中小企業診断士 過去問
令和2年度(2020年)
問21 (経済学・経済政策 問21)
問題文
この税による税収と超過負担の組み合わせを表すものとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

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問題
中小企業診断士試験 令和2年度(2020年) 問21(経済学・経済政策 問21) (訂正依頼・報告はこちら)
この税による税収と超過負担の組み合わせを表すものとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

- 税収:四角形ABFE 超過負担:三角形EFH
- 税収:四角形ABFE 超過負担:三角形EHG
- 税収:三角形CEF 超過負担:三角形EFH
- 税収:三角形CEF 超過負担:三角形EHG
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この過去問の解説 (3件)
01
政府による従価税(消費税のような取引額に応じて課せられる税金のこと)の余剰、死荷重についての問題です。
死荷重とは、政府が課税など政策によって市場の成果が歪められる総余剰の減少のことです。
税収(政府余剰)は、課税した場合としない場合の差額 E-F × 販売数量となり四角形ABEFです。
超過負担(死荷重)は、三角形EFHです。
1 税収 正解、超過負担 正解
2 税収 正解、超過負担 不正解
3 税収 不正解、超過負担 正解
4 税収 不正解、超過負担 不正解
よって正解は1となります。
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02
政府が介入する場合の余剰分析に関する問題です。
政府が、ある財に対して税率t%で「従価税」を課した場合、財の限界費用が増加して供給曲線は上方にシフトします(SからS')。
一方需要曲線は、政府から従価税を課されても変化はありません。
したがって、需要曲線と供給曲線の交点はHからEに変化します。
この場合の政府余剰(税収)は、「課税した場合の価格と課税しない場合の価格の差」×数量となりますので、四角形ABFEとなります。
また、この場合の超過負担(死荷重)は、課税しない場合の総余剰から減少する余剰というものになります。具体的には三角形EFHになります。
正解です。
冒頭の説明より誤りです。
冒頭の説明より誤りです。
冒頭の説明より誤りです。
政府が介入する場合の余剰分析に関する問題でした。余剰分析に関するバリエーションの一つとなっています。今後も出題可能性がありますので復習をしておきましょう。
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03
従価税に関する問題です。
今回、求められているのが税収(※政府余剰のことです)と超過負担(※死荷重のことです)の範囲ですが、税収の範囲については余剰分析をしなくても求めることができます。
ただし、超過負担の範囲については余剰分析をしないと判断が難しい(選択肢から、ある程度推測は可能です)という設定になっています。
【税収の範囲の特定方法】
縦軸の価格に着目すると、課税により価格は点B→点Aに上昇しますので、この点BA間が縦軸の課税の範囲となります。
一方で、横軸の数量は課税前が点F、課税後が点Eと同じであるため、税収の範囲は□ABFEとなります。
※点PHは余剰分析の解説の便宜上から追加したもので、元々与えられているグラフには記載がありません。
※すべての選択肢が線間EFを含んでいるため、横軸の数量は課税前後で変化がないと判断するのが妥当と考えられます。
【超過負担の範囲の特定方法】
課税前の余剰分析は、下図のとおりです。
・消費者余剰△PDPHH
・消費者余剰△PHCH
・総余剰△PDCH
課税後の余剰分析は下図の通りです。点線PEは、課税前の供給曲線Sに対して平行に引いた補助線になります。
・消費者余剰△PDAE
・消費者余剰△APEE
・総余剰△PDCFE
・政府余剰□PECFE(□ABFEと同じ→解説のまとめで言及しています)
課税前後で見比べると、横軸の数量が線間HE分だけ少なくなっているのが分かります。
(点Hは課税前の供給曲線Sと、点Eは課税後の供給曲線S’とそれぞれ交わっています)
そのため、課税前後で余剰が少なくなっている部分の△EFHが超過負担の範囲となります。
冒頭の解説より、税収と超過負担の適切な組み合わせは「税収:四角形ABFE 超過負担:三角形EFH」であるため正解の選択肢となります。
冒頭の解説より、税収と超過負担の適切な組み合わせは「税収:四角形ABFE 超過負担:三角形EFH」であるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、税収と超過負担の適切な組み合わせは「税収:四角形ABFE 超過負担:三角形EFH」であるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、税収と超過負担の適切な組み合わせは「税収:四角形ABFE 超過負担:三角形EFH」であるため不適切な選択肢です。
【補足】
課税前後で、税収(政府余剰)の位置が変わっていることに触れておきます。
課税前の税収は□ABFEですが、課税後は□PECFEになっています。
これは、課税前の税収□ABFEが矢印のように斜めにスライドしているためです。(どちらも同じ大きさになります)
課税後の税収の範囲は問われておらず、正誤判断に直接関係ありませんが、課税後の総余剰の範囲に影響してくるため補足しておきます。
※正誤判断に直接関係がないので他の書籍や動画の解説でも説明が省略されていて、モヤモヤしている人もいるかと思います。
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