賃貸不動産経営管理士の過去問
令和5年度(2023年)
問15
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問題
賃貸不動産経営管理士試験 令和5年度(2023年) 問15 (訂正依頼・報告はこちら)
建物各部の漏水や詰まりによる不具合の発生に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
ア 雨水による漏水の原因として、屋上や屋根の防水部分の劣化や破損によって生じるもの、コンクリート等の構造部材のクラックや破損によって生じるものなどがある。
イ 建物内部の漏水は、雨水か入居者の過失又は不注意によるものがほとんどであり、給水管や排水管からの漏水は発生しない。
ウ 入居者の不注意等による漏水としては、洗濯水の溢れ、流し台や洗面台の排水ホースの外れ、トイレの詰まりを放置したことによる漏水などがある。
エ 雨樋に落ち葉などが蓄積し詰まりが生じると、降雨時にオーバーフローを起こし、軒天や破風部に水が回り、建物全体の劣化を早めることがある。
ア 雨水による漏水の原因として、屋上や屋根の防水部分の劣化や破損によって生じるもの、コンクリート等の構造部材のクラックや破損によって生じるものなどがある。
イ 建物内部の漏水は、雨水か入居者の過失又は不注意によるものがほとんどであり、給水管や排水管からの漏水は発生しない。
ウ 入居者の不注意等による漏水としては、洗濯水の溢れ、流し台や洗面台の排水ホースの外れ、トイレの詰まりを放置したことによる漏水などがある。
エ 雨樋に落ち葉などが蓄積し詰まりが生じると、降雨時にオーバーフローを起こし、軒天や破風部に水が回り、建物全体の劣化を早めることがある。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、建物における漏水や詰まりの原因と影響に関する知識を問うものです。
建物の維持管理において、漏水や詰まりは建物の劣化を招き、入居者からの苦情やトラブルにもつながる可能性があり非常に重要な問題です。漏水の原因は多岐にわたり、建物の構造的な問題、経年劣化、入居者の不注意、外的要因など様々です。また、排水システムの詰まりも漏水や水害の原因となります。賃貸不動産経営管理士として、その原因や対策を理解して、原因に応じて対応する必要があります。
この問題は、建物における漏水や詰まりの原因と影響に関する知識を問うものです。建物の維持管理において、漏水や詰まりは建物の劣化を招き、入居者からの苦情やトラブルにもつながる可能性があり非常に重要な問題です。
ア【適切です】
この選択肢は、「防水部分の施工不良や劣化、構造部材のクラックや破損は雨水の漏水原因となる」ことがポイントです。
雨水による漏水の主な原因として、防水部分の施工不良や劣化、構造部材のクラックや破損などが挙げられています。これらは構造的な原因に該当します。この他にも地盤沈下などにより建物が傾くことで配管に負荷がかかり接合部分からの漏水などもあります。これらは実際によく見られる漏水原因です。
したがって、この選択肢は適切な記述です。
イ【不適切です】
この選択肢は、「経年劣化による腐食や破損、接合部の不具合で給水管や排水管からの漏水がある」ことがポイントです。
建物内部の漏水は、雨水や入居者の過失だけでなく、給水管や排水管からも発生する可能性があります。給水管や排水管の老朽化による腐食(鉄管は特に錆びやすく、塩ビ管も経年劣化でひび割れることがあります。)や破損、接続部分の緩みやパッキンゴムの硬化(経年劣化で硬化し、水密性が低下します。)などの不具合などが原因となることがあります。
東京のある管理会社の報告では、「給湯管の不具合」が漏水原因の1位であるとの報告があります。これは、一昔前の給湯管が銅製が主流であり、銅管の特性上経年劣化でピンホールが空くことが原因となっていることや、20年ほど前から架橋ポリエチレン管やポリブデン管に材質が代わってきているが、熱湯を配管に流すことで、接着部が融解して漏水することが考えられます。
したがって、この選択肢は不適切な記述です。
ウ【適切です】
この選択肢は、「洗濯水の溢れ、流し台や洗面台の排水ホースの外れ、トイレの詰まりなどは、入居者のミスによる水漏れの典型例である」ことがポイントです。
洗濯機の設置ミスや排水ホースの劣化、排水口の詰まりを放置することによる水漏れは、入居者の不注意や誤った使用方法によって発生する漏水の典型例です。日頃から入居者に対して、適切な使用方法や注意点を伝えることが重要です。
したがって、この選択肢は適切な記述です。
なお、入居者のミスによる水漏れは、原則、入居者の責任となり賠償責任を負うことになりますが、賃貸契約を結ぶ際に加入する火災保険に個人賠償責任保険が特約として付けられていることが多く、その場合は保険で補償されることになります。このため、実務では、火災保険の特約を確認することも重要です。
エ【適切です】
この選択肢は、「雨樋の落ち葉やごみの詰まりから、建物の劣化を早めることがある」ことがポイントです。
雨樋は、屋根に降った雨水を効率的に排水する役割を担っています。落ち葉やゴミなどが詰まると、雨水が適切に排水されなくなり、軒先や屋根裏に水が流れ込んでしまうこと(オーバーフロー)があります。その結果、天井や壁に漏水が発生したり、建物の構造部分に湿気がこもり、腐食やカビの発生を促進するなど、建物全体の劣化を早める原因となります。このため、雨樋の清掃や管理は定期的に行うことは、建物全体の維持のために重要です。
したがって、この選択肢は適切な記述です。
漏水や詰まりの原因は多岐にわたり、建物構造や設備、入居者の行動など、様々な要因が考えられます。日頃からの点検やメンテナンスに加えて、入居者への注意喚起など、未然に防ぐための対策も重要です。
この問題の解説を通じて、漏水の様々な原因と、それらが建物に及ぼす影響について整理しておくことは、賃貸不動産管理において需要です。
特に注目すべき点は以下の通りです
・漏水の原因は建物の構造、経年劣化、人為的ミス、外的要因など多岐にわたること。
・給排水管からの漏水も重要な問題であり、見落とさないこと。
・入居者の日常的な行動が漏水の原因となる可能性があること。
・雨樋の管理も建物全体の維持に重要であること。
併せて、賃貸の共同住宅で発生する保険事故の多くは、「漏水事故」と「破損、汚損事故」であることも認識しておくことは大事です。これにより、保険適用事故であるかという観点で漏水事故を整理しておくことは実務で役立ちます。
これらの点を理解し、日常の管理や点検に活かすことで、漏水問題の予防や早期発見・対応が可能となり、賃貸物件の価値維持につながります。
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02
どのような場合に漏水や詰まりによる不具合が発生するのかを確認しておきましょう。
ア 【適切】
問題文のとおり、屋上や屋根の防水部分の劣化や破損、コンクリート等の構造部材のクラックや破損は、雨水による漏水の原因となります。
イ 【不適切】
給水管や排水管からの漏水が発生する場合もあります。
ウ 【適切】
問題文のとおり、入居者の不注意等による漏水としては、洗濯水の溢れ、流し台や洗面台の排水ホースの外れ、トイレの詰まりを放置したことによる漏水などがあります。
エ 【適切】
問題文のとおり、雨樋に詰まりが生じると、降雨時に水が溢れ、軒天や破風部に水が回り、建物全体の劣化を早める原因となることがあります。
適切なものは3つです。
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