中小企業診断士の過去問 令和5年度（2023年） 経営情報システム 問11

正解は、「30」です。

【基礎知識】

IPアドレスに関する問題です。

IP（Internet Protocol）とは、「複数の通信ネットワークを相互に接続し、データを中継・伝送して一つの大きなネットワークにすることができる通信規約（プロトコル）の一つ」のことで、IPアドレスとは、IPにより定められたネットワーク（インターネット）の中で、コンピュータを識別するために割り振られる番号の列のことになります。

IPアドレスにはIPv4とIPv6の2つがあります。一般的にIPアドレスと言われるとIPv4のことを指します。

IPアドレスは以下のような、数字4つが「．」で区切られた形で表記されます。

　　127．32．122．3

どのネットワークのものを示すかを表すネットワーク部とどのコンピュータを表すかを示すホスト部と大きく2つに分かれます。4つの数字のどこまでがネットワーク部でどこからがホスト部かを分けるのがサブネットマスクになります。

問題ではサブネットマスクが2進法表示で以下のようになっています。

11111111 11111111 11111111 11100000

1の部分がネットワーク部、0の部分がホスト部になります。

つまり、下5桁が0となっており、この5桁がホスト部であることがわかります。

2進数ですので、割り当てができる数は、2の5乗（5桁あり、0か1を割り当てれるため）になりますが、前後2は特殊な用途で利用されるため、引く必要があります。

（1つはネットワークアドレス（そのネットワークそのものに振ったアドレス）でもう一つはすべて1の最後のアドレスでブロードキャストアドレスと言い、ネットワーク内すべての機器に一斉配信するために取られているものになります）

よって、2の5乗　－　2　＝　30　となります。

IPアドレス（IPv4）に関する問題です。

実務で知識がある方等でなければ対応できない内容が問われており、正解できない方が多かったのではないかと思われます。

適当にマークを付けて、確実に得点できる他の問題に時間を使う方が賢明であると考えます。

そのため、本問で問われている「ホストとして使用できるIPアドレスの個数は最大いくつになるか」の解説は割愛しますが、ホストとして使用できるIPアドレスの個数を知る目的として以下のサイトをご参照下さい。

https://note.cman.jp/network/subnetmask.cgi

(1) IPアドレスの欄に、本問で指定されている「172.16.16.32」を入力します。

(2) サブネットマスクの欄に、本問で指定されている「／27」をプルダウンで選択します。

(3) 計算実行ボタンを押します。

すると、ネットワークアドレス(開始IP)　172.16.16.32

ブロードキャストアドレス(終了IP)　172.16.16.63

と表示され、この間の172.16.16.33～172.16.16.62がホストアドレス(使用可能IP)となり、本問の正解の個数となります。