中小企業診断士の過去問
令和5年度 再試験(2023年)
経済学・経済政策 問22

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 令和5年度 再試験(2023年) 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

下図に基づき、ある生産物に課される輸入関税の効果を考える。この財の国内需要曲線はD、国内供給曲線はSであり、国際価格はPfで与えられている。当初この財については自由貿易政策がとられていたとする。ここで、同国が輸入1単位当たりTの関税を賦課したことで、国内価格はPdに上昇することになった。
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a  国内価格の上昇による生産者余剰の増加分は、(1)と(2)の合計である。
b  国内価格の上昇による消費者余剰の減少分は、(1)、(2)、(4)、(5)の合計である。
c  政府の関税収入は、(4)、(5)、(6)の合計である。
d  関税政策が生じさせた厚生上の純損失は、(3)である。
問題文の画像
  • a:正  b:正  c:正  d:誤
  • a:正  b:誤  c:正  d:誤
  • a:誤  b:正  c:誤  d:正
  • a:誤  b:正  c:誤  d:誤
  • a:誤  b:誤  c:正  d:正

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、輸入関税の効果について、国内価格、消費者余剰、生産者余剰、政府の関税収入、および関税による厚生上の純損失にどのような影響があるかを理解することがポイントです。関税が課されると、国内価格が上昇し、それにより消費者余剰と生産者余剰が変化し、また政府に関税収入が発生しますが、関税により発生する純損失(デッドウェイトロス)も生じます。

 

a:国内価格の上昇による生産者余剰の増加分は、⑴と⑵の合計である。

誤りです。生産者余剰の増加は、国内価格がPfからPdに上昇したことによって発生しますが、一般的に生産者余剰の増加は、国内供給者が得る余剰に関わる領域として確認する必要があります。

 

b:国内価格の上昇による消費者余剰の減少分は、⑴、⑵、⑷、⑸の合計である。

正しいです。国内価格の上昇により、消費者余剰の減少分は、関税導入によって生じた消費者の負担増として、図中の⑴、⑵、⑷、⑸で表されます。

 

c:政府の関税収入は、⑷、⑸、⑹の合計である。

誤りです。政府の関税収入は、関税が発生する分であり、消費者の支払いに基づき計算されますが、具体的な収入額は図の領域⑷および⑸に対応する部分であることが多いため、この選択肢は誤りです。

選択肢1. a:正  b:正  c:正  d:誤

この選択肢は不適切です。

選択肢2. a:正  b:誤  c:正  d:誤

この選択肢は不適切です。

選択肢3. a:誤  b:正  c:誤  d:正

この選択肢は不適切です。

選択肢4. a:誤  b:正  c:誤  d:誤

この選択肢は適切です。

選択肢5. a:誤  b:誤  c:正  d:正

この選択肢は不適切です。

まとめ

輸入関税による消費者余剰の減少:関税により国内価格が上昇し、消費者が負担する余剰が減少します。

生産者余剰の増加:関税により国内生産者が利益を享受しますが、価格の上昇による競争力の変化も影響します。

関税収入と純損失(デッドウェイトロス):関税による政府の収入と、効率性の低下によるデッドウェイトロスが発生します。

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