中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
財務・会計 問16

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和5年度(2023年) 問16 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

現在、Y社は総資本10億円(時価ベース)の全額を自己資本で調達して事業活動を行っており、総資本営業利益率は10%である。また、ここでの営業利益は税引前当期純利益に等しく、また同時に税引前キャッシュフローにも等しいものとする。Y社は今後の事業活動において、負債による調達と自己株式の買い入れによって総資本額を変えずに負債と自己資本との割合(資本構成)を1:1に変化させることを検討しており、その影響について議論している。

税金が存在しない場合、Y社が資本構成を変化させたとき、ROEの値として、最も適切なものはどれか。ただし、負債利子率は3%であり、資本構成の変化によって総資本営業利益率は変化しないものとする。
  • 13%
  • 13.5%
  • 17%
  • 17.5%

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この過去問の解説 (2件)

01

まず、問題文にある総資本と総資本営業利益率から、営業利益を求めます。

総資本営業利益率

=営業利益÷総資本

営業利益

=総資本×総資本営業利益率

=1,000百万円×10%

= 100百万円

総資本営業利益率は資本構成の変動後も変わらないので、営業利益も変わらず1億円です。

総資本額を変えずに負債と自己資本との割合(資本構成)を1:1に変化させるとあるので、総資本10億円の資本構成を、自己資本5億円、負債5億円とすることが分かります。

負債5億円は、営業外費用として負債利子率3%分を計上する必要があります。営業外費用は「営業利益は税引前当期純利益に等しい」という与件から、これ以外には発生していないことが分かります。

営業外費用

=500百万円×3%

= 15百万円

以上から、ROEの式に資本構成変化後の値を挿入します。

ROE (自己資本利益率)

=当期純利益÷自己資本×100

=(100百万円-15百万円)

÷500百万円×100

= 17%

ROEの値は17%になることが分かります。

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02

本問は税金が存在しない市場で、資本構成を変化させた場合のROEを求める問題です。

まず、ROEの基本公式を確認します。

 

ROE = ( 1 - 法人税率 ) x ( ROA + ( ROA - 負債利子率 ) x 負債比率 )

 

本問の条件から次のようになります。

ROA(総資本営業利益率)は10%、負債利子率は3%、税金が存在しないため法人税率は0、負債と自己資本の割合は1:1であるため負債比率は1です。

各数値をROEの基本公式に代入して計算します。

 

ROE = ( 1- 0 ) x ( 10% + ( 10% - 3% ) x 1) = 17%

選択肢1. 13%

本選択肢は不正解です。

選択肢2. 13.5%

本選択肢は不正解です。

選択肢3. 17%

本選択肢が正解です。

選択肢4. 17.5%

本選択肢は不正解です。

まとめ

ROEの基本公式を理解していれば十分に正答できる問題でした。

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