中小企業診断士の過去問
平成27年度(2015年)
経営法務 問21

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 平成27年度(2015年) 問21 (訂正依頼・報告はこちら)

日本企業と外国企業との間の共同研究開発契約書(Cooperative Research and Development Agreement)において規定されている以下の条項を読んで、下記の設問に答えよ。

Article●●[   ]
1. During the term of this Agreement, no collaborative research and/or development in competition with research or development under this Agreement shall be made by any party to this Agreement with athird party, without obtaining its prior written approval of the other party.
2. Termination of this Agreement shall be without prejudice to the obligation provided for in the preceding paragraph.

共同研究開発契約において、特に本条第2項のような規定を定めることは、わが国では違法となるおそれが強いとされているが、その根拠となる法律として、最も適切なものはどれか。
  • 産業技術力強化法
  • 中小企業新事業活動促進法
  • 独占禁止法
  • 特許法

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この過去問の解説 (2件)

01

3.正解です。
問題文は
1.この契約のもと、契約期間中、当事者のいずれも、事前に他方の書面による合意がない限り、第三者と合意し、共同研究開発もしくは競争的研究開発をしてはならない。
2.契約の解除によって、相手方の権利ならびに自己の義務を毀損してはならない。
となっております。
これらは、不公正な取引方法や不当な取引制限に該当する場合があります。
したがって、独占禁止法が適切となります。

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02

正解は、「独占禁止法」です。

【基礎知識】

英文契約の理解を問う問題です。

2項を訳します。

Termination of this Agreement

決まった言い方です。「この契約の終了」

shall be

without prejudice to

こちらも決まった言い方です。「(to以下の)権利に影響を及ぼさず」

the obligation provided for in the preceding paragraph.

「前項の規定により与えられた権利」

つまり、契約が終了しても、1項の競業禁止規定は残るという内容になります。

それぞれの法律のポイントを整理します。

・産業技術力強化法

 日本版バイ・ドーム制度とも言われます。国等の公的機関が関連した特許権等を流出させないように、またより有効活用されるように特定の民間事業者に特許権等を移転したり、専用実施権等の設定には国等の承認を義務付けたりする法律です。

・中小企業新事業活動促進法

 中小企業による創造的活動を促進するために制定された法で、税制、金融をはじめとした施策を整備したものです。

・独占禁止法

 企業の事業活動で独占や不正・不公平な取引を規制します。公正かつ自由な競争を促進するものです。

・特許法

 発明の保護および利用を促進し、産業の発展を促すための法律です。

以上より、契約終了後も競業禁止規定を有効としていることから、公正な取引が制限される恐れがあります。

よって、独占禁止法に抵触する可能性があります。

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