中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
経営情報システム 問10

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営情報システム 令和5年度(2023年) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

ストレージ技術に関する以下のa~eの記述とその用語の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a  RAID技術の1つで、ストライピングによって管理する方式。
b  RAID技術の1つで、ミラーリングによって管理する方式。
c  ファイバチャネルやTCP/IPなどの転送方式を利用して構築されたストレージ専用のネットワーク。
d  既存のネットワーク(LAN) に直接接続し、コンピュータなどからネットワークを通じてアクセスできるストレージ。
e  ストレージを仮想化して割り当てておき、実データの増加に応じて物理的なストレージを増設する管理技術。
  • a:RAID0  b:RAID1  c:NAS  d:SAN  e:シンプロビジョニング
  • a:RAID0  b:RAID1  c:SAN  d:NAS  e:シンプロビジョニング
  • a:RAID0  b:RAID5  c:SAN  d:DAS  e:シックプロビジョニング
  • a:RAID1  b:RAID0  c:DAS  d:NAS  e:シックプロビジョニング
  • a:RAID1  b:RAID5  c:NAS  d:SAN  e:シックプロビジョニング

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は、「a:RAID0  b:RAID1  c:SAN  d:NAS  e:シンプロビジョニング 」です。

 

【基礎知識】

語句の問題です。

 

〇RAID

HDDを複数設置することで、システムの安全性を高めることができます。データを複数持つことを冗長性と言います。ITの世界では冗長性は安全性の高さを言います。HDDを複数設置して冗長性を高めることをRAIDといい、いくつかのレベルがあります。主要なものを紹介します。

 

RAID0 データを複数のHDDに分けて記憶させます。同じ内容を複数のHDDに記憶させるのではなく、分散して記憶させるイメージです。ですので、冗長性はありませんが、書き込みスピードが速いといった特徴があります。ストライピングとも言います。

 

RAID1 同じデータを2つのHDDに書き込みます。ミラーリングとも言います。

 

RAID5 RAID0のストライピング(複数のHDDにバラバラに記載する)機能を擁しながら、それぞれのデータにパリティというデータを同時に生成し、複数のHDDに記録していく方法です。HDDが故障しても、パリティよりデータを復活させることができます。

 

〇ストレージの接続形態

・DAS(Direct Attached Storage) 1台のコンピュータにストレージを接続する従来の方法です。PCでは内部にストレージ(HDD、SDD等)を置いています。

 

・NAS (Network Attached Storage) ネットワークに接続して、ネットワークに接続している端末が共有できるストレージです。ファイル共有に特化したOSが入っています。

 

・SAN(Storage Area Network) LANから独立したストレージ専用のネットワークを構築して、複数の端末と複数の記憶装置を高速で接続する方式です。

 

〇共有ストレージの割当

・シンプロビジョニング 仮想化技術の一つで、ストレージの容量を必要な分だけサーバーに割り当てる技術です。例えば100GBの容量をサーバーが要求していても実際20GBしか使っていない場合、20GBしか割り当てませんので、効率的に利用することができます。

 

・シックプロビジョニング サーバー構築の際に割り当てた容量をきっちりと割り当てる方法です。シンプロビジョニングと比較して、利用効率が落ちることになります。

 

【選択肢評価】

a ストライピングとありますので、RAID0のことになります。

b ミラーリングとありますので、RAID1のことになります。

ⅽ ストレージ専用のネットワークとありますので、SANになります。

d ネットワークを通じてサーバーにアクセスするということになりますので、NASになります。SANは専用ネットワークになります。
e 実容量に応じて割り当てるとありますので、シンプロビジョニングです。

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02

ストレージ技術と、その用語に関する問題です。

 

空欄aとbはRAID区分が問われており、ここが分かれば選択肢を2択に絞り込むことができます。

空欄eは「実データの増加に応じて」という記述がポイントになります。空欄eだけでも選択肢を2択に絞り込むことができます。

 

しかしながら、空欄aとb、空欄eの両方の正誤判断ができても、選択肢を1つに絞り込むことはできません。空欄cとdで問われているNAS、SAN、DASの違いを理解していることが必要となる内容です。

 

NAS(Network Attached Storage):ネットワークにストレージを接続する、ストレージを既存のLANに接続する

SAN(Storage Area Network):ネットワークにストレージを接続する、ストレージ専用のネットワークを構成する

DAS(Direct Attached Storage):ネットワークを介さずにサーバに直接接続する

選択肢1. a:RAID0  b:RAID1  c:NAS  d:SAN  e:シンプロビジョニング

不適切な選択肢です。

選択肢2. a:RAID0  b:RAID1  c:SAN  d:NAS  e:シンプロビジョニング

正解の選択肢となります。

選択肢3. a:RAID0  b:RAID5  c:SAN  d:DAS  e:シックプロビジョニング

不適切な選択肢です。

選択肢4. a:RAID1  b:RAID0  c:DAS  d:NAS  e:シックプロビジョニング

不適切な選択肢です。

選択肢5. a:RAID1  b:RAID5  c:NAS  d:SAN  e:シックプロビジョニング

不適切な選択肢です。

まとめ

【補足】

下記サイトにNAS、SAN、DASの詳細な説明があります。NASとSANの比較も紹介されていますので、学習の負担にならない程度に参照していただければと思います。

 

エフサステクノロジーズ株式会社「DAS、NAS、SANの比較」

https://www.fujitsu.com/jp/products/computing/storage/lib-f/tech/beginner/san-nas-das/

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