中小企業診断士 過去問
令和2年度(2020年)
問30 (財務・会計 問5)

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問題

中小企業診断士試験 令和2年度(2020年) 問30(財務・会計 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

固定資産X、YおよびZに減損の兆候がみられる。以下の表に基づき、減損損失を認識すべきものの組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
問題文の画像
  • X、YおよびZ
  • XおよびY
  • XおよびZ
  • YおよびZ

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この過去問の解説 (3件)

01

減損損失の認識についての出題です。

減損損失とは、減損の兆候のある資産又は資産グループについて、帳簿価額と割引前将来キャッシュ・フローの総額を比較して、減損を実施するか否かを判断することです。

割引前将来キャッシュフローとは、事業活動を通して回収できる見込みのキャッシュの総額です。

割引前将来CFは、経営計画等の経営者の主観的判断に基づいた指標です。

割引前将来キャッシュフローが帳簿価額を下回る場合、減損損失として認識すべきものとなります。

帳簿価額     割引前将来CF

X  2,800 > 2,400

Y   3,100 < 3,300

Z   4,500 > 3,900

上記よりX、Zが対象となります。

よって、正解は3です。

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02

減損損失に関する問題です。減損損失とは、企業が行った固定資産などの投資額と、それから生み出される将来キャッシュフローの総額を比較した場合にキャッシュフローの総額が固定資産の帳簿価額を下回るときのキャッシュフローの総額と固定資産価額との差を言います。

つまりこのまま固定資産を保有し続けても将来得られるキャッシュフローの総額がそれに満たないのであればその満たない額を損失として処理する考え方です。

この考え方に従い、選択肢の内容を検討します。

X:帳簿価額>割引前将来キャッシュ・フローの総額となりますので、減損損失を認識します。

Y:帳簿価額<割引前将来キャッシュ・フローの総額となりますので、減損損失の認識は不要です。

Z:帳簿価額>割引前将来キャッシュ・フローの総額となりますので、減損損失を認識します。

したがって減損損失を認識するのはXとZとなります。

選択肢1. X、YおよびZ

減損損失を認識するのはXとZとなりますので誤りです。

選択肢2. XおよびY

減損損失を認識するのはXとZとなりますので誤りです。

選択肢3. XおよびZ

正解です。

選択肢4. YおよびZ

減損損失を認識するのはXとZとなりますので誤りです。

まとめ

減損損失に関する問題でした。内容を覚えていれば簡単に解答できる問題ですので、正答できなかった場合はしっかり復習しておきましょう。

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03

減損会計に関する問題です。

 

減損会計については、以下の3つのステップを暗記してください。

①減損の兆候
減損の兆候があるかどうかの確認

 

②回収可能価額の算定
①で減損の兆候がある場合、以下の判定を行なう。

・帳簿価額>割引前将来CF総額

・帳簿価額>正味売却価額と使用価値のいずれか高い方(回収可能価額)
 

③減損損失の認識
②で回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、その差額を減損損失として計上する。

 

本問で与えられている表に加筆すると、以下のようになります。

 帳簿価額 割引前将来CF総額正味売却価額使用価値判定内容
X2,800>2,4001,3001,400帳簿価額>割引前将来CF総額
Y3,100<3,3002,7002,300 
Z4,500>3,9003,4003,200帳簿価額>割引前将来CF総額

したがって、減損損失を認識すべきものの組み合わせはXおよびZとなります。

選択肢1. X、YおよびZ

冒頭の解説より、減損損失を認識すべきものの組み合わせはXおよびZであるため不適切な選択肢です。

選択肢2. XおよびY

冒頭の解説より、減損損失を認識すべきものの組み合わせはXおよびZであるため不適切な選択肢です。

選択肢3. XおよびZ

冒頭の解説より、減損損失を認識すべきものの組み合わせはXおよびZであるため正解の選択肢となります。

選択肢4. YおよびZ

冒頭の解説より、減損損失を認識すべきものの組み合わせはXおよびZであるため不適切な選択肢です。

まとめ

【補足】

 

減損会計の出題頻度は低いですが、それほど複雑ではないため暗記しておきたい論点です。

なお、冒頭の解説の内容が文章で問われることもあります。

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