりするときと同じで、キツイ状況の時に「ハァハァ」と息継ぎするかと思いますが、ボイラーも同じで加熱温度が高い場合、人間でいう「キツイ」状況と同じ状態となります。

選択肢4. 加熱温度が高すぎると、バーナ管内で油が気化し、ベーパロックを起こす。

正しい記述です。

ベーパロックとは、油蒸気が気化する現象を指します。

選択肢5. 加熱温度が低すぎると、霧化不良となり、燃焼が不安定となる。

正しい記述です。

加熱温度が低いと不完全燃焼状態になり、「すす」が発生するので、ボイラーにとってあまり良い状態ではありません。

まとめ

この問題では問われていませんが、粘度の高い重油は「C重油」と呼ばれ事前に加熱してから使用します。

そもそも粘度の低い重油は加熱しませんので押さえておきましょう。

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02

重油の加熱について

選択肢1. 粘度の低い重油は、噴霧に適した粘度にするために加熱する。

誤った記述です。

 

重油を燃焼させる場合は,空気との接触面積を増やすために霧化させます。

霧化させるために,重油を加熱して粘度を低下させ,さらさらの状態にします。

 

粘度が低い=さらさらの状態では加熱する必要はありません。

選択肢2. C重油の加熱温度は、一般に80~105℃である。

正しい記述です。

 

C重油は80~105℃で霧化に適した粘度になります。

発火点が250~380℃ですので加熱のし過ぎに注意しましょう。

選択肢3. 加熱温度が高すぎると、いきづき燃焼となる。

正しい記述です。

 

加熱温度が高くなると粘度が低下(さらさら)します。

さらさらの状態では流動性が増加し,燃料の供給と燃焼速度に差が出ることで息継ぎ燃焼となります。

選択肢4. 加熱温度が高すぎると、バーナ管内で油が気化し、ベーパロックを起こす。

正しい記述です。

 

加熱温度が高くなるとバーナ管内で重油が気化し,ベーパロックを引き起こします。 

選択肢5. 加熱温度が低すぎると、霧化不良となり、燃焼が不安定となる。

正しい記述です。

 

加熱温度が低くなると粘度が上昇(ドロドロ)します。

ドロドロの状態では霧化に適さないため,

霧化不良となり燃焼が不安定になります。

まとめ

重油の加熱の目的を理解しておく必要があります。

また,温度変化による重油の状態(低温:さらさら,高温:ドロドロ)を理解しておきましょう。

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03

油だきボイラーで使用される重油(A重油、B重油、C重油)は、それぞれに粘度が異なります。特に粘度が高いC重油などは、噴霧(アトマイズ)しやすいように加熱して粘度を下げる必要があります。

加熱温度が適切でないと、霧化不良やベーパロックなど、さまざまな燃焼トラブルが発生します。

選択肢1. 粘度の低い重油は、噴霧に適した粘度にするために加熱する。

重油の粘度がすでに十分低い場合は、さらに粘度を下げるために積極的に加熱する必要はありません。むしろ「粘度の高い重油」を加熱して適正な粘度(噴霧しやすい粘度)にするのが一般的です。

 

この選択肢は「粘度の低い重油」をわざわざ加熱する、という説明であり、内容として不適切といえます。

選択肢2. C重油の加熱温度は、一般に80~105℃である。

C重油は粘度が高いため、霧化に適した粘度にするには80~105℃程度に加熱することが多いです。

よって、正しい内容です。

選択肢3. 加熱温度が高すぎると、いきづき燃焼となる。

加熱温度が過度に高いと、油が部分的に気化して燃焼が不安定になり、火炎が脈動するような「いきづき(サージ)」現象が起こる場合があります。

よって、この記述は正しいです。

選択肢4. 加熱温度が高すぎると、バーナ管内で油が気化し、ベーパロックを起こす。

加熱しすぎによって配管内の油が気化すると、液体の流れが阻害される「ベーパロック」が発生し、燃料供給に支障をきたします。

この記述も正しいです。

選択肢5. 加熱温度が低すぎると、霧化不良となり、燃焼が不安定となる。

粘度が高いままでノズルに送られると噴霧がうまくいかず、燃焼が不完全・不安定になりやすいです。

この記述は正しいです。

まとめ

適切でない選択肢は「粘度の低い重油は、噴霧に適した粘度にするために加熱する」です。実際には、粘度が高い重油を加熱して適切な粘度に下げる必要があります。

 

その他の選択肢は、重油の加熱温度や燃焼特性に関する正しい説明となっています。

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