中小企業診断士の過去問
令和5年度 再試験(2023年)
経済学・経済政策 問18

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 令和5年度 再試験(2023年) 問18 (訂正依頼・報告はこちら)

個人は一定の賃金率の下で労働供給を行うことで所得を得て、所得と余暇(労働時間以外の時間)で決まる効用を最大化しようとする。下図は、賃金率が上昇して、所得と余暇の関係を表した予算制約線がABからACにシフトしたことに伴って、それぞれの予算制約線と無差別曲線が接する点が、点Eから点Fに変化したことを示している。
この図に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

a  賃金率の上昇は、労働供給を減少させる。
b  賃金率の上昇は、労働供給を増加させる。
c  点Eから点Fへの変化は、所得効果が代替効果を上回ったことを意味している。
d  点Eから点Fへの変化は、代替効果が所得効果を上回ったことを意味している。
問題文の画像
  • aとc
  • aとd
  • bとc
  • bとd

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、労働供給の意思決定における所得効果と代替効果について理解することがポイントです。賃金率が上昇することで、労働供給量や余暇時間がどのように変化するかを考察し、グラフ上での変化を説明する必要があります。

 

所得効果:賃金率の上昇により、同じ労働時間で以前よりも高い所得を得られるため、追加の労働をせずとも生活水準を向上させられます。その結果、余暇を増やして労働供給を減らすことが考えられます。

代替効果:賃金率が上昇すると、労働1時間あたりの報酬が高くなるため、労働するインセンティブが強まり、余暇を減らして労働時間を増やす方向に働きます。

 

a:賃金率の上昇は、労働供給を減少させる。

正しいです。この選択肢は、所得効果が代替効果を上回った場合に成り立ちます。賃金率が上昇することで余暇を増やし、労働供給を減少させる方向に働きます。

 

b:賃金率の上昇は、労働供給を増加させる。

誤りです。労働供給が増加するのは、代替効果が所得効果を上回った場合ですが、今回の問題では、所得効果が優勢と考えられます。そのため、労働供給は増加せず、むしろ減少します。

 

c:点Eから点Fへの変化は、所得効果が代替効果を上回ったことを意味している。

正しいです。点Eから点Fに移動したことで、労働供給が減少して余暇が増加しています。これは、所得効果が代替効果を上回ったことを示しています。

 

d:点Eから点Fへの変化は、代替効果が所得効果を上回ったことを意味している。

誤りです。代替効果が所得効果を上回った場合には、労働供給が増加するはずですが、今回の変化は労働供給が減少し余暇が増加しているため、所得効果が代替効果を上回っています。

選択肢1. aとc

この選択肢は適切です。

選択肢2. aとd

この選択肢は不適切です。

選択肢3. bとc

この選択肢は不適切です。

選択肢4. bとd

この選択肢は不適切です。

まとめ

所得効果:賃金率の上昇により、労働を減らし余暇を増やす傾向がある。

代替効果:賃金率の上昇により、余暇を減らして労働を増やすインセンティブが働く。

賃金率上昇時の労働供給の変化は、所得効果と代替効果のバランスに依存する。

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