中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
運営管理 問5

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 平成30年度(2018年) 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

マシニングセンタに関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 工作物を回転させ、主としてバイトなどの静止工具を使用して、外丸削り、中ぐり、突切り、正面削り、ねじ切りなどの切削加工を行う工作機械。
  • 異なる機能をもつ数台から数十台の工作機械を等間隔、かつ、直線状に配置し、それらを搬送装置で結合した工作機械群。
  • 自動制御によるマニピュレーション機能または移動機能をもち、各種の作業をプログラムによって実行できる、産業に使用される機械。
  • 主として回転工具を使用し、フライス削り、中ぐり、穴あけおよびねじ立てを含む複数の切削加工ができ、かつ、加工プログラムに従って工具を自動交換できる数値制御工作機械。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は4です。

マシニングセンタ(MC)は、それぞれの加工に必要な工具を自動で交換できる機能を備えたNC工作機械とされています。主に中ぐり、フライス削り、穴あけ、ねじ立て、リーマ仕上げなど多種類の加工を連続で行うことができます。

1→旋盤に関する説明となっています。よって誤りです。

2→トランスファーマシン(自動搬送複合工作機械)に関する説明です。よって誤りです。

3→産業用ロボットに関する説明です。よって誤りです。

4→正解です。複数の切削加工、自動交換、数値制御がポイントです。

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02

【基礎知識】

加工に使われる工具、機械はどんどん進歩してきました。

手作業(道工具)

→個々の工程の自動化(NC工作機械→マシニングセンタ)

→複数の工程の自動化(FMC→FMS)

→工場の自動化(FA)

→企業システム全体の自動化(CIM)

特にNC工作機械は、1950年代に出現し、それまで手作業だった工程を自動化させ、大幅に効率を向上させました。NCとは、数値で制御することです。例えば5㎜の穴をあけるなどです。

NC工作機械では、使う工具を手で取り換える必要がありました。

そこで、複数工具を装着し、工具の変更も自動化したものがマシニングセンタ(MC)になります。この工具の変更する装置をATC(Automatic Tool Changer:自動工具交換装置)と言います。

そして複数のMCを組み合わせ、工程を自動化したものがFMC:Flexible Manufacturing Cell(フレキシブル加工セル)といい、FMCをさらに集約したものがFMS:Flexible Manufacturing System(柔構造製造システム)となります。

そしてそれらが集約されて、更に購買やCAD、CAMなどの機能をも取り込んで、工場全体を自動化したのがFAになります。

FAは工場単位ですが、更に一歩進んだのがCIMです。CIMとは受注から製品開発、設計、生産計画、調達、製造、物流、製品納品等、生産に関わるあらゆる活動を管理・制御するシステムのことです。企業全体を自動化する内容になります。

選択肢1. 工作物を回転させ、主としてバイトなどの静止工具を使用して、外丸削り、中ぐり、突切り、正面削り、ねじ切りなどの切削加工を行う工作機械。

旋盤の説明であるため、誤り。

選択肢2. 異なる機能をもつ数台から数十台の工作機械を等間隔、かつ、直線状に配置し、それらを搬送装置で結合した工作機械群。

トランスファーマシンの説明であり、誤り。異なる機械を直線的、等間隔で配置してベルトコンベアでつないだものです。直線でつなぐのもあれば、回転テーブルの周りに配置するロータリステーションマシンがあります。

選択肢3. 自動制御によるマニピュレーション機能または移動機能をもち、各種の作業をプログラムによって実行できる、産業に使用される機械。

産業用ロボットの説明ですので、誤り。マニピュレータ(機械の腕)と、プログラムで制御する複数の軸(人間でいう関節)で構成されています。

選択肢4. 主として回転工具を使用し、フライス削り、中ぐり、穴あけおよびねじ立てを含む複数の切削加工ができ、かつ、加工プログラムに従って工具を自動交換できる数値制御工作機械。

記載の通り。正しい。

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