中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
経済学・経済政策 問19
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 平成30年度(2018年) 問19 (訂正依頼・報告はこちら)
外部不経済について考える。いま、マンションの建設業者と周辺住民が、新しいマンションについて交渉を行う。ここでは、周辺住民が地域の環境資源の利用権を持っているとする。マンションの建設によって、地域環境の悪化という外部不経済が発生するので、マンションの建設業者は補償金を周辺住民に支払うことで問題を解決しようとする。
下図には、需要曲線、私的限界費用曲線、社会的限界費用曲線が描かれている。この図に関する記述として、最も適切なものを下記から選べ。
下図には、需要曲線、私的限界費用曲線、社会的限界費用曲線が描かれている。この図に関する記述として、最も適切なものを下記から選べ。
- 資源配分が効率化する生産水準において、マンションの建設業者が補償金として支払う総額は□BFHCである。
- マンションの建設による外部不経済下の市場均衡において、外部費用は□BFHCで示される。
- マンションの価格と、マンションの建設による社会的限界費用は、生産量がQ0のもとで等しくなる。
- マンションの建設による外部不経済が発生しているもとでの生産量はQ0になり、総余剰は△AECで示される。
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この過去問の解説 (2件)
01
外部不経済が発生する場合、私的限界費用曲線と需要曲線が交わる市場均衡点では資源配分は効率化せず、社会的限界費用曲線と需要曲線が交わる点で資源配分が効率化します。
各選択肢については、以下のとおりです。
1 :正解です。
問題文の通りです。
2 :誤りです。
市場均衡の生産量はQ0であり、その際の外部費用は□BGECで示されます。
3 :誤りです。
マンションの価格と、マンションの建設による社会的限界費用は生産量がQ1のもとで等しくなります。
4 :誤りです。
外部不経済が発生しているもとで総余剰は△AFB-△GEFで示される部分になります。
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02
外部不経済についての分析をする問題です。
外部不経済とは当事者以外の第三者に損害を与えることです。
本問でもマンションの建設業者は補償金を払うことになっているため、負担する費用が大きくなります。
私的限界費用とは生産者が生産するための限界費用を指し、社会的限界費用は第三者の損害を賠償するための負担を加味した限界費用のことです。
グラフ上は、私的限界費用曲線が上方シフトしたものが社会的限界費用曲線となります。
各選択肢を解説していきます。
外部不経済への対処には政府による介入があります。
ピグー税を課すことで社会的余剰を最適化する考え方です。
もう一つは反対に政府が介入しない方法です。
権利関係が明確であり、交渉の取引費用がほとんどゼロであれば、加害者と被害者の交渉により資源配分は最適化されるという考え方でコースの定理と呼ばれます。
本問はコースの定理が成立する状況となっています。
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