中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
財務・会計 問17
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和5年度(2023年) 問17 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
現在、Y社は総資本10億円(時価ベース)の全額を自己資本で調達して事業活動を行っており、総資本営業利益率は10%である。また、ここでの営業利益は税引前当期純利益に等しく、また同時に税引前キャッシュフローにも等しいものとする。Y社は今後の事業活動において、負債による調達と自己株式の買い入れによって総資本額を変えずに負債と自己資本との割合(資本構成)を1:1に変化させることを検討しており、その影響について議論している。
モジリアーニ・ミラー理論において法人税のみが存在する場合、Y社が資本構成を変化させることで、企業全体の価値に対する影響として、最も適切なものはどれか。ただし、法人税率は20%とする。
現在、Y社は総資本10億円(時価ベース)の全額を自己資本で調達して事業活動を行っており、総資本営業利益率は10%である。また、ここでの営業利益は税引前当期純利益に等しく、また同時に税引前キャッシュフローにも等しいものとする。Y社は今後の事業活動において、負債による調達と自己株式の買い入れによって総資本額を変えずに負債と自己資本との割合(資本構成)を1:1に変化させることを検討しており、その影響について議論している。
モジリアーニ・ミラー理論において法人税のみが存在する場合、Y社が資本構成を変化させることで、企業全体の価値に対する影響として、最も適切なものはどれか。ただし、法人税率は20%とする。
- 企業価値が1億円減少する。
- 企業価値が1億円増加する。
- 企業価値が4億円減少する。
- 企業価値が4億円増加する。
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この過去問の解説 (2件)
01
MM理論について問題です。
MM理論には、資本構成を変化すると企業価値が変化するという理論があります。
法人税が存在する場合は、負債の節税効果が働くので企業価値が増加すると考えます。
増加額は、負債 x 法人税率で求めることができます。
総資本は10億円で、負債と自己資本の割合は1:1という条件があるため、負債は5億円ということになります。
企業価値の増加額は以下のようになります。
5億円 x 20% = 1億円
本選択肢は不正解です。
本選択肢が正解です。
本選択肢は不正解です。
本選択肢は不正解です。
法人税が存在する市場について言及されているのはMM理論の修正命題です。
MM理論は過去に出題されたことがあるため、MM理論の命題も含め基本的な事項は学習しておきましょう。
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02
モジリアーニ・ミラー理論では、企業価値は資本構成によって変化しない、としています。一方、税金が発生するケースでは、負債利用により節税効果が生まれ企業価値が上昇する、と考えられています。
企業価値
=借入のない企業価値
+(税率×負債額)
=5億円+(20%×5億円)
=6億円
となり、借入のない企業価値より1億円分、企業価値が上昇します。
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