中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問16 (経済学・経済政策 問13)
問題文
この図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

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問題
中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問16(経済学・経済政策 問13) (訂正依頼・報告はこちら)
この図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

- X財、Y財ともに、下級財である。
- X財、Y財ともに、必需財である。
- X財は下級財であり、Y財は上級財である。
- X財は上級財であり、Y財は下級財である。
- X財は必需財であり、Y財は奢侈(しゃし)財である。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は、予算制約線と無差別曲線の分析に基づいて、X財とY財がどのような性質を持つ財であるかを判断するものです。特に、財の性質として上級財、下級財、必需財、奢侈財といった区別が重要です。問題では、所得が変化したときに、X財とY財の消費量がどのように変化するかに基づいて、その財がどのような性質を持つかを考察します。
下級財とは、所得が増加すると消費量が減少する財を指します。図を確認すると、所得が増加した(予算制約線がABからCDに移動した)際に、X財の消費量は増加しているため、X財は下級財ではありません。また、Y財も消費量が変動しているため、どちらも下級財とは言えません。したがって、この選択肢は誤りです。
必需財とは、所得が増加しても消費量があまり変化しない財を指します。図を見る限り、X財もY財も、所得が増加したときに消費量が変化しているため、必需財とは言えません。よって、この選択肢も誤りです。
下級財は、所得が増加したときに消費量が減少する財ですが、図では、所得が増加してX財の消費量が増加していることから、X財は下級財ではありません。一方、Y財も上級財の特徴(所得増加に伴う消費量増加)とは異なります。したがって、この選択肢も誤りです。
上級財とは、所得が増加したときに消費量が増加する財です。図を見ると、予算制約線がABからCDに移動した際、X財の消費量が増加していることから、X財は上級財と考えられます。対照的に、Y財の消費量は所得の増加に伴って減少しているため、Y財は下級財と考えられます。したがって、この選択肢が最も適切です。
必需財は、所得が増加しても消費量があまり増加しない財ですが、X財の消費量は所得の増加に伴って増加しているため、必需財とは言えません。また、奢侈財は、所得の増加に伴って消費が大幅に増加する財ですが、Y財の消費量はむしろ減少しています。したがって、この選択肢も誤りです。
上級財:所得が増加したときに消費量が増加する財。人々の所得が増えると、より多く購入される。
下級財:所得が増加したときに消費量が減少する財。所得が増えると、むしろ消費が減少することがある。
必需財:所得が増加しても、消費量があまり変化しない財。生活必需品に多く見られ、価格変動に対して需要が安定している。
奢侈財:所得が増加した際に、消費が大幅に増加する高級品。高所得者ほど多く購入する傾向がある。
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02
スルツキー方程式の問題ですが、2つの候から成り立つことが重要になります。
代替効果は、財の相対価格の変化・・・安くなれば支出は増大する
所得効果は所得が上昇すると起こる効果・・・所得が増加したとき、上級財は増加、下級財は減少
上級財:奢侈財 代替効果も所得効果もプラス 需要の所得弾力性が1以上
上級財:必需財 代替効果も所得効果もプラス 需要の所得弾力性が0~1
下級財 代替効果が所得効果のマイナスより大きくなる
下級財:ギッフェン財 代替効果が所得効果のマイナスより小さくなる
と覚えておくといいでしょう。
こうした問題は考え込むと時間が足りなくなります。明確な条件を覚えておけば、内容がわからないでもすぐに解けるでしょう。
この問題では、予算制約線は平行と考えられるため、代替効果を0として考えます。
つまり、所得効果がプラスかマイナスかで答えが出ることになるのです。
EからFに移る(所得の増加)と、X財は増加、Y財は減少しています。
ここからX財は上級財であり、Y財は下級財であることがわかりました。
ここまでわかれば答えが出てきます。
X財が間違っています。
必需財は上級財であり、Y財の条件とあわないため間違いです。
X財とY財ともにあっていないため間違いです
正解です。
どちらも上級財のため間違いです。
ポイントは条件を理解することでしょう。
条件に当てはまるかどうかの判断がつけば、短時間で答えにたどり着ける問題です。
逆に式などを考え始めるとどんどんと時間を消費するため、同じようなパターンの問題を繰り返し、理解してしまう必要があります。
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03
予算制約線に関する問題です。
本問のポイントは、点Eから点Fに無差別曲線が移動している(言い換えると、予算制約線がABからCDへ拡大している)際に、X財とY財の購入量がどのように変化しているのかを確認することです。
以上のポイントを与件文のグラフにプロットしたものが、下図となります。
予算制約線がABからCDへ拡大しているため、購入できるX財とY財の量は増加しています。
X財の購入量は大幅に増えていますが、逆にY財の購入量は少し減少していることが分かります。
予算制約線ABを1,000円、予算制約線CDを10,000円とすると、
10,000円分購入できる時に、購入量が大幅に増えるX財は「上級財」
10,000円分購入できる時に、購入量が減少するY財は「下級財」
であると判断することができます。
上級財と下級財はイメージ通りだと思いますが、食事で例えてみます。
【上級財】
外食が該当します。給料日が来てお金が増えたら外食に行こうとする人が増えるので、上級財は増加します。
【下級財】
カップラーメンが該当します。
給料日前など節約しなければいけない場合はカップラーメンで済ませることもあると思いますが、給料日が来てお金が増えた時点でカップラーメンを買い溜めしようとする人は減る(むしろ「外食でも行こうか」となります)ので、使えるお金が増えると下級財は減少します。
※カップラーメンを買い溜めしようとするタイミングは、手持ちのお金が心許なくなってきた頃だと思います。
※上記のように皆さんの購買行動も変化するはずですので、あえて1,000円と10,000円という具体的な金額を入れてイメージしやすいようにしています。
冒頭の解説より、「X財は上級財であり、Y財は下級財である」ため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「X財は上級財であり、Y財は下級財である」ため不適切な選択肢です。
※必需財については、解説のまとめを参照してください。
冒頭の解説より、「X財は上級財であり、Y財は下級財である」ため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「X財は上級財であり、Y財は下級財である」ため正解の選択肢となります。
冒頭の解説より、「X財は上級財であり、Y財は下級財である」ため不適切な選択肢です。
※必需財と奢侈(しゃし)財については、解説のまとめを参照してください。
【補足】
各選択肢で述べられている財の種類について。
・必需財
名前の通り、生活に必要な財です。無いと生活できない財ですので、食料品などが該当します。
特徴としては、所得が増えても消費量が大きく増えるわけではない反面、所得が減っても消費量を極端に減らすことが難しいということです。
(青色でハイライトしている部分は、財の増加量または減少量の大きさで判断できると思います。つまり、必需財では増減量が小幅に止まる、ということです)
・奢侈(しゃし)財
上級品の一種で、一言でいえば「ぜいたく品」です。
なお、「所得が1%増加(または減少)した時に、需要量が1%以上増加(または減少)する財」という定義があるため、需要量>所得の増加量となります。冒頭の解説でいえば、使えるお金が1,000円→10,000円と9,000円増えた時に、9,000円以上の買い物をするということです。
上級品と奢侈材の違いをグラフで知りたいという方については、下記サイトが分かりやすいので引用しておきます。
アウトプット雑記「[経済学]エンゲル曲線と上級財・下級財」(https://output-zakki.com/microeco_engelcurve/)
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