中小企業診断士の過去問
令和元年度(2019年)
経済学・経済政策 問6

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 令和元年度(2019年) 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

下図は、開放経済における生産物市場の均衡を表す 45度線図である。直線ADは総需要線であり、総需要ADは以下によって表される。

均衡GDPは 45度線と総需要線の交点によって与えられる。均衡GDPの変化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
問題文の画像
  • 減税は、総需要線の傾きを急にすることを通じて、均衡GDPを増やす。
  • 政府支出の拡大は、総需要線の上方への平行移動を通じて、均衡GDPを増やす。
  • 輸出の減少は、総需要線の傾きを緩やかにすることを通じて、均衡GDPを減らす。
  • 利子率の上昇は、総需要線の上方への平行移動を通じて、均衡GDPを増やす。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は2です。

乗数効果の問題です。
三面等価の原則「総生産(GDP)=総所得(分配)=総支出(需要)」によると、
総生産YSは「総生産(GDP)の増加分=総所得(分配)の増加分」になります。

総支出(需要)YDであらわされる消費は「基礎消費+限界消費性向所得+投資」になります。

各選択肢については、以下の通りです。

1→減税をすると、所得が増えることになるので、総需要曲線は傾きが急になるのではなく、上にシフトします。

2→適切です。政府支出の増加は総需要線は上にシフトします。

3→輸出の減少は総需要線が下方に平行移動します。

4→利子の上昇により、投資が減るので総需要線は下方へ平行移動し、均衡GDPを減少させます。

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02

均衡GDPの変化に関する問題です。

本問の解説を始める前に、ADから始まる式にCとIとMを代入して総需要関数を導きます。

AD = C + I + G + M

上記の式に代入します。

AD = C0 + c ( Y - T ) + I0 - br + G + X - mY

上記の式を整理します。

AD = ( c - m )Y + C0 - cT + I0 - br + G + X

(基礎消費をC0 独立投資をI0 と表記しています)

上記の式をふまえて各選択肢の動きについて解説します。

選択肢1. 減税は、総需要線の傾きを急にすることを通じて、均衡GDPを増やす。
  • 減税してTが減ることでY軸の切片の値が大きくなり、総需要線は上方へ平行移動して均衡GDPを増やします。
  • 総需要線の傾きは変わらないため、本選択肢は不正解です。

選択肢2. 政府支出の拡大は、総需要線の上方への平行移動を通じて、均衡GDPを増やす。
  • 政府支出の拡大によりGが増えることでY軸の切片の値が大きくなり、総需要線は上方へ平行移動して均衡GDPを増やします。
  • そのため本選択肢が正解です。

選択肢3. 輸出の減少は、総需要線の傾きを緩やかにすることを通じて、均衡GDPを減らす。
  • 輸出の減少によりXが減り、Y軸の切片の値が小さくなることで、総需要線は下方へ平行移動して均衡GDPを減らします。
  • 総需要線の傾きは変わらないため、本選択肢は不正解です。

選択肢4. 利子率の上昇は、総需要線の上方への平行移動を通じて、均衡GDPを増やす。
  • 利子率の上昇によりrの値が大きくなり、Y軸の切片が小さくなることで、総需要線は下方へ平行移動して均衡GDPを減らします。
  • 総需要線は上方へ平行移動はしないため、本選択肢は不正解です。

まとめ

45度分析も頻出問題です。

学習する際は実際に図を書いて、条件に従いグラフを動かしていくことが有効です。

与えられた式を整理したりすることで回答しやすくもなります。

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