IS曲線とは縦軸に利子率、横軸にGDPをとるグラフにおいて財市場の均衡を表すものです。
財市場においては、利子率が低下すると投資が増加してGDPも増加するため、右下がりの曲線として描かれます。
各選択肢をそれぞれ解説します。
IS曲線は財市場の均衡を表すものであるため、貨幣需要とは直接的には無関係です。
貨幣需要の利子感応度の影響を受けるのは、LM曲線であるため本選択肢は不正解です。
利子率が低下すると投資が増加して、GDPも増加します。
限界消費性向が大きいと、乗数効果が強く働くためより大きく増加します。
その結果としてIS曲線の傾きはより緩やかになるため、本選択肢が正解です。
政府支出の増加するとGDPも増加するので、IS曲線は右方シフトします。
そのため本選択肢は不正解です。
投資の利子感応度（利子弾力性）とは、利子率が変化した場合に投資がどれくらい変化するかを表すものです。
IS曲線の傾きは、投資の利子感応度（利子弾力性）の大きさにより変化します。
投資の利子感応度が小さいほど、IS曲線の傾きはより急になるため、本選択肢は不正解です。
独立消費の減少によりGDPも減少します。
IS曲線は左方シフトするため、本選択肢は不正解です。
IS曲線の「I」は「Investment（投資）」を、「S」は「Savings（貯蓄）」を表しています
IS-LM曲線は例年出題される論点であるため、学習して対策をしておきましょう。
IS曲線は商品市場の均衡を表すものであり、その傾きは限界消費性向（c）に依存します。限界消費性向は所得の変化に対する消費の変化の割合を示すもので、一般的には0から1の間の値を取ります。正確には、IS曲線は以下の式で表されます。
Y = C(Y - T) + I(r) + G
ここで、Yは所得、Cは消費関数、Tは税金、Iは投資関数、rは利子率、Gは政府支出です。
傾きは次のように求められます。
dY÷dr = 1÷(1 - c(1 - dC÷dY))
この式から、限界消費性向が大きい（cが大きい）ほど分母が小さくなり、IS曲線の傾きはより緩やかになります。したがって、限界消費性向が大きいほど、IS曲線の傾きがより緩やかになると言えます。
誤りです。貨幣需要の利子感応度が大きいほど、実際にはIS曲線はより急峻になります。
正解です。
誤りです。政府支出の増加はIS曲線を右方にシフトさせる傾向があります。
誤りです。投資の利子感応度が小さいほど、実際にはIS曲線はより急峻になります。
誤りです。独立消費の減少はIS曲線を左方にシフトさせる傾向があります。
