中小企業診断士の過去問 平成30年度（2018年） 運営管理 問9

正解は２です。

QC７つ道具の各名称と用途・考え方を抑えて、ふさわしい選択肢を選びます。
パレート図は、全体における不良品の割合や改善すべき不良品の特定が可能で、問題点の特定と改善に有効です。
ヒストグラムは、データの分布状態を把握するための図で、対象データの安定度をバラつきの形状から判断します。
散布図は、2つの特性を横軸と縦軸でとり、観測値を打点して作るグラフです。2つの特性の相関関係や異常点の解析に使用されます。

以上を踏まえ、問題文を確認します。
Aは不適合品の種類と発生数から最も多い割合を算出しています。この用途で用いられるのはパレート図です。Bは、重量のバラつきが大きいことを示しているため、ヒストグラムが当てはまります。Cは加工速度と重量の2つの特性について調べているため、散布図が当てはまります。

１→散布図が2つの特性、ヒストグラムがバラつきの把握です。よって誤りです。

２→正解です。

３→ヒストグラムは割合ではなくバラつきをみます。よって誤りです。

４→ヒストグラムは割合ではなくバラつきをみます。よって誤りです。

【基礎知識】

ＱＣ7つ道具の問題です。7つ道具の適正利用の知識が求められます。色んな場面で使われますので、どういったものかを覚えるだけでなく、使いこなしたいツールです。

ＱＣ7つ道具とは以下の7つの分析手法のことです。

• パレート図

　項目別に分けたデータを度数の多いものから順に並べ、累計曲線

　（データ数÷累計数）を折れ線で示したもの。どういった項目が

　大きな影響を与えているかがわかる。

• チェックシート

　データの記録に必要な項目に従い、データを記入していく表のこと。

• ヒストグラム

　データを一定の範囲ごとに区切り、それぞれの度数を表（度数分布表）

　にまとめ、棒グラフで示したもの。

　データの分布やバラつきなどを視覚的に確認できる。

• 管理図

　品質などを視覚化するために利用するもので、例えば品質の目標値を

　中心線として、上方管理限界線と下方限界管理線を配置し、データを

　時系列で折れ線で表示する。データが管理範囲内に収まっているかを

　管理する。

• グラフ

　データを視覚的に表現したもの。変化や比較をしやすくする。

　変動を見る折れ線グラフ、数量比較の棒グラフ、割合を表す円グラフなど。

• 特性要因図

　魚の骨に似ているのでボーンフィッシュチャートともいう。

　特性（結果）に至った要因を書き出し、どの要因が特性の変化に作用

　するかを可視化する図。

• 散布図

　2項目を縦軸、横軸にとってデータをプロットし、2項目にどういった

　関係があるかを調べるグラフ。例えば体重と糖尿病発生率等を調べると、

　関係がある場合は一定のグラフを描くことになる。

【選択肢評価】

A：不適合の種類と発生数をAで分析し、重量に関する不適合が特に多いことが

　把握できていると記載されているので、パレート図になる。

B：要素のバラツキを確認しているため、ヒストグラムが適切。

C：2項目の関係の有無を調べているので、散布図。