中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
財務・会計 問13

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和5年度(2023年) 問13 (訂正依頼・報告はこちら)

当社とその競合会社であるF社に関する以下の資料に基づき、下記の設問に答えよ。ただし、金額の単位は万円とする。

当社とF社の生産性に関する記述として、最も適切なものはどれか。
問題文の画像
  • 労働生産性はF社が上回っているが、その要因は設備生産性が当社のそれを上回っていることにある。
  • 労働生産性はF社が上回っているが、その要因は労働装備率が当社のそれを上回っていることにある。
  • 労働生産性は当社が上回っているが、その要因は設備生産性がF社のそれを上回っていることにある。
  • 労働生産性は当社が上回っているが、その要因は労働装備率がF社のそれを上回っていることにある。

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この過去問の解説 (2件)

01

企業の生産性を分析する問題です。

まず、付加価値について確認をします。

付加価値とは売上高から材料費などの外部購入費を差し引いたものです。

 

労働生産性とは、従業員一人当たりが産む付加価値のことです。

求める式は以下のようになります。

労働生産性 = 付加価値 ÷ 従業員数 x 100

当社とF社それぞれの労働生産性を計算します。

当社 12,000万円 ÷ 20人 = 600万円/人

F社 22,400万円 ÷ 40人 = 560万円/人

当社が上回っていることになります。

 

設備生産性とは、設備(有形固定資産)を用いてどれだけ付加価値を生み出しているのかを表している指標のことです。

計算式を確認します。

設備生産性 = 付加価値 ÷ 有形固定資産 x 100

同様に当社とF社の設備生産率を計算します。

当社 12,000万円 ÷ 16,000万円 x 100 = 75%

F社 22,400万円 ÷ 20,000万円 x 100 = 112%

F社が上回っていることになります。

 

労働装備率とは、従業員一人当たりの設備投資額のことです。

計算式は以下のとおりです。

労働装備率 = 有形固定資産 ÷ 従業員数 

当社とF社の労働装備率を計算します。

当社 16,000万円 ÷ 20人 = 800万円/人

F社 20,000万円 ÷ 40人 = 500万円/人

当社が上回っていることになります。

 

上記をふまえて生産性を分析すると、労働生産性は当社が上回っています

その要因としては、設備生産性はF社を下回っているものの、労働装備率は当社が上回っているからという結果になります。

選択肢1. 労働生産性はF社が上回っているが、その要因は設備生産性が当社のそれを上回っていることにある。

本選択肢は不正解です。

選択肢2. 労働生産性はF社が上回っているが、その要因は労働装備率が当社のそれを上回っていることにある。

本選択肢は不正解です。

選択肢3. 労働生産性は当社が上回っているが、その要因は設備生産性がF社のそれを上回っていることにある。

本選択肢は不正解です。

選択肢4. 労働生産性は当社が上回っているが、その要因は労働装備率がF社のそれを上回っていることにある。

本選択肢が正解です。

まとめ

本問のように各指標を横断して問われることがあります。

それぞれの指標の計算式とその意味まで学習しておきましょう。

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02

それぞれの指標を計算します。

労働生産性=
付加価値÷人件費×100

当社:12,000÷7,800×100≒154%

F社:22,400÷16,800×100≒133%

設備生産性=
付加価値÷有形固定資産合計×100

当社:12,000÷16,000×100≒75%

F社:22,400÷20,000×100≒112%

労働装備率=
有形固定資産合計÷従業員数

当社:16,000÷20×100≒800

F社:20,000÷40×100≒500

以上を踏まえ、各選択肢の正誤を確認します。

選択肢1. 労働生産性はF社が上回っているが、その要因は設備生産性が当社のそれを上回っていることにある。

誤りです。労働生産性は当社がF社を上回っています。

 

選択肢2. 労働生産性はF社が上回っているが、その要因は労働装備率が当社のそれを上回っていることにある。

誤りです。労働装備率は当社がF社を上回っています。

選択肢3. 労働生産性は当社が上回っているが、その要因は設備生産性がF社のそれを上回っていることにある。

誤りです。設備生産性はF社が当社を上回っています。

選択肢4. 労働生産性は当社が上回っているが、その要因は労働装備率がF社のそれを上回っていることにある。

正解です。

 

まとめ

生産性指標は、計算式そのものに厳密な正解式があるわけではなく、ケースバイケースの場合が多いです。

例えば、%表記とするか、それとも単位あたりのコスト額とするかはどちらでもよく、従業員数や投資額、売上額などの前提が異なる複数社間で、数字の大小から比較評価が出来ればいいわけです。

 

ポイントは、単位当たりの投資でどの程度のリターンを得ているかを比べることにあります。

ポイントを押さえて、優越を評価しましょう。

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