中小企業診断士の過去問 令和5年度(2023年) 財務・会計 問14
この過去問の解説 (2件)
キャッシュ・コンバージョン・サイクルとは、仕入債務の支払いから売上債権の回収まで、資金繰りが必要な期間のことです。
計算式は以下のようになっています。
キャッシュ・コンバージョン・サイクル = 売上債権回転期間 + 棚卸資産回転期間 - 仕入債務回転期間
各選択肢をそれぞれ解説します。
売上債権回転率を求める計算式を確認します。
売上債権回転率 = 売上高 ÷ 売上債権
キャッシュ・コンバージョン・サイクルで問われているのは、売上債権回転期間です。
売上債権回転期間の計算式を確認します。
売上債権回転期間 = 売上債権 ÷ 売上高
計算式からわかるように、売上債権回転率と売上債権回転期間は逆数の関係にあります。
そのため売上債権回転率が低くなると、売上債権回転期間は伸びるため、キャッシュ・コンバージョン・サイクルも伸びることになります。
本選択肢は不正解です。
キャッシュ・コンバージョン・サイクルの計算式より、仕入債務回転期間が、売上債権回転期間と棚卸資産回転期間の合算より長ければマイナスになります。
そのため本選択肢は不正解です。
キャッシュ・コンバージョン・サイクルの計算式から、仕入債務回転期間が短くなると、キャッシュ・コンバージョン・サイクルは長くなることになります。
そのため本選択肢は不正解です。
キャッシュ・コンバージョン・サイクルの計算式から、棚卸資産回転期間が短くなると、キャッシュ・コンバージョン・サイクルは短くなります。
そのため本選択肢が正解です。
キャッシュ・コンバージョン・サイクルの定義をや計算式を知らなくても、資金繰りに関わるような指標であることは読み取れるかと思います。
そうなると選択肢の中で明確に好影響を与えそうなのは、棚卸資産回転期間が短くなることであるため、その選択肢が正解だと推測することは可能でした。
キャッシュ・コンバージョン・サイクルは、企業が商品を仕入れから現金に変換するまでの期間を示す指標です。
ポイントは、仕入のため現金を支払うタイミングから、売り上げて現金を回収したタイミングまでの時間差を示そうとしており、資金繰りを示す重要な財務指標になります。
計算式にすると以下ですが、問題文ではそこまで問われてはいないので、上記概念を理解したうえで解答に臨むだけで正解は導出できます。
キャッシュ・コンバージョン・サイクル=売上債権回収期間+棚卸資産回転期間-仕入債務支払期間
誤りです。売上債権回転率が低くなるということは、売上債権回収期間が延びるということになります。従い、キャッシュ・コンバージョン・サイクルは長くなります。
誤りです。仕入に対する支払より売上の現金化が早ければ、マイナスになることは起こりえます。基本的に小売業では掛売のケースは低く、マイナス値になりやすいです。
誤りです。仕入債務回転期間が短くなると、キャッシュ・コンバージョン・サイクルは長くなります。仕入に対する支払は早く行い、キャッシュアウトのタイミングは短くなるものの、売上に対する入金は従来通りでキャッシュインのタイミングは変わらないためです。
正解です。棚卸資産回転期間が短くなれば、その分キャッシュ・コンバージョン・サイクルは短くなります。
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