中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問22 (経済学・経済政策 問19)

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問題

中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問22(経済学・経済政策 問19) (訂正依頼・報告はこちら)

下図は、独占企業の市場需要曲線D、限界収入曲線MR、限界費用曲線MCを描いている。いま、この独占企業は、利潤を最大化するように生産量を決定しているとする。
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a  生産者余剰は、三角形P1BEである。
b  消費者余剰は、三角形AP0Fである。
c  販売価格は、P1である。
問題文の画像
  • a:正  b:正  c:正
  • a:正  b:正  c:誤
  • a:正  b:誤  c:正
  • a:誤  b:正  c:正
  • a:誤  b:正  c:誤

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、独占企業の利潤最大化の条件生産者余剰・消費者余剰の算出について理解することがポイントです。独占企業は利潤最大化のために限界収入(MR)と限界費用(MC)が等しくなる点で生産量を決定し、その生産量に対応する需要曲線上の価格で商品を販売します。

 

a:生産者余剰は、三角形P1BEである。

誤りです。生産者余剰は、実際に供給される量と限界費用の差に基づきますが、一般に生産者余剰は、MR = MCの生産量Qに対する販売価格からMC曲線までの部分で求めます。三角形P1BEは生産者余剰に該当しません。

 

b:消費者余剰は、三角形AP0Fである。

正しいです。消費者余剰は、需要曲線Dと価格P0の間に位置する領域である三角形AP0Fに該当します。これは、消費者が支払った価格と需要曲線上の支払意欲とのギャップを示しています。

 

c:販売価格は、P1である。

誤りです。独占企業の利潤最大化の生産量は、限界収入MRと限界費用MCが等しくなる点で決定され、その生産量に対応する需要曲線上の価格が販売価格となります。したがって、販売価格はP0であり、P1ではありません。

選択肢1. a:正  b:正  c:正

この選択肢は不適切です。

選択肢2. a:正  b:正  c:誤

この選択肢は不適切です。

選択肢3. a:正  b:誤  c:正

この選択肢は不適切です。

選択肢4. a:誤  b:正  c:正

この選択肢は不適切です。

選択肢5. a:誤  b:正  c:誤

この選択肢は適切です。

まとめ

利潤最大化条件:独占企業は限界収入(MR)と限界費用(MC)が等しくなる点で生産量を決定し、その生産量に対応する需要曲線上の価格で販売します。

消費者余剰:需要曲線と市場価格の差によって得られる消費者の利益で、需要曲線と価格線で囲まれた領域で表されます。

生産者余剰:販売価格と供給曲線(MC)で囲まれるエリアですが、独占市場では価格決定方法により算出されます。

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02

独占企業の余剰分析に関する問題です。

 

・独占企業の利潤最大化条件

①限界収入曲線MRと限界費用曲線MCが交わる点(本問では点E)で生産量(本問ではQ)を決定する。

②市場需要曲線Dと生産量Qが交わる点(本問では点F)で価格を決定する。

→ここから販売価格はP0である(解答群cは誤り)ことが分かります。また、消費者余剰が三角形AP0Fである(解答群bは正しい)ことが分かり、選択肢は2つに絞り込まれます。

 

残った選択肢2つはいずれも「b:正 c:誤」のため解答群aの正誤判断が必要になりますが、消費者余剰が三角形AP0Fであることが分かれば、解答群aの生産者余剰は三角形P1BEではないことが分かります。

→消費者余剰の下に生産者余剰があるため、生産者余剰の一辺はP1ではなくP0になるからです。

 

念のため、与えられたグラフで確認します。

消費者余剰△AP0F(販売価格はP0

生産者余剰□P0BEF

 

なお、問われていませんが、△FEGが死荷重となります。

選択肢1. a:正  b:正  c:正

冒頭の解説より、「a: b:正 c:」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢2. a:正  b:正  c:誤

冒頭の解説より、「a: b:正 c:誤」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢3. a:正  b:誤  c:正

冒頭の解説より、「a: b: c:」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢4. a:誤  b:正  c:正

冒頭の解説より、「a:誤 b:正 c:」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢5. a:誤  b:正  c:誤

冒頭の解説より、「a:誤 b:正 c:誤」の組み合わせであるため正解の選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

独占企業の余剰分析は特徴が目立っているので、完全競争市場の余剰分析よりは対応しやすいと思います。

本問についても特に難しい設定ではなく、解答群の記述をグラフで確認するだけで正答できます。

 

解説の都合上、死荷重に触れていますが、本問では問われていないので導出する必要はありません。

(時間を節約するため、本試験では正答できたらすぐに次の問題に取りかかってください)

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