中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問21 (経済学・経済政策 問18)
問題文
この図に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 賃金率の上昇は、労働供給を減少させる。
b 賃金率の上昇は、労働供給を増加させる。
c 点Eから点Fへの変化は、所得効果が代替効果を上回ったことを意味している。
d 点Eから点Fへの変化は、代替効果が所得効果を上回ったことを意味している。

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問題
中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問21(経済学・経済政策 問18) (訂正依頼・報告はこちら)
この図に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 賃金率の上昇は、労働供給を減少させる。
b 賃金率の上昇は、労働供給を増加させる。
c 点Eから点Fへの変化は、所得効果が代替効果を上回ったことを意味している。
d 点Eから点Fへの変化は、代替効果が所得効果を上回ったことを意味している。

- aとc
- aとd
- bとc
- bとd
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、労働供給の意思決定における所得効果と代替効果について理解することがポイントです。賃金率が上昇することで、労働供給量や余暇時間がどのように変化するかを考察し、グラフ上での変化を説明する必要があります。
所得効果:賃金率の上昇により、同じ労働時間で以前よりも高い所得を得られるため、追加の労働をせずとも生活水準を向上させられます。その結果、余暇を増やして労働供給を減らすことが考えられます。
代替効果:賃金率が上昇すると、労働1時間あたりの報酬が高くなるため、労働するインセンティブが強まり、余暇を減らして労働時間を増やす方向に働きます。
a:賃金率の上昇は、労働供給を減少させる。
正しいです。この選択肢は、所得効果が代替効果を上回った場合に成り立ちます。賃金率が上昇することで余暇を増やし、労働供給を減少させる方向に働きます。
b:賃金率の上昇は、労働供給を増加させる。
誤りです。労働供給が増加するのは、代替効果が所得効果を上回った場合ですが、今回の問題では、所得効果が優勢と考えられます。そのため、労働供給は増加せず、むしろ減少します。
c:点Eから点Fへの変化は、所得効果が代替効果を上回ったことを意味している。
正しいです。点Eから点Fに移動したことで、労働供給が減少して余暇が増加しています。これは、所得効果が代替効果を上回ったことを示しています。
d:点Eから点Fへの変化は、代替効果が所得効果を上回ったことを意味している。
誤りです。代替効果が所得効果を上回った場合には、労働供給が増加するはずですが、今回の変化は労働供給が減少し余暇が増加しているため、所得効果が代替効果を上回っています。
この選択肢は適切です。
この選択肢は不適切です。
この選択肢は不適切です。
この選択肢は不適切です。
所得効果:賃金率の上昇により、労働を減らし余暇を増やす傾向がある。
代替効果:賃金率の上昇により、余暇を減らして労働を増やすインセンティブが働く。
賃金率上昇時の労働供給の変化は、所得効果と代替効果のバランスに依存する。
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02
所得と余暇を用いた、所得効果と代替効果に関する問題です。
a.賃金率の上昇は、労働供給を減少させる。
→与件文に「所得と余暇(労働時間以外の時間)」とあり、時間は労働と余暇に充てられていることが分かります。
賃金率が上昇して、所得と余暇の関係を表した予算制約線がABからACにシフトしたことに伴い、余暇が増加していることがグラフから読み取れるため、賃金率の上昇は労働供給を減少させます。
b.賃金率の上昇は、労働供給を増加させる。
→解答群aの解説より、賃金率の上昇は労働供給を減少させます。
なお、解答群cとdは、グラフの読み取りと所得効果と代替効果の比較が必要になります。ポイントは、予算制約線ACの傾きに沿って平行に補助線を引き、補助線と無差別曲線との接点に新たな点を置く(点G)ことです。それを下図で示します。
先に所得効果と代替効果の用語の整理を行ないます。
所得効果:平行な予算制約線間の動きです。本問では予算制約線ACと補助線ACは平行ですので、点FからGへの動きになります。
代替効果:同一需要曲線内の動きです。本問では予算制約線ABと接する無差別曲線上にある点Eから点Gへの動きになります。
c.点Eから点Fへの変化は、所得効果が代替効果を上回ったことを意味している。
→上図より、所得効果が代替効果よりも大きいため、所得効果が代替効果を上回ったことを意味しています。
(横軸から読み取ることでも判断できます)
d.点Eから点Fへの変化は、代替効果が所得効果を上回ったことを意味している。
→解答群cの解説より、点Eから点Fへの変化は代替効果が所得効果を下回ったことを意味しています。
冒頭の解説より、「aとc」の組み合わせであるため正解の選択肢となります。
冒頭の解説より、「aとc」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「aとc」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「aとc」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
【補足】
本問の設定上、グラフの読み取りができなくても選択肢は2択に絞り込むことができますが、本問はオーソドックスな内容で(毎年ではありませんが)よく出題されるため、過去問題でしっかり復習して正答できるようになって欲しい論点です。直近であれば、令和2年度第15問に類問が出題されています。
なお、所得効果と代替効果を合わせた「価格効果」という論点もありますので、過去問題で押さえておいてください。
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