二級ボイラー技士 過去問
令和6年10月公表
問25 (燃料及び燃焼に関する知識 問5)

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問題

二級ボイラー技士試験 令和6年10月公表 問25(燃料及び燃焼に関する知識 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

重油燃焼によるボイラー及び附属設備の低温腐食の抑制方法として、適切でないものは次のうちどれか。
  • 硫黄分の少ない重油を選択する。
  • 低温伝熱面に耐食材料を使用する。
  • 給水温度を上昇させて、エコノマイザの伝熱面の温度を高く保つ。
  • 蒸気式空気予熱器を用いて、ガス式空気予熱器の伝熱面の温度が低くなり過ぎないようにする。
  • 排ガスのO2%を下げ、二酸化硫黄から三酸化硫黄への転換を抑制して、燃焼ガスの露点を上げる。

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この過去問の解説 (2件)

01

低温腐食の抑制に関する問題です。

 

低温腐食とは,エコノマイザや空気予熱器等の低温部で結露した硫黄分が硫酸(H2SO4)となり,

エコノマイザや空気予熱器等を腐食させる現象の事です。

選択肢1. 硫黄分の少ない重油を選択する。

正しい記述です。

 

低温腐食の主要因である硫黄分を少なくすることで硫酸の発生を減らす事になりますので,低温腐食の抑制に繋がります。

選択肢2. 低温伝熱面に耐食材料を使用する。

正しい記述です。

 

腐食に強い材料を使用する事も,低温腐食の抑制に繋がります。

選択肢3. 給水温度を上昇させて、エコノマイザの伝熱面の温度を高く保つ。

正しい記述です。

 

給水温度を上昇させることで,低温部での結露を防ぐことができますので,低温腐食の抑制に繋がります。

選択肢4. 蒸気式空気予熱器を用いて、ガス式空気予熱器の伝熱面の温度が低くなり過ぎないようにする。

正しい記述です。

 

蒸気式空気予熱器を用いる事で,空気の温度を上昇させ低温部での結露を防ぐことができますので,低温腐食の抑制に繋がります。

選択肢5. 排ガスのO2%を下げ、二酸化硫黄から三酸化硫黄への転換を抑制して、燃焼ガスの露点を上げる。

誤った記述です。

 

正しくは,

排ガスのO2%を下げ、二酸化硫黄から三酸化硫黄への転換を抑制して、燃焼ガスの露点を下げる

です。

 

露点とは空気に含まれている,水分が液体になるときの温度の事です。

高温の排ガス下において,露点が上昇すると結露が発生し,硫酸が発生し易くなります。

よって,燃料ガスの露点は下げた方が,低温腐食の抑制に繋がります。

まとめ

低温腐食の抑制に関しては,給水・排ガス温度を上昇させる事で抑制できます。

なお,露点に関しては低くした方が良い事を把握しておきましょう。

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02

ボイラーで重油を燃焼させる場合、排ガス中に硫黄酸化物が含まれるため、低温部の伝熱面で酸性露点を下回ると硫酸の凝縮が起こり、腐食(低温腐食)が進行しやすくなります。これを防ぐには、伝熱面の温度を十分高く保つことや、硫黄分の少ない燃料油を使用するなどの対策が効果的です。

選択肢1. 硫黄分の少ない重油を選択する。

硫黄分の少ない重油を使用すれば、燃焼時に生成される SO₂・SO₃ が減り、硫酸の生成量を抑制できます。よって、低温腐食のリスクを下げることができます。

正しい対策です。

選択肢2. 低温伝熱面に耐食材料を使用する。

低温部で酸性露点を下回る可能性がある場合、耐食性の高い材料(ステンレス鋼など)を使用すると腐食を抑制できます。

正しい対策です。

選択肢3. 給水温度を上昇させて、エコノマイザの伝熱面の温度を高く保つ。

エコノマイザの伝熱面温度が酸露点より高く保たれれば、硫酸露点腐食が起きにくくなります。したがって、給水温度を上げて熱交換面の温度を高めるのは正しい対策です。

選択肢4. 蒸気式空気予熱器を用いて、ガス式空気予熱器の伝熱面の温度が低くなり過ぎないようにする。

通常、排ガスで空気を予熱するガス式空気予熱器がありますが、さらに蒸気式空気予熱器を前段(もしくは後段)に設けることで、排ガス側の温度を高めに保ったり、ガス式空気予熱器の入口ガス温度をコントロールすることができます。

 

これにより、金属面温度を酸露点以上に保ちやすくなりますので、正しい対策です。

選択肢5. 排ガスのO2%を下げ、二酸化硫黄から三酸化硫黄への転換を抑制して、燃焼ガスの露点を上げる。

一般に、O₂濃度を下げれば SO₂ → SO₃ の転化は減り、結果的に酸性露点は下がる方向に働きます。

しかし、選択肢では「露点を上げる」としているため、記述が矛盾しています。O₂を減らして SO₃ 生成を抑制するなら、酸露点は下がるはずです。

 

この記述は、低温腐食の抑制方法としての理屈と逆の表現になっており、不適切といえます。

まとめ

適切でないものは「排ガスのO2%を下げ、二酸化硫黄から三酸化硫黄への転換を抑制して、燃焼ガスの露点を上げる。」です。

 

実際には、SO₃ の生成量が減れば酸性露点は下がる方向になり、低温腐食を抑制できますが、選択肢の文中では「露点を上げる」となっており、記述が矛盾しています。それ以外の選択肢は、いずれも低温腐食の抑制に有効な方法です。

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