賃貸不動産経営管理士の過去問
平成27年度(2015年)
問23

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問題

賃貸不動産経営管理士試験 平成27年度(2015年) 問23 (訂正依頼・報告はこちら)

賃貸不動産の鍵の交換に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 従前の借主が退去した後、貸主が鍵を交換せずに、新しい借主に賃貸した場合、従前の借主が鍵を使用して当該貸室に侵入するという盗難事件が発生したとしても、貸主が新しい借主に損害賠償責任を負うことはない。
  • 鍵交換の費用は、原則として借主が負担すべきである。
  • ピッキングに対応した鍵への交換費用については、原則として借主・貸主のうち交換を申し出た方が負担すべきである。
  • 鍵交換は従前の借主が退去した後、入居する借主が決定する前までに行うことが望ましい。

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この過去問の解説 (3件)

01

1 . 誤り。
従前の借主が退去した後に貸主が鍵を交換せずに新たな借主に賃貸し、従前の借主が鍵を使用して盗難事件を起こした場合は、貸主は新しい借主に対して損害賠償責任を負う可能性があります。

2 . 誤り。
原則としては貸主が負担すべきとされています。

3 . 正しい。
本肢のような申し出があった場合は、必ずしも貸主が負担する訳ではなく、原則として申し出をした方が負担すべきです。

4 . 誤り。
防犯上の観点から、新たに入居する借主が決定した後に行うことが望ましいとされています。

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02

1.貸主がカギを交換しなかった過失がある以上、盗難事件が発生した場合は損害賠償を負う可能性があります。

2.カギの交換費用は原則として貸主が負担するものとされています。(原状回復ガイドライン)

3.通常以上の性能のものへ変更する際の費用は、希望した方が負担するとされています。したがってこの場合は貸主負担とする費用ではありません。

4.カギ交換は次の入居者が確定した後に交換するのが望ましいとされています。複製リスクを回避するためです。

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03

 本問は、入居者の交替に伴う鍵交換に関する知識を問う問題です。

 入居者が交替したにもかかわらず従前どおりの鍵を使用し続ければ、以前の入居者による犯罪のリスクが残ります。また、防犯機能に乏しい鍵を使用し続けることも、組織的犯罪グループらによる強窃盗のリスクがあります。そこで、適時に適切な鍵に交換することが重要となります。

肢1 最も適切とはいえない

 賃貸人には、安全かつ快適な居室を提供する債務がありますが(民法第601条)、鍵の交換を懈怠したことによって前入居者による不法侵入等が起これば、賃借人に対して債務不履行責任を負うこともあり得ます。

肢2 最も適切とはいえない

 賃貸人は安全かつ快適な居室を提供する債務を負っていますから、その債務の履行として、鍵交換も自らの費用によって行うべきです。

肢3 最も適切

 肢2の解説のとおり、鍵交換の費用は原則として賃貸人が負担すべきですが、賃借人において、賃貸人が用意しようとした鍵よりも防犯機能等に優れた鍵を希望する場合もあります。このような場合には、特殊な鍵への交換を申し出た賃借人が鍵交換費用を負担すべきという慣行が定着しつつあるといわれています。

肢4 最も適切とはいえない

 鍵交換は、犯罪誘発の防止という観点から、前入居者の退去後、リフォームや内見を済ませ、最終的に新たな入居者が決定した後に行うべきです。

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