中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
経済学・経済政策 問9

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 令和5年度(2023年) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

下図は、IS曲線とLM曲線を描いている。この図に基づいて、下記の設問に答えよ。
LM曲線に関する記述として、最も適切なものはどれか。
問題文の画像
  • 貨幣需要の所得感応度が大きいほど、LM曲線の傾きはより緩やかになる。
  • 貨幣需要の利子感応度が大きいほど、LM曲線の傾きはより緩やかになる。
  • 資産効果に伴う貨幣需要の増加は、LM曲線を右方にシフトさせる。
  • 投資の利子感応度が大きいほど、LM曲線の傾きはより緩やかになる。
  • 名目貨幣供給の増加は、LM曲線を左方にシフトさせる。

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この過去問の解説 (2件)

01

LM曲線とは縦軸に利子率、横軸にGDPをとるグラフにおいて資本市場(貨幣市場)の均衡を表すものです。

資本市場(貨幣市場)においては、GDPが増加すると利子率が増加するため、右上がりの曲線として描かれます。

各選択肢をそれぞれ解説します。

選択肢1. 貨幣需要の所得感応度が大きいほど、LM曲線の傾きはより緩やかになる。

LM曲線が緩やかになるのは、貨幣需要の利子感応度(利子弾力性)が大きくなるときです。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢2. 貨幣需要の利子感応度が大きいほど、LM曲線の傾きはより緩やかになる。

選択肢のとおりの変化をするため本選択肢が正解です。

選択肢3. 資産効果に伴う貨幣需要の増加は、LM曲線を右方にシフトさせる。

貨幣需要の増加は利子率を上昇させるので、LM曲線は利子率の上昇する左方シフトをします。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢4. 投資の利子感応度が大きいほど、LM曲線の傾きはより緩やかになる。

LM曲線は資本市場(貨幣市場)の均衡を表すものであるため、投資の利子感応度とは直接的には無関係です。

投資の利子感応度の影響を受けるのは、IS曲線であるため本選択肢は不正解です。

選択肢5. 名目貨幣供給の増加は、LM曲線を左方にシフトさせる。

名目貨幣供給の増加により利子率が低下するので、LM曲線は利子率が低下する右方シフトをします。

そのため本選択肢は不正解です。

まとめ

LM曲線の「L」は「Liquidity Preference(流動性選好)」を、「M」は「Money Supply(貨幣供給)」を表しています

IS-LM曲線は例年出題される論点であるため、学習して対策をしておきましょう。

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02

LM曲線は、貨幣市場の均衡を表すものであり、その傾きは貨幣需要の利子感応度(dM^d÷dr)に依存します。正確には、LM曲線は以下の式で表されます。

M^d = L(r, Y)

ここで、M^dは名目貨幣需要、Lは実質貨幣需要関数、rは利子率、Yは所得です。

LM曲線の傾きの計算式は以下の通りです。

dM^d÷dr = dL÷dr

したがって、貨幣需要の利子感応度が大きいほど、LM曲線の傾きはより緩やかになります。これは、貨幣需要が利子率の変化に対して敏感であるためです。

選択肢1. 貨幣需要の所得感応度が大きいほど、LM曲線の傾きはより緩やかになる。

これはLM曲線には関係ありません。LM曲線の傾きは主に利子率に依存します。

選択肢2. 貨幣需要の利子感応度が大きいほど、LM曲線の傾きはより緩やかになる。

正解です。

選択肢3. 資産効果に伴う貨幣需要の増加は、LM曲線を右方にシフトさせる。

誤りです。資産効果に伴う貨幣需要の増加は、むしろLM曲線を上方にシフトさせる傾向があります。

選択肢4. 投資の利子感応度が大きいほど、LM曲線の傾きはより緩やかになる。

誤りです。LM曲線の傾きは主に貨幣需要の利子感応度に依存します。

選択肢5. 名目貨幣供給の増加は、LM曲線を左方にシフトさせる。

誤りです。名目貨幣供給の増加は、むしろLM曲線を右方にシフトさせる傾向があります。

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