二級ボイラー技士 過去問
令和6年4月公表
問28 (燃料及び燃焼に関する知識 問8)

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問題

二級ボイラー技士試験 令和6年4月公表 問28(燃料及び燃焼に関する知識 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーの燃料の燃焼により発生する大気汚染物質について、適切でないものは次のうちどれか。
  • 排ガス中のSOXは、大部分がSO2である。
  • 排ガス中のNOXは、大部分がNO2である。
  • 燃焼により発生するNOXには、サーマルNOXとフューエルNOXがある。
  • 燃料を燃焼させた際に発生する固体微粒子には、すすやダストがある。
  • SOXは、NOXとともに酸性雨の原因となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題では大気汚染物質について問われています。

こちらに関しては暗記する事が大半ですが、一度覚えてしまえば出題されるポイントはほとんど同じなので頑張って覚えていきましょう。

選択肢1. 排ガス中のSOXは、大部分がSO2である。

正しい記述です。

選択肢2. 排ガス中のNOXは、大部分がNO2である。

排ガス中のNOXは、大部分がNO2ではなく、NOとなります。

およそ90~90%以上となっています。

選択肢3. 燃焼により発生するNOXには、サーマルNOXとフューエルNOXがある。

正しい記述です。

ちなみにサーマルNOXは窒素が酸化したもので、フューエルNOXは主に燃料から生まれます。

選択肢4. 燃料を燃焼させた際に発生する固体微粒子には、すすやダストがある。

正しい記述です。

選択肢5. SOXは、NOXとともに酸性雨の原因となる。

正しい記述です。

まとめ

大気汚染物質についての問題でしたが、他の選択肢にある「サーマルNOX」と「フューエルNOX」の特徴も押さえておきましょう。

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02

燃料を燃焼すると、二酸化硫黄(SO₂)などの硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、すす(カーボン粒子)など、大気汚染の原因となる物質が排出されます。それぞれの物質は燃料中の成分や燃焼条件によって発生量や種類が異なります。

選択肢1. 排ガス中のSOXは、大部分がSO2である。

通常、燃焼排ガス中の硫黄酸化物(SOx)の大部分は二酸化硫黄(SO₂)です。一部、条件によって三酸化硫黄(SO₃)が生成する場合もありますが、量としてはSO₂が主になります。

 

この記述は正しいです。

選択肢2. 排ガス中のNOXは、大部分がNO2である。

燃焼により発生する窒素酸化物(NOx)の主成分は、一般に一酸化窒素(NO)です。排気後、空気中で酸化されて二酸化窒素(NO₂)が増えますが、燃焼直後の排ガス中ではNOが最も多いとされています。

 

よって「大部分がNO₂」とするのは誤りです。

選択肢3. 燃焼により発生するNOXには、サーマルNOXとフューエルNOXがある。

サーマルNOxは高温燃焼時に空気中の窒素と酸素が反応して生成されるNOx、フューエルNOxは燃料中に含まれる窒素化合物由来のNOxを指します。

この記述は正しいです。

選択肢4. 燃料を燃焼させた際に発生する固体微粒子には、すすやダストがある。

燃料中の炭素分が不完全燃焼を起こすとすすが生成されるほか、燃料に含まれる灰分などがダストとして排出されることがあります。

この記述は正しいです。

選択肢5. SOXは、NOXとともに酸性雨の原因となる。

SO₂NO₂が大気中でさらに酸化され、硫酸や硝酸となって雨に溶け込むと酸性雨の原因となります。

この記述は正しいです。

まとめ

適切でない選択肢は「排ガス中のNOxは、大部分がNO₂である。」です。

実際には、燃焼直後の排ガス中NOx成分の主成分は一酸化窒素(NO)であり、NO₂は空気中でさらに酸化されて増加する形となります。

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03

大気汚染物質についての問題です。

 

燃焼によって発生する主な大気汚染物質は次の通りです。

 

1.二酸化炭素(Co2)

・燃料や空気に含まれる炭素が燃焼によって酸素と結合し発生します。

 温室効果ガスで気温上昇の一因とされています。

 

2.窒素酸化物(Nox)

・燃料や空気に含まれる窒素が燃焼によって酸素と結合し発生します。

 燃料に含まれる窒素で発生するNox:フューエルNox

 空気に含まれる窒素で発生するNox:サーマルNox

 酸性雨の原因になります。

 

3.硫黄酸化物(Sox)

・燃料に含まれる硫黄が燃焼によって酸素と結合し発生します。

 酸性雨の原因になります。

 

4.ばいじん・ダスト

・燃料に含まれる灰分や未燃分が燃焼によってばいじん・ダストとなります。

 呼吸器への影響を引き起こします。

選択肢1. 排ガス中のSOXは、大部分がSO2である。

正しい記述です。

 

排ガス中のSoxは大部分がニ酸化硫黄(So2)です。

選択肢2. 排ガス中のNOXは、大部分がNO2である。

誤った記述です。

 

排ガス中のNoxは大部分が一酸化窒素(No)です。

選択肢3. 燃焼により発生するNOXには、サーマルNOXとフューエルNOXがある。

正しい記述です。

 

燃料に含まれる窒素で発生するNox:フューエルNox

空気に含まれる窒素で発生するNox:サーマルNox

選択肢4. 燃料を燃焼させた際に発生する固体微粒子には、すすやダストがある。

正しい記述です。

 

燃料に含まれる灰分や未燃分が燃焼によってばいじん・ダストとなります。

呼吸器への影響を引き起こします。

選択肢5. SOXは、NOXとともに酸性雨の原因となる。

正しい記述です。

 

SOXはNOXとともに酸性雨の原因となります。

まとめ

燃焼によって引き起こされる大気汚染の種類を把握しておきましょう。

主に燃焼,即ち酸化によって引き起こされる現象です。

あわせて,大気汚染抑制方法についても抑えておきましょう。

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