中小企業診断士 過去問
令和元年度(2019年)
問189 (中小企業経営・中小企業政策 問4)

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問題

中小企業診断士試験 令和元年度(2019年) 問189(中小企業経営・中小企業政策 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

財務省「法人企業統計調査年報」に基づき、1983年度から2016年度の期間について、製造業の労働生産性(従業者一人当たりの付加価値額)を、企業規模別に見た場合、①小規模企業の労働生産性は中規模企業と大企業を下回っている。
労働生産性は、資本装備率(従業者一人当たりの有形固定資産)と資本生産性(有形固定資産当たりの付加価値額)に分解できるが、企業規模別に見た場合、小規模企業の資本装備率は中規模企業と大企業より( A )、小規模企業の資本生産性は中規模企業と大企業より( B )。しかしながら、近年こうした②規模間格差に変化が見られるようになっている。
なお、ここでは中規模企業は小規模企業以外の中小企業とし、企業規模区分は中小企業基本法に準ずるものとする。対象となる企業は全て法人であり、比較は中央値で行うものとする。

文中の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
  • A:高く  B:高い
  • A:高く  B:低い
  • A:低く  B:高い
  • A:低く  B:低い

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この過去問の解説 (3件)

01

製造業を企業規模毎に分けて、資本装備率と資本生産性を比較している問題です。

それぞれ小規模企業白書を参考にすると以下のようになります。

資本装備率 小規模企業 < 中規模企業と大企業

資本生産性 小規模企業 > 中規模企業と大企業

正しい組み合わせは A:低く B:高い です。

選択肢1. A:高く  B:高い

本選択肢は不正解です。

選択肢2. A:高く  B:低い

本選択肢は不正解です。

選択肢3. A:低く  B:高い

本選択肢が正解です。

選択肢4. A:低く  B:低い

本選択肢は不正解です。

まとめ

小規模企業白書を始めとした統計資料に目を通して、様々に変化していっている様子を把握することも大切です。

資本装備率は依然として小規模事業者が低いままですが、資本生産性については大企業・中規模企業が追い上げていて近年はほとんど差がなくなってきているという変化が起きています。

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02

正解は3です。

1983年度から2016年度の期間について、製造業の労働生産性に関する問題です。

労働生産性は、資本装備率(従業者一人当たりの有形固定資産)と資本生産性(有形固定資産当たりの付加価値額)に分解できますが、企業規模別に見た場合、小規模企業の資本装備率は中規模企業と大企業より(低く)、小規模企業の資本生産性は中規模企業と大企業より(高い)です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→上記の通り適切ではありません。

2→上記の通り適切ではありません。

3→上記の通り適切です。

4→上記の通り適切ではありません。

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03

本問は、小規模企業白書2018年版第1部第3章第1節2「資本装備率、資本生産性の比較」第1-3-5図(42ページ)と第1-3-7図(43ページ)からの出題となります。

※中小企業白書とは別の白書のため、ご注意ください。

 

1983年度と2016年度という、30年以上離れた時期を比較させていますが、第1-3-5図・第1-3-7図ともに左端と右端になります。

 

・空欄A(資本装備率)

小規模企業の資本装備率は、中規模企業と大企業より低いことが分かります。

 

・空欄B(資本生産性)

小規模企業の資本生産性は、中規模企業と大企業より高いことが分かります。

選択肢1. A:高く  B:高い

冒頭の解説より「A:低く B:高い」の組み合わせであるため、不適切な選択肢です。

選択肢2. A:高く  B:低い

冒頭の解説より「A:低く B:高い」の組み合わせであるため、不適切な選択肢です。

選択肢3. A:低く  B:高い

冒頭の解説より「A:低く B:高い」の組み合わせであるため、正解の選択肢となります。

選択肢4. A:低く  B:低い

冒頭の解説より「A:低く B:高い」の組み合わせであるため、不適切な選択肢です。

まとめ

【補足】

 

資本装備率と資本生産性で異なる傾向が見られるのは、グラフの注釈にもありますが資本装備率と資本生産性の算出方法にあります。

 

・資本装備率=有形固定資産÷従業員数

有形固定資産も多く従業員数も多い大企業と、有形固定資産も少なく従業員数も少ない小規模企業なので、描かれるグラフはイメージ通りになります。

 

資本生産性=付加価値額÷有形固定資産

小規模企業は分母の有形固定資産が少ないため、分子の付加価値額をそれなりに計上していれば資本生産性は高くなる傾向にあります。大企業は付加価値額は大きいですが有形固定資産も多いため、付加価値額は「薄められる」傾向にあります。

 

同じ資本装備率や資本生産性でも、統計資料によりどの数値を計算式に入れるかは異なりますが、「装備率」では固定資産と従業員、「生産性」では付加価値額が入るのではないかという予測ができれば、選択肢は絞り込みやすくなります。

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