中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問17 (経済学・経済政策 問14)
問題文
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 資本の投入量を一定に維持したまま、労働の投入量を増加させれば、産出量は必ず増大する。
b 同一の等産出量曲線上では、労働の投入量を減少させても、資本の投入量を増加させれば、一定の産出量を維持することができる。
c 労働の資本に対する技術的限界代替率は、各生産要素の投入量に関わらず一定である。
d 等産出量曲線が右上方にシフトすれば、資本・労働比率が一定の下で労働の資本に対する技術的限界代替率は必ず上昇する。

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問題
中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問17(経済学・経済政策 問14) (訂正依頼・報告はこちら)
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 資本の投入量を一定に維持したまま、労働の投入量を増加させれば、産出量は必ず増大する。
b 同一の等産出量曲線上では、労働の投入量を減少させても、資本の投入量を増加させれば、一定の産出量を維持することができる。
c 労働の資本に対する技術的限界代替率は、各生産要素の投入量に関わらず一定である。
d 等産出量曲線が右上方にシフトすれば、資本・労働比率が一定の下で労働の資本に対する技術的限界代替率は必ず上昇する。

- a:正 b:正 c:誤 d:正
- a:正 b:正 c:誤 d:誤
- a:正 b:誤 c:正 d:正
- a:誤 b:正 c:正 d:誤
- a:誤 b:正 c:誤 d:正
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は、**等産出量曲線(イソクアント)**とその特性に関する知識を基に、各記述の正誤を判断するものです。等産出量曲線は、ある産出量を維持するために必要な労働と資本の組み合わせを表します。この曲線の形状やシフト、技術的限界代替率(MRTS)の変化について理解することが重要です。
a. 資本の投入量を一定に維持したまま、労働の投入量を増加させれば、産出量は必ず増大する。
これは正しいです。資本を一定に保ちながら労働投入を増加させれば、通常は追加的な労働によって産出量が増加します。ただし、追加的な労働による産出量の増加分は、通常は逓減していく(限界生産力の逓減)ものの、産出量自体は増加します。したがって、この記述は正しいです。
b. 同一の等産出量曲線上では、労働の投入量を減少させても、資本の投入量を増加させれば、一定の産出量を維持することができる。
これは正しいです。等産出量曲線上では、資本と労働は代替関係にあり、労働を減らしても資本を増やすことで、同じ産出量を維持することが可能です。これは等産出量曲線の基本的な性質です。したがって、この記述も正しいです。
c. 労働の資本に対する技術的限界代替率(MRTS)は、各生産要素の投入量に関わらず一定である。
これは誤りです。技術的限界代替率(MRTS)は、労働と資本の相対的な投入量に依存して変動します。労働や資本の投入量が変わると、MRTSも変化します。等産出量曲線の形状により、資本と労働の相対的な代替のしやすさが変わるため、一定であるという記述は誤りです。
d. 等産出量曲線が右上方にシフトすれば、資本・労働比率が一定の下で労働の資本に対する技術的限界代替率は必ず上昇する。
これは誤りです。等産出量曲線が右上方にシフトすることは、より多くの産出量を表しますが、技術的限界代替率(MRTS)が上昇するわけではありません。MRTSは資本と労働の比率によって決まるもので、等産出量曲線の位置が変わっても、MRTSの変化とは必ずしも関係ありません。したがって、この記述は誤りです。
この選択肢は不適切です。
この選択肢は適切です。
この選択肢は不適切です。
この選択肢は不適切です。
この選択肢は不適切です。
等産出量曲線(イソクアント)は、ある産出量を達成するための資本と労働の投入量の組み合わせを示す曲線です。
技術的限界代替率(MRTS)は、労働と資本の投入量の変化に応じて変動します。MRTSが一定であるわけではありません。
限界生産力の逓減:労働や資本を追加で投入しても、追加的な生産量は次第に減少しますが、一定条件下では生産量自体は増加します。
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02
等産出量曲線です。
ある産出量維持に必要な労働と資本の組み合わせを意味します。
こうした問題は言葉を理解できているかが、勝負の分かれ目です。
考えれば、ある程度答えにたどり着ける問題でもあります。
a 資本が一定で、労働能力を増加させたのですから、産出量は増加します。
b 労働投入量と資本投入量の組み合わせ、同じ産出量となる点を結んだものが等産出量曲線であることから、正解です。
c 技術的限界代替率は右に行けば小さくなるため間違いです。
d 資本と労働の比率が一定なら等産出量曲線は右上方にシフトする。技術的限界代替率は比率によって決まるため、一定であれば変化しませんので間違いです。
間違いです。
正解です。
間違いです。
間違いです。
間違いです。
図表の中で変化が与えられる問題は、条件によってどう変化するかを覚えれば対処できます。
言葉の理解とともに、図表の変化を覚えれば、どちらかを思い出すことでも答えに導けるでしょう。
そもそも出てくる条件は多くありませんので、しっかりと覚える必要があります。
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03
等産出量曲線に関する問題です。
本問ではグラフが与えられていますが、各解答群の記述からだけでも正答に辿り着くことは可能です。
a.資本の投入量を一定に維持したまま、労働の投入量を増加させれば、産出量は必ず増大する。
→与件文に「Q1の等産出量曲線での産出量は、Q0の等産出量曲線での産出量よりも大きい」とあるように、資本の投入量を一定に維持したまま、労働の投入量を増加させれば、産出量がQ0→Q1へと増大していると考えられます。
※「資本の投入量を一定に維持したまま、労働の投入量を増加させる」という意味が分かりにくいと思いますが、グラフの縦軸が資本で横軸が労働なので、要するに資本の投入量は縦軸のある一点で固定のまま、右スライドしている(労働の投入量を増加させている)ということです。そうすれば、産出量はQ0→Q1へと拡大します。
b.同一の等産出量曲線上では、労働の投入量を減少させても、資本の投入量を増加させれば、一定の産出量を維持することができる。
→「無差別曲線では、同一曲線上では効用はどこも同じ」という原則と同じです。したがって正しい記述です。
※本問での等産出量曲線Q0Q1ともに、等産出量曲線の左上では資本量>労働量ですが、右下では資本量<労働量です。
等産出量曲線の位置によって資本と労働の投入量の配分が異なっているだけであり、同一等産出量曲線上では資本と労働の投入量の合計はどこでも同じです。(下図をご覧いただくと、等産出量曲線の左上は資本8:労働2、右下では資本2:労働8くらいでしょうか)
c.労働の資本に対する技術的限界代替率は、各生産要素の投入量に関わらず一定である。
→解答群bおよび図の説明から、労働の資本に対する技術的限界代替率は等産出量曲線の左上が最も大きくなり、等産出量曲線の右下が最も小さくなります。(つまり、一定ではありません)
d.等産出量曲線が右上方にシフトすれば、資本・労働比率が一定の下で労働の資本に対する技術的限界代替率は必ず上昇する。
→等産出量曲線が右上方にシフトすれば、資本・労働比率が一定の下で等産出量曲線での産出量は必ず上昇(増加)します。
与件文の「Q1の等産出量曲線での産出量は、Q0の等産出量曲線での産出量よりも大きい」から判断できます。
これも、「原点から離れるほど、効用が大きくなる」という無差別曲線の考え方と同じです。
労働の資本に対する技術的限界代替率については、解答群cの説明のとおりです。
冒頭の解説より、「a:正 b:正 c:誤 d:誤」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「a:正 b:正 c:誤 d:誤」の組み合わせであるため正解の選択肢となります。
冒頭の解説より、「a:正 b:正 c:誤 d:誤」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「a:正 b:正 c:誤 d:誤」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「a:正 b:正 c:誤 d:誤」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
【補足】
本問の難易度はそれほど高くありませんが、選択肢が5つあり、正誤の並びから最低でも解答群3つを正誤判断しないと正答に辿り着けず、ある程度時間を消費させられることが想定されます。
解答群dが「誤」の組み合わせは2つしかなく、解答群dから対応すれば最短で解答群2つで正答できますが、解答群dは4つの解答群で最も正誤判断が難しい(ややこしく、間違いやすい)と思われます。
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