中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問25 (経済学・経済政策 問22)
問題文
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 国内価格の上昇による生産者余剰の増加分は、(1)と(2)の合計である。
b 国内価格の上昇による消費者余剰の減少分は、(1)、(2)、(4)、(5)の合計である。
c 政府の関税収入は、(4)、(5)、(6)の合計である。
d 関税政策が生じさせた厚生上の純損失は、(3)である。

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問25(経済学・経済政策 問22) (訂正依頼・報告はこちら)
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 国内価格の上昇による生産者余剰の増加分は、(1)と(2)の合計である。
b 国内価格の上昇による消費者余剰の減少分は、(1)、(2)、(4)、(5)の合計である。
c 政府の関税収入は、(4)、(5)、(6)の合計である。
d 関税政策が生じさせた厚生上の純損失は、(3)である。

- a:正 b:正 c:正 d:誤
- a:正 b:誤 c:正 d:誤
- a:誤 b:正 c:誤 d:正
- a:誤 b:正 c:誤 d:誤
- a:誤 b:誤 c:正 d:正
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
輸入関税の効果(及び厚生上の純損失)を問う問題です。グラフが与えられているので、問20の外部不経済の問題と同様に自由貿易政策時と輸入関税が課された場合との「ビフォーアフター」を比較します。
【自由貿易政策時】
与件文の「国内需要曲線はD、国内供給曲線はSであり、国際価格はPf」という記述から判断できます。
・消費者余剰:(1)(2)(3)(4)(5)(7)が含まれる三角形の範囲
・生産者余剰:(8)が含まれる三角形の範囲
・社会的総余剰:三角形(1)(2)(3)(4)(5)(7)(8)の範囲
※便宜上、消費者余剰と生産者余剰の範囲をグラフに追記しています。
※(6)の三角形の範囲は、どこにも含まれません。
【輸入1単位当たりTの関税を賦課した場合】
与件文の「国内価格はPdに上昇」という記述から、生産物の輸入量はQ4からQ1に減少します。(本問では問われていません)
※図には、その変化を→と〇で示しています。
・消費者余剰:(3)(7)が含まれる三角形の範囲
・生産者余剰:(1)(8)が含まれる三角形の範囲
・政府余剰(関税政策により生じた政府の関税収入):(4)が含まれる四角形の範囲
・関税政策により生じた厚生上の純損失:(2)(5)が含まれる三角形の範囲
・社会的総余剰:三角形(1)(2)(3)(4)(5)(7)(8)の範囲-(2)(5)
※(6)の三角形の範囲は、どこにも含まれません。
→解答群cは誤りであることが分かるため、これだけで選択肢を2つに絞り込むことができます。
以上を踏まえて、解答群の正誤判断を行ないます。
a.国内価格の上昇による生産者余剰の増加分は、(1)と(2)の合計である。
→(8)-(1)(8)より、国内価格の上昇による生産者余剰の増加分は(1)です。
b.国内価格の上昇による消費者余剰の減少分は、(1)、(2)、(4)、(5)の合計である。
→(1)(2)(3)(4)(5)(7)-(3)(7)より、消費者余剰の減少分は(1)(2)(4)(5)の合計です。
c.政府の関税収入は、(4)、(5)、(6)の合計である。
→政府の関税収入は(4)です。
d.関税政策が生じさせた厚生上の純損失は、(3)である。
→関税政策が生じさせた厚生上の純損失は、(2)と(5)です。
冒頭の解説より、「a:誤 b:正 c:誤 d:誤」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「a:誤 b:正 c:誤 d:誤」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「a:誤 b:正 c:誤 d:誤」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「a:誤 b:正 c:誤 d:誤」の組み合わせであるため正解の選択肢となります。
冒頭の解説より、「a:誤 b:正 c:誤 d:誤」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
【補足】
本問で問われている論点は込み入った内容であるため、本試験当日までにきちんと理解できる人は少ないかも知れません。
しかしながら、完璧に理解できる必要はなく、本試験では正誤判断ができて正答することができれば十分です。
そのためには、自由貿易政策時と輸入関税が課された後との「ビフォーアフター」を把握して、選択肢が「正しい」のか「間違っている」のかを判断しやすくなり、正解の選択肢を絞り込みやすくすることが重要になります。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
02
この問題は、輸入関税の効果について、国内価格、消費者余剰、生産者余剰、政府の関税収入、および関税による厚生上の純損失にどのような影響があるかを理解することがポイントです。関税が課されると、国内価格が上昇し、それにより消費者余剰と生産者余剰が変化し、また政府に関税収入が発生しますが、関税により発生する純損失(デッドウェイトロス)も生じます。
a:国内価格の上昇による生産者余剰の増加分は、⑴と⑵の合計である。
誤りです。生産者余剰の増加は、国内価格がPfからPdに上昇したことによって発生しますが、一般的に生産者余剰の増加は、国内供給者が得る余剰に関わる領域として確認する必要があります。
b:国内価格の上昇による消費者余剰の減少分は、⑴、⑵、⑷、⑸の合計である。
正しいです。国内価格の上昇により、消費者余剰の減少分は、関税導入によって生じた消費者の負担増として、図中の⑴、⑵、⑷、⑸で表されます。
c:政府の関税収入は、⑷、⑸、⑹の合計である。
誤りです。政府の関税収入は、関税が発生する分であり、消費者の支払いに基づき計算されますが、具体的な収入額は図の領域⑷および⑸に対応する部分であることが多いため、この選択肢は誤りです。
この選択肢は不適切です。
この選択肢は不適切です。
この選択肢は不適切です。
この選択肢は適切です。
この選択肢は不適切です。
輸入関税による消費者余剰の減少:関税により国内価格が上昇し、消費者が負担する余剰が減少します。
生産者余剰の増加:関税により国内生産者が利益を享受しますが、価格の上昇による競争力の変化も影響します。
関税収入と純損失(デッドウェイトロス):関税による政府の収入と、効率性の低下によるデッドウェイトロスが発生します。
参考になった数5
この解説の修正を提案する
前の問題(問24)へ
令和5年度 再試験(2023年) 問題一覧
次の問題(問26)へ