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中小企業診断士の過去問 令和元年度(2019年) 運営管理 問34

問題

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最寄品を主に取り扱う小売店舗における在庫管理に関する記述として、最も適切なものはどれか。
   1 .
定期発注方式を採用した場合、安全在庫を計算する際に考慮する需要変動の期間は、調達期間と発注間隔の合計期間である。
   2 .
定期発注方式を採用した場合、需要予測量から有効在庫を差し引いた値が発注量になる。
   3 .
定量発注方式を採用した場合、調達期間が長いほど発注点を低く設定した方が、欠品は発生しにくい。
   4 .
定量発注方式を採用した場合の安全在庫は、調達期間が 1 日であれば、常に 0 になる。
   5 .
発注点を下回ったときの有効在庫と補充点との差の数量を発注するように運用すれば、補充直後の在庫量は常に一定になる。
( 中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 令和元年度(2019年) 問34 )
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この過去問の解説 (2件)

4

正解は1です。

在庫管理における発注方式は、定量発注方式、定期発注方式、MRP、ダブルビン方式、発注点補充点方式が代表的です。

定期発注方式は、あらかじめ定めた発注間隔で発注量を発注毎に決めて発注する在庫管理方式です。発注量は毎回異なりますが発注サイクルは常に同じとなります。

計算式は以下で表されます。

発注量=(在庫調整期間の予想消費量-現在の在庫量-発注残)+安全在庫

在庫調整期間は、以下で表されます。

=発注サイクル(発注から次の発注までの間)+調達リードタイム(発注から納品までの間)

定量発注方式は、在庫量が一定まで減少した際、あらかじめ設定した一定量を発注する方式です。発注のタイミングは毎度ズレますが、発注量は常に等しくなります。

発注点の計算としてよく問われる計算式は以下です。

発注点=調達リードタイム×調達リードタイム中の平均需要量/日+「安全在庫」

※「安全在庫」は、調達リードタイムの需要変動による「品切れ」を防止するために必要な最低限の在庫のことをいい、JISではこれを「不確実性」と定義しています。

1→上記より、需要変動の期間である在庫調整期間は、調達期間と発注間隔の合計期間となります。よって正解です。

2→上記より、需要予測量から有効在庫を差し引いた値に安全在庫を加えて算出します。

よって誤りです。

3→定量発注方式における発注点は、調達リードタイム×調達リードタイム中の平均需要量/日+「安全在庫」の式で表されます。調達期間が長いと、発注点は高く設定する必要があります。よって誤りです。

4→安全在庫は、k:係数 L:調達期間 α:単位期間における需要量の標準偏差 とすると、

k×√L×αの式で表されます。よって調達期間が1であっても、安全在庫は0になりません。よって誤りです。

5→発注点を下回ったとき、有効在庫と補充点との差の数量を発注するのは、発注点補充点方式です。調達期間中の消費量が異なるため、補充直後の在庫量は一定とはならず変動します。よって誤りです。

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1

【基礎知識】

在庫管理に関する問題です。取り扱い商品が最寄品であることという点を踏まえての回答となります。

まず、発注方式は大きく6つあります。主なのは定量発注方式、定期発注方式になります。

・定量発注方式:

在庫量が一定量を下回った際に決まった数量を発注する方式。需要が大きくぶれるような商品には不向きだが、安定的な需要の場合は手間も少なく、機械的に対応できる。

・定期発注方式:

一定の時期に、その時の在庫量を踏まえ、発注数量を決定して発注する方式。需要がブレても発注数量で調整できる。一方で都度発注数量を決めるので手間でややこしい。

・不定期不定量発注方式:

在庫が一定数量を下回った時に需要を予測して発注。高額な商品に使われます。発注数量の予測が難しい。

・簡易発注方式:

重要度の低い商品で使われる。ダブルビン方式と補充方式に分かれる。

  ダブルビン方式:在庫を2つに分け、片方から品出しし、なくなったら

          その分発注する方式。

  補充方式:一定量を使ったら発注する方式。

・同期化発注方式:

発注先と契約し、毎日一定数を納品させる方式。急な需要変動に対応しきれないが、重要性の低い商品の場合は毎回発注する手間を省ける。

・分納発注方式:

定期的に計画数と在庫数を確認し、計画に合わせて発注する方式。

特に重要な定量発注方式、定期発注方式について説明します。

〇定量発注方式

一定在庫を下回った時に発注します。この在庫量を発注点と言います。

よく売れる商品などは在庫切れが一番怖いので、最低限確保しておく在庫量を決めています。これを安全在庫と言います。

安全在庫を下回らないように発注点を定めますが、発注してから商品が届くまでの間で在庫切れを起こしてはいけません。よって発注点は安全在庫に到達した段階で発注してから商品が届くまでの期間に販売されると予測される数(調達リードタイムにおける推定需要量)を足した在庫が発注点になります。

あと、重要な概念として経済的発注量があります。定量発注方式では発注点に来た段階で一定の発注を行いますが、その一定量のことを言います。

経済的発注量は以下のように考えます。

発注を1回行うと、運送料などの発注コストがかかります。よってできるだけ多くの量を発注したいですが、発注しすぎて在庫を抱えてしまうと、商品ロスやスペース利用などで在庫コストがかかってきます。できるだけ少なく抱える方が安くつきます。つまり、発注コストと、在庫コストはトレードオフの関係になっており、この2つが等しくなる点が最適な発注量となります。

経済的発注量:Q、1回あたり発注コスト:H、1個当たり在庫(保管)コスト:C、想定需要量:Dとすると、

発注コストはD/Q×H となります。需要量を発注量で割った回数だけ発注コストがかかります。

在庫コストはQ/2×C となります。1回あたりの発注量がQですので、平均在庫はQ/2となり、Cをかけたものです。

よって、D/Q×H=Q/2×Cとなり、Qについて解くと、

 Q=√2DH/Q となります。

〇定期発注方式

定期的に異なる量で発注を行います。

発注量を考えるときに、発注して入荷するまでの期間(調達リードタイム)と、発注してから次に発注するまでの期間(発注サイクル)の2つの期間を考慮する必要があります。通常、①発注→②入荷→③発注→④入荷となっていきますので、①の発注時点では、次の入荷までの在庫等を考える必要がありますので、④の入荷までをも見据えて発注量を考えることになるからです。

よって、定期発注方式における発注量は、

予測期間(調達リードタイム+発注サイクル)の推定需要量-(手持在庫+発注残)+安全在庫

となります。

選択肢1. 定期発注方式を採用した場合、安全在庫を計算する際に考慮する需要変動の期間は、調達期間と発注間隔の合計期間である。

定期発注方式では、発注時点では次の入荷まで考える必要があり、正しい。

選択肢2. 定期発注方式を採用した場合、需要予測量から有効在庫を差し引いた値が発注量になる。

安全在庫を考慮する必要があるため、誤り。有効在庫とは、実在庫数からすでに販売が決まっている在庫を除いた在庫数のこと。

選択肢3. 定量発注方式を採用した場合、調達期間が長いほど発注点を低く設定した方が、欠品は発生しにくい。

調達期間が長い=需要量の想定が難しく、ぶれる可能性が高いことになりますので、発注点を高める必要があり、誤り。発注点を高めるとは、在庫数を多い段階で発注すること。

選択肢4. 定量発注方式を採用した場合の安全在庫は、調達期間が 1 日であれば、常に 0 になる。

調達リードタイムの1日の間に販売する量があるため、安全在庫は0にはならない。よって誤り。発注してすぐ届くような場合に0になる。

選択肢5. 発注点を下回ったときの有効在庫と補充点との差の数量を発注するように運用すれば、補充直後の在庫量は常に一定になる。

調達リードタイムの間に販売される数量もあるため、入荷した段階では変動する場合があるため、誤り。

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