中小企業診断士 過去問
令和2年度(2020年)
問31 (財務・会計 問6)

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問題

中小企業診断士試験 令和2年度(2020年) 問31(財務・会計 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

C社はD社を吸収合併し、新たにC社株式200千株を交付した。合併期日におけるC社の株価は1株当たり400円であった。D社の貸借対照表は以下のとおりであった。商品の時価は24,000千円であったが、その他の資産および負債の時価は帳簿価額と同額である。C社は増加すべき株主資本のうち、2分の1を資本金、残りを資本準備金とした。
合併に伴い発生するのれんと、増加する資本金の金額の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
問題文の画像
  • のれん: 6,000千円 資本金:37,000千円
  • のれん: 6,000千円 資本金:40,000千円
  • のれん:10,000千円 資本金:37,000千円
  • のれん:10,000千円 資本金:40,000千円

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この過去問の解説 (3件)

01

企業結合(M&A)の会計処理に関する出題です。

企業を買収する際の買収金額の総額は、純資産額(資産ー負債)にのれん代(保有する技術力やブランドなどの信用力)を加算したものとなります。

本文においての買収金額は、200千株×一株あたり400円=80,000千円です。

D社の総資産額は、帳簿価額は105,000千円ですが、商品を時価で+4,000千円ですので、時価総額として、109,000千円となります。

負債額は帳簿価額と同額とされていますので、35,000千円です。

純資産額(時価)=109,000千円ー35,000千円=74,000千円

買収金額 80,000千円ー純資産額74,000=のれん代6,000千円となります。

増加すべき株主資本の内1/2を資本金とするとありますから、資本金40,000千円となります。

よって正解は2です。(のれん代 6,000千円、資本金 40,000千円)

1,3 

のれん代は資産です。増加する株主資本の1/2を資本金、残りを資本準備金とする場合において金額総額には関係してきません。よって、資本金37,000千円は間違いです。

3・4

企業の吸収合併における会計処理は、時価で行います。よって、のれん代10,000千円は間違いです。

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02

企業の吸収合併に関する会計処理を問う問題です。

企業が他社を合併する場合の会計処理の考え方としては、被合併企業を時価評価してその企業を時価で買収することになります(パーチェス法)。

なお、企業が被合併企業の時価よりも高い価値を認めて買収する場合、その超過する価値のことを「のれん」といい、合併する側の企業に資産計上します。

以上の内容を前提に解答を考えます。

・D社の時価

105,000 - 20,000 + 24,000 - 35,000 = 74,000千円

・C社による買収金額

200 × 400 = 80,000千円

・C社で計上するのれんの額

80,000 - 74,000 = 6,000千円

・C社で計上する増加資本金の額

80,000 × 1/2 = 40,000千円 

選択肢1. のれん: 6,000千円 資本金:37,000千円

資本金の額は40,000千円となりますので誤りです。

選択肢2. のれん: 6,000千円 資本金:40,000千円

正解です。

選択肢3. のれん:10,000千円 資本金:37,000千円

のれんの金額は6,000千円、資本金の額は40,000千円ですので誤りです。

選択肢4. のれん:10,000千円 資本金:40,000千円

のれんの金額は6,000千円ですので誤りです。

まとめ

企業の吸収合併に関する会計処理の問題でした。内容の理解と実際の計算の両方ができるようになることが必要ですので、しっかり復習しましょう。

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03

のれんに関する問題です。与件文に書かれている内容は、以下のようになります。

 

・C社はD社を吸収合併し、新たにC社株式200千株を交付(合併期日におけるC社の株価は1株当たり400円)

→80,000千円(200千株×1株400円)

 

D社の総資産額109,000千円

帳簿価額105,000千円+商品の差額4,000千円(時価24,000千円のため、簿価20,000千円との差額が4,000千円上乗せされる)

 

負債総額35,000千円(=買掛金。帳簿価額と同額)

 

純資産額=総資産額109,000千円ー負債額35,000千円=74,000千円

買収金額80,000千円ー純資産額74,000千円=6,000千円がのれんの金額となります。

 

C社は増加すべき株主資本のうち2分の1を資本金としたので、増加する資本金は40,000千円となります。

選択肢1. のれん: 6,000千円 資本金:37,000千円

冒頭の解説より、「のれん:6,000千円 資本金:40,000千円」の組み合わせとなるため不適切な選択肢です。

選択肢2. のれん: 6,000千円 資本金:40,000千円

冒頭の解説より、「のれん:6,000千円 資本金:40,000千円」の組み合わせとなるため正解の選択肢となります。

選択肢3. のれん:10,000千円 資本金:37,000千円

冒頭の解説より、「のれん:6,000千円 資本金:40,000千円」の組み合わせとなるため不適切な選択肢です。

選択肢4. のれん:10,000千円 資本金:40,000千円

冒頭の解説より、「のれん:6,000千円 資本金:40,000千円」の組み合わせとなるため不適切な選択肢です。

まとめ

【補足】

 

のれんの問題は、仕訳でも解くことができます。仕訳は以下のようになります。

貸方借方
諸資産109,000諸負債35,000
のれん6,000資本金40,000
  資本準備金40,000

原価計算の問題の解説でボックス図に触れていますが、仕訳も貸方・借方が対照(同額)になるため、のれんの金額は最後に差分で求めることになります。

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