二級ボイラー技士 過去問
令和6年10月公表
問28 (燃料及び燃焼に関する知識 問8)

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問題

二級ボイラー技士試験 令和6年10月公表 問28(燃料及び燃焼に関する知識 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーの燃料の燃焼により発生するNOXの大気中への放出の抑制方法として、適切でないものは次のうちどれか。
  • 燃焼域での酸素濃度を低くする。
  • 空気予熱器を設けて燃焼温度を高くする。
  • 高温燃焼域における燃焼ガスの滞留時間を短くする。
  • 排煙脱硝装置を設置する。
  • 排ガス再循環法によって燃焼させる。

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この過去問の解説 (2件)

01

NOXの大気中への放出の抑制方法についての問題です。

 

NOxとは窒素酸化物の事で,

燃料および空気中に含まれるN:窒素が,燃焼による高温化でO:酸素と結合する事で発生します。

NOxは大気汚染の原因となりますので規定値を遵守しましょう。

選択肢1. 燃焼域での酸素濃度を低くする。

正しい記述です。

 

酸素濃度が低いと,NOxの発生量が少なりますので大気中への放出の抑制に繋がります。

選択肢2. 空気予熱器を設けて燃焼温度を高くする。

誤った記述です。

 

燃料温度が高くなるとNOxが発生し易くなります。

空気予熱器を設ける場合は,燃焼温度を上昇させ過ぎないように監視が必要です。

選択肢3. 高温燃焼域における燃焼ガスの滞留時間を短くする。

正しい記述です。

 

高温燃焼域における燃焼ガスの滞留時間を短くすることでNOxの発生量が少なりますので,

大気中への放出の抑制に繋がります。

選択肢4. 排煙脱硝装置を設置する。

正しい記述です。

 

排煙脱硝装置により,発生したNOxを除去する事で大気中への放出の抑制に繋がります。

排煙脱硝装置は,ボイラーの出口に設置されています。

選択肢5. 排ガス再循環法によって燃焼させる。

正しい記述です。

 

排ガス再循環法により,高温燃焼域における燃焼ガスの酸素濃度が低くなりますので,

NOxの発生量が少なり大気中への放出の抑制に繋がります。

まとめ

NOxの抑制には,

酸素濃度を下げる・燃焼温度を低下させる,

高温燃焼域における燃焼ガスの滞留時間を短くするなどがあげられます。

また,窒素が少ない燃料を使用してもNOx抑制に繋がります。

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02

ボイラー燃焼に伴うNOxの発生は、燃焼温度の上昇や、燃焼ガス中の酸素濃度が高い条件、そして高温域での滞留時間が長い場合に増加しやすいです。そのため、NOxを抑制する方法としては「燃焼温度を抑える」「燃焼ガス中の酸素濃度を適度に低減する」「高温域の滞留時間を短くする」などが挙げられます。加えて、排ガス中のNOxを化学反応などで除去する排煙脱硝装置も有効です。

選択肢1. 燃焼域での酸素濃度を低くする。

燃焼時の酸素濃度が高いほど、NOx生成が促進されます。低O₂燃焼法や分割燃焼などにより燃焼域の酸素濃度を抑えると、NOxを低減できます。

正しいNOx抑制方法です

選択肢2. 空気予熱器を設けて燃焼温度を高くする。

燃焼温度が高いほど、空気中の窒素と酸素が反応して発生するサーマルNOxが増加します。

空気予熱器によって燃焼用空気の温度を高めると、燃焼温度が上昇しやすくなり、むしろNOxが増える方向に働きます。

 

よって、NOxの抑制策としては不適切といえます。

選択肢3. 高温燃焼域における燃焼ガスの滞留時間を短くする。

高温領域での滞留時間が長いほど、NOxの生成反応が進みます。

炉内の設計や燃焼方式により高温域での滞留時間を短縮すれば、NOx発生を抑えられます。

 

正しいNOx抑制方法です。

選択肢4. 排煙脱硝装置を設置する。

燃焼後の排ガスに含まれるNOxを、触媒や還元剤を使って除去する装置を設置する方法です。

燃焼条件の工夫だけではなく、アフター処理によりNOxを削減する有効な手段です。

 

正しいNOx抑制方法です。

選択肢5. 排ガス再循環法によって燃焼させる。

一部の排ガスを燃焼空気に混合して炉内に戻すと、燃焼ガス中の酸素濃度やガス温度を下げることができます。

 

これによりNOxの生成を抑制できるため、排ガス再循環は正しいNOx抑制策です。

まとめ

適切でないものは「2. 空気予熱器を設けて燃焼温度を高くする。」です。

 

空気予熱器により燃焼温度が上昇すると、むしろNOx生成が増える方向に働きます。ほかの選択肢はすべてNOx抑制に有効な方法を示しています。

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