中小企業診断士の過去問
令和5年度 再試験(2023年)
経済学・経済政策 問14

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 令和5年度 再試験(2023年) 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

下図は、生産要素としての労働と資本を投入して生産される、ある財の等産出量曲線を描いている。ここでQ1の等産出量曲線での産出量は、Q0の等産出量曲線での産出量よりも大きいものとする。
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a  資本の投入量を一定に維持したまま、労働の投入量を増加させれば、産出量は必ず増大する。
b  同一の等産出量曲線上では、労働の投入量を減少させても、資本の投入量を増加させれば、一定の産出量を維持することができる。
c  労働の資本に対する技術的限界代替率は、各生産要素の投入量に関わらず一定である。
d  等産出量曲線が右上方にシフトすれば、資本・労働比率が一定の下で労働の資本に対する技術的限界代替率は必ず上昇する。
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  • a:正  b:正  c:誤  d:正
  • a:正  b:正  c:誤  d:誤
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  • a:誤  b:正  c:正  d:誤
  • a:誤  b:正  c:誤  d:正

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、**等産出量曲線(イソクアント)**とその特性に関する知識を基に、各記述の正誤を判断するものです。等産出量曲線は、ある産出量を維持するために必要な労働と資本の組み合わせを表します。この曲線の形状やシフト、技術的限界代替率(MRTS)の変化について理解することが重要です。

a. 資本の投入量を一定に維持したまま、労働の投入量を増加させれば、産出量は必ず増大する。

これは正しいです。資本を一定に保ちながら労働投入を増加させれば、通常は追加的な労働によって産出量が増加します。ただし、追加的な労働による産出量の増加分は、通常は逓減していく(限界生産力の逓減)ものの、産出量自体は増加します。したがって、この記述は正しいです。

b. 同一の等産出量曲線上では、労働の投入量を減少させても、資本の投入量を増加させれば、一定の産出量を維持することができる。

これは正しいです。等産出量曲線上では、資本と労働は代替関係にあり、労働を減らしても資本を増やすことで、同じ産出量を維持することが可能です。これは等産出量曲線の基本的な性質です。したがって、この記述も正しいです。

c. 労働の資本に対する技術的限界代替率(MRTS)は、各生産要素の投入量に関わらず一定である。

これは誤りです。技術的限界代替率(MRTS)は、労働と資本の相対的な投入量に依存して変動します。労働や資本の投入量が変わると、MRTSも変化します。等産出量曲線の形状により、資本と労働の相対的な代替のしやすさが変わるため、一定であるという記述は誤りです。

d. 等産出量曲線が右上方にシフトすれば、資本・労働比率が一定の下で労働の資本に対する技術的限界代替率は必ず上昇する。

これは誤りです。等産出量曲線が右上方にシフトすることは、より多くの産出量を表しますが、技術的限界代替率(MRTS)が上昇するわけではありません。MRTSは資本と労働の比率によって決まるもので、等産出量曲線の位置が変わっても、MRTSの変化とは必ずしも関係ありません。したがって、この記述は誤りです。

選択肢1. a:正  b:正  c:誤  d:正

この選択肢は不適切です。

選択肢2. a:正  b:正  c:誤  d:誤

この選択肢は適切です。

選択肢3. a:正  b:誤  c:正  d:正

この選択肢は不適切です。

選択肢4. a:誤  b:正  c:正  d:誤

この選択肢は不適切です。

選択肢5. a:誤  b:正  c:誤  d:正

この選択肢は不適切です。

まとめ

等産出量曲線(イソクアント)は、ある産出量を達成するための資本と労働の投入量の組み合わせを示す曲線です。

技術的限界代替率(MRTS)は、労働と資本の投入量の変化に応じて変動します。MRTSが一定であるわけではありません。

限界生産力の逓減:労働や資本を追加で投入しても、追加的な生産量は次第に減少しますが、一定条件下では生産量自体は増加します。

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