賃貸不動産経営管理士の過去問
令和5年度(2023年)
問14

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問題

賃貸不動産経営管理士試験 令和5年度(2023年) 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

室内の換気方式に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 自然換気方式は、室内外の温度差による対流や風圧等の自然条件を利用しているため、換気扇の騒音もなく経済的であり、いつでも安定した換気量が確保できる。
  • 機械換気方式は、換気扇や送風機等を利用した強制的な換気方式であり、必要なときに換気ができるが、エネルギー源が必要となる。
  • 住宅では、台所、浴室、便所等からの排気は機械換気とし、給気は給気口から取り入れる第3種換気を採用することが多い。
  • 第3種換気において給気の取入れが十分でないまま機械による排気を行うと、室内外の差圧が増大することによる障害が発生する。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、「室内の換気方式の種類と特徴」に関する知識を問うものです。

 

住宅における換気は、居住者の健康と建物の維持の両面から非常に重要です。適切な換気は、室内の空気の汚れや湿気を除去し、結露の発生を抑制することで、カビやダニの発生を防ぎ、建物の劣化を遅らせる効果があります。 


換気方式には、大きく分けて自然換気方式と機械換気方式があります。更に、自然換気と機械換気を組み合わせた換気方式もあります。

代表的な換気方式は以下の通りです。
・第一種換気:機械で給気と排気を行う方式です。熱交換器を設置することで、室内の熱を逃がさずに換気することができます。
・第二種換気:機械で給気のみを行い、排気は自然換で行う方式で、室内が正圧になりやすい特徴があります。
・第三種換気:機械で排気のみを行い、給気は自然換で行う方式で、室内が負圧になりやすい特徴があります。

なお、換気に関係する法律は、建築基準法第28条(居室の採光及び換気)及び建築基準法施行令第20条の2(換気設備の技術的基準)に規定があります。

 

それぞれの方式にはメリットとデメリットがあり、住宅の構造や用途、注意点に応じて適切な方式を選択することが重要です。

 


(参考文献)
〇建築基準法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201_20240619_506AC0000000053
〇建築基準法施行令
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325CO0000000338

選択肢1. 自然換気方式は、室内外の温度差による対流や風圧等の自然条件を利用しているため、換気扇の騒音もなく経済的であり、いつでも安定した換気量が確保できる。

【不適切です】
この選択肢は、「自然換気方式は、気象条件に左右されるため、安定した換気量が確保できない」ことがポイントです。

 

自然換気方式は、風圧や温度差による空気の自然な流れを利用するため、換気扇などの機械的な動力を使用しません。そのため、騒音が少なく、エネルギー消費も抑えられるというメリットがあります。しかし、換気量は天候や外部環境に左右されやすく、風の弱い日や気温差の小さい日には、十分な換気量を確保できないことがあります。つまり、「いつでも安定した換気量が確保できる」という記述は誤りで、換気量は不安定になります。

 

したがって、この選択肢は不適切な記述です。

選択肢2. 機械換気方式は、換気扇や送風機等を利用した強制的な換気方式であり、必要なときに換気ができるが、エネルギー源が必要となる。

【適切です】
この選択肢は、「機械換気方式は、動力を使用するため、確実な換気が可能だが、エネルギー消費を伴う」ことがポイントです。

 

機械換気方式は、換気扇や送風機などの機械的な動力を使用して空気を強制的に排出または導入する換気方式です。自然換気方式と比較して、必要な時に確実に換気ができるメリットがあります。しかし、機械の稼働にはエネルギーが必要となるため、ランニングコストがかかるというデメリットがあります。

 

したがって、この選択肢は適切な記述です。

選択肢3. 住宅では、台所、浴室、便所等からの排気は機械換気とし、給気は給気口から取り入れる第3種換気を採用することが多い。

【適切です】
この選択肢は、「住宅では、第3種換気が広く採用されている」ことがポイントです。

 

第3種換気は、機械排気と自然給気を組み合わせた換気方式です。台所や浴室などの湿気が発生しやすい場所や便所などの湿気や臭気が発生しやすい場所に換気扇を設置して機械的に排気し、居室などに設けた給気口から自然に外気を取り入れます。住宅では、比較的安価で設置しやすく、シンプルで効果的な換気を実現できるため、住宅で広く採用されています。

 

したがって、この選択肢は適切な記述です。

選択肢4. 第3種換気において給気の取入れが十分でないまま機械による排気を行うと、室内外の差圧が増大することによる障害が発生する。

【適切です】
この選択肢は、「第3種換気では、給気不足による室内圧の低下に注意が必要である」ことがポイントです。

 

第3種換気では、機械的な排気によって室内が負圧になり、給気口から外気が流れ込みます。しかし、給気口が閉塞していたり、給気量が不足したりすると、室内が負圧になりすぎる場合があります。その結果、ドアが開きにくくなったり、換気扇の効率が低下したりするだけでなく、外気の逆流による結露や臭気の侵入、隙間風が生じて気密性や断熱性が低下するなどの問題が発生する可能性があります。

 

したがって、この選択肢は適切な記述です。

まとめ

適切な換気方式は、住宅の性能や室内環境の快適性と健康維持に直結する重要な要素です。自然換気と機械換気それぞれの特徴を理解し、建物の用途や環境に応じて適切な方式を選択することが大切です。

 

ポイントは次の通りです。
・自然換気は経済的だが、換気量は天候に左右される。
・機械換気は確実な換気が可能だが、ランニングコストがかかる。
・住宅では、第3種換気が広く採用されている。
・第3種換気では、給気不足による室内圧の低下に注意が必要である。


住宅で広く採用されてる第3種換気は、適切な給気量の確保に注意を払う必要があります。また、換気設備の定期的なメンテナンスも忘れずに行い、常に効果的な換気が行われるよう管理することが重要です。

 

これらのポイントを押さえることで、実務でも換気方式に関する理解を深め、住宅の設計や維持管理に活かすことができます。また、類似の問題にも対応できるようになります。

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02

換気方式の特徴を学習しておきましょう。

選択肢1. 自然換気方式は、室内外の温度差による対流や風圧等の自然条件を利用しているため、換気扇の騒音もなく経済的であり、いつでも安定した換気量が確保できる。

【誤】

自然換気方式は、自然条件に影響される為、いつでも安定した換気量が確保できるとは言えません。

選択肢2. 機械換気方式は、換気扇や送風機等を利用した強制的な換気方式であり、必要なときに換気ができるが、エネルギー源が必要となる。

【正】

機械換気方式は、必要なときに換気ができますが、機械を動かす為のエネルギー源が必要となります。

選択肢3. 住宅では、台所、浴室、便所等からの排気は機械換気とし、給気は給気口から取り入れる第3種換気を採用することが多い。

【正】

第3種換気を行うと、室内が負圧になり、他の部屋へ臭気等が流れ込み難いため、台所、浴室、便所等で採用されることが多いです。

選択肢4. 第3種換気において給気の取入れが十分でないまま機械による排気を行うと、室内外の差圧が増大することによる障害が発生する。

【正】

第3種換気では、排気にのみ機械を用いるので、給気の取入れが十分でないまま機械による排気を行うと、室内外の差圧が増大することによる障害が発生します。

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