賃貸不動産経営管理士の過去問
令和元年度(2019年)
問23
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問題
賃貸不動産経営管理士試験 令和元年度(2019年) 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
管理受託方式の賃貸管理業務に関する次の記述のうち、不適切なものの組合せはどれか。
ア 貸主たる委託者が死亡した場合、特約がない限り、相続人が管理受託契約上の地位を相続する。
イ 賃貸住宅管理業者登録制度における賃貸住宅管理業者は、管理受託契約の終了その他の事由により管理事務が終了したときは、遅滞なく、当該賃貸建物の借主に対し、その旨を通知しなければならない。
ウ 賃貸住宅管理業者登録制度における賃貸住宅管理業者は、管理受託契約を締結しようとするときは、その契約が成立するまでの間に、貸主に対して、管理受託契約の内容及びその履行に関する事項に関し、賃貸不動産経営管理士等をして、必要事項を記載した書面を交付して説明をさせなければならない。
エ 管理業者が貸主の代理として内容証明郵便を送付する行為は弁護士法に違反することはない。
ア 貸主たる委託者が死亡した場合、特約がない限り、相続人が管理受託契約上の地位を相続する。
イ 賃貸住宅管理業者登録制度における賃貸住宅管理業者は、管理受託契約の終了その他の事由により管理事務が終了したときは、遅滞なく、当該賃貸建物の借主に対し、その旨を通知しなければならない。
ウ 賃貸住宅管理業者登録制度における賃貸住宅管理業者は、管理受託契約を締結しようとするときは、その契約が成立するまでの間に、貸主に対して、管理受託契約の内容及びその履行に関する事項に関し、賃貸不動産経営管理士等をして、必要事項を記載した書面を交付して説明をさせなければならない。
エ 管理業者が貸主の代理として内容証明郵便を送付する行為は弁護士法に違反することはない。
- ア、 イ
- ア、 エ
- イ、 エ
- ウ、 エ
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この過去問の解説 (3件)
01
肢ア→✕
貸主たる委託者が死亡した場合、特約がない限り、委託受託契約は終了します。したがって「相続人が管理受託契約上の地位を相続する」という部分が間違いになります。
肢イ→○
肢の通り。賃貸住宅管理業者登録制度における賃貸住宅管理業者は、管理受託契約の終了その他の事由により管理事務が終了したときは、遅滞なく、当該賃貸建物の借主に対し、その旨を通知しなければならないとされています。
肢ウ→○
肢の通り。賃貸住宅管理業者は、管理受託契約を締結しようとするときは、その契約が成立するまでの間に、貸主に対して、管理受託契約の内容及びその履行に関する事項に関し、賃貸不動産経営管理士等をして、必要事項を記載した書面を交付して説明をさせなければならないと定められています。
肢エ→✕
管理業者が貸主の代理として内容証明郵便を送付する行為は督促行為となり、法的紛争が存在することが存在することが推定される弁護士法に該当する可能性が高いので、「弁護士法に違反することはない」という部分が間違いになります。
不適切な組み合わせはア、エなので、2が正解になります。
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02
本問は管理受託方式による賃貸管理に関する問題です。
ア→誤り。
管理受託契約は貸主たる委任者の死亡、破産手続開始の決定により終了します。
イ→正しい。
管理業者は管理事務が終了したときは、遅滞なく借主に対し、その旨を通知しなければなりません。
ウ→正しい。
管理受託契約が成立するまでの間に、貸主に対して賃貸不動産経営管理士等をして、重要事項説明をしなければなりません。
エ→誤り。
内容証明郵便を送付する行為を弁護士以外が行うと弁護士法に違反します(非弁行為に該当)。
以上からアとエが誤りであり、正解は2となります。
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03
賃貸人と賃貸住宅管理業者の間で締結される管理委託契約の法的性質は民法上の委任契約です。それゆえ、委任契約の民法上の規律を踏まえつつ、賃貸住宅管理業務処理準則等をおさえていくという準備の仕方になるでしょう。
ア 不適切
委任契約は、委任者又は受任者の死亡・破産手続開始決定に加え、受任者が後見開始の審判を受けた場合に終了します(民法653条)。したがって、貸主たる委託者の死亡により、管理受託契約は終了します。
イ 適切
賃貸住宅管理業者は、管理受託契約の終了その他の事由により管理事務が終了したときは、遅滞なく、当該賃貸住宅の賃借人に対し、その旨を通知しなければなりません(賃貸住宅管理業無処理準則18条)。
ウ 適切
賃貸住宅管理業者は、管理受託契約を締結しようとするときは、その契約が成立するまでの間に、当該賃貸人に対して、管理受託契約の内容及びその履行に関する事項に関し、賃貸住宅管理業者登録規程第7条に規定する者(実務経験者等)をして、一定の事項を記載した書面を交付して説明をさせなければなりません。そして、実務経験者等には賃貸不動産経営管理士が含まれます。
エ 不適切
弁護士法72条は、「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない」と規定し、弁護士資格のない者による法律事務等の受任を原則として禁じています。そして、管理受託方式の管理事業者が事業者名義で内容証明郵便を送付することは「報酬を得る目的で法律事務を取り扱う」ものとして、同条に抵触するおそれがあります。
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