中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問23 (経済学・経済政策 問20)
問題文
このとき、この財の生産に外部不経済がまったく生じなかった場合に比べて、社会が被る追加的費用の大きさとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

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問題
中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問23(経済学・経済政策 問20) (訂正依頼・報告はこちら)
このとき、この財の生産に外部不経済がまったく生じなかった場合に比べて、社会が被る追加的費用の大きさとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

- 四角形 P1P0HE
- 四角形 P0P2FH
- 四角形 CBFE
- 四角形 CBHG
- 四角形 EFHG
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題では、外部不経済が生じている場合における市場均衡と社会的費用の違いを理解することが重要です。外部不経済とは、財の生産や消費が第三者に負の影響(コスト)を与える状況のことです。この場合、私的限界費用と社会的限界費用の差が問題となり、社会全体が負担する追加的な費用(外部コスト)を見極めることが求められます。
グラフには、私的限界費用曲線(S0)、社会的限界費用曲線(S1)、需要曲線(D)が描かれており、外部不経済が存在しない場合の社会的に最適な均衡と、外部不経済が存在する場合の市場均衡の違いを比較します。
これは誤りです。四角形P1P0HEは、外部不経済が発生している市場における価格と、社会的最適量との間の差を示す領域ですが、これは社会が負担する追加的な費用ではありません。したがって、正しい答えではありません。
これは誤りです。四角形P0P2FHは、価格の変化によって生じる費用の違いを表しているに過ぎず、社会全体の追加的なコストを適切に反映していません。したがって、これも正解ではありません。
これは誤りです。この領域は、私的限界費用と社会的限界費用の差を一部表していますが、全体的な追加費用を適切に表していません。
これは正しいです。この領域は、外部不経済が存在するために生じる追加的な社会的費用を正確に表しています。具体的には、私的限界費用曲線S0と社会的限界費用曲線S1の差によって生じる社会的なコスト(外部コスト)を示しており、外部不経済が存在することで、社会が負担する追加のコストとして適切です。
これは誤りです。この領域は、外部不経済によって生じる追加費用の一部を示していますが、全体的なコストを表しているわけではありません。
外部不経済は、第三者に対して負の影響を与える経済活動であり、市場が生産する量が社会的に最適な水準を超えていることが一般的です。
私的限界費用(S0)は、企業が自ら負担する生産費用を示しますが、社会的限界費用(S1)は外部不経済によって社会全体が負担するコストも含んだものです。
外部不経済が存在する場合、市場均衡では社会的に最適な生産量よりも多く生産されるため、社会が負担するコスト(外部コスト)が発生します。
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02
外部不経済に関する問題です。グラフが与えられているので、外部不経済がまったく生じなかった場合と外部不経済が生じた場合とを比較します。
【外部不経済がまったく生じなかった場合】
与件文の「市場均衡は点Hで与えられ、均衡価格はP0、均衡取引量はQ0である」という記述から判断できます。
・消費者余剰△AP0H
・生産者余剰△P0BH
・社会的総余剰△ABH
【外部不経済が生じた場合】
私的限界費用曲線がS0から社会的限界費用曲線S1へと変化します。それに伴い需要曲線Dと均衡する点はHからEへと変化します。
均衡価格もP0からP1、均衡取引量もQ0からQ1へと変化します。
※図には、その変化を→と〇で示しています。
・消費者余剰△AP1E
・生産者余剰△P1CE
・社会的総余剰△ACE
・追加的費用□CBHG
冒頭の解説より、社会が被る追加的費用の大きさは「四角形CBHG」であるため不適切な選択肢です。
本問で挙げられている範囲が、生産者余剰の一部に被っています。
冒頭の解説より、社会が被る追加的費用の大きさは「四角形CBHG」であるため不適切な選択肢です。
本問で挙げられている範囲が、生産者余剰の一部に被っています。
冒頭の解説より、社会が被る追加的費用の大きさは「四角形CBHG」であるため不適切な選択肢です。
本問では、外部不経済が生じる前の市場均衡点Hが含まれていません。
冒頭の解説より、社会が被る追加的費用の大きさは「四角形CBHG」であるため正解の選択肢となります。
冒頭の解説より、社会が被る追加的費用の大きさは「四角形CBHG」であるため不適切な選択肢です。
本問では、追加的費用の大きさの一部しか含まれていません。
(私的限界費用曲線S0S1は、縦軸の価格点BやCとも接しています)
【補足】
与件文にもあるように、「外部不経済がまったく生じなかった場合」との比較が問われているため、外部不経済の発生により消費者余剰と生産者余剰、その2つを合わせた社会的総余剰がどのように変化するのかを読み取ることが必要です。
そのため、私的限界費用曲線の変化に伴う市場均衡点、均衡価格、均衡取引量の変化に着目して解説しています。
これらの変化を読み取ることができれば、消費者余剰と生産者余剰と社会的総余剰の範囲が特定でき、明らかに誤りであると判断できる選択肢を排除しやすくなるため正解の選択肢が絞り込みやすくなります。
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