中小企業診断士の過去問
令和5年度 再試験(2023年)
財務・会計 問9

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和5年度 再試験(2023年) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

外貨建取引の決算時の処理に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 外貨建売上債権においては、円安の進行によって為替差損が発生する。
  • 外貨建の子会社株式・関連会社株式は、決算日の直物為替相場により換算する。
  • 在外支店の有形固定資産は、決算日の直物為替相場により換算する。
  • 取引発生後に付した為替予約について振当処理を適用する場合、予約時の直物相場と先物相場の差額は、適切な期間にわたって合理的な基準により配分し、各期の損益として処理する。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題では、外貨建取引の決算時の処理に関する正しい知識を問うています。外貨建取引では、為替レートの変動が取引の金額や評価額に影響を与えるため、決算時に適切な処理を行うことが重要です。特に、為替差損益の計上や為替予約の処理、外貨建資産の評価方法について理解する必要があります。

選択肢1. 外貨建売上債権においては、円安の進行によって為替差損が発生する。

誤りです。外貨建売上債権は、円安の進行によって為替差益が発生します。円安になると、外貨の価値が相対的に上がり、債権額を円に換算した場合に、債権者が受け取る円の金額が増加するためです。したがって、円安の進行によって為替差損が発生するという記述は不正確です。

選択肢2. 外貨建の子会社株式・関連会社株式は、決算日の直物為替相場により換算する。

誤りです。外貨建の子会社株式や関連会社株式については、決算日の直物為替相場で換算するのではなく、取得時の為替相場で換算します。これらの株式は長期的な投資であり、決算日の為替相場ではなく、取得時の相場で評価されます。したがって、決算日の直物相場で換算するという記述は誤りです。

選択肢3. 在外支店の有形固定資産は、決算日の直物為替相場により換算する。

誤りです。在外支店の有形固定資産も、通常は取得時の為替相場で換算されます。有形固定資産は長期にわたって保有されるため、決算日の直物為替相場ではなく、取得時の相場で換算するのが一般的です。したがって、この記述も誤りです。

選択肢4. 取引発生後に付した為替予約について振当処理を適用する場合、予約時の直物相場と先物相場の差額は、適切な期間にわたって合理的な基準により配分し、各期の損益として処理する。

正しいです。為替予約における振当処理では、予約時の直物相場と先物相場の差額(スワップポイント)が、取引期間全体にわたって合理的に配分され、各期の損益に反映されます。この処理は、企業の損益計算を適切に行うために重要であり、合理的な期間配分が必要です。この記述が最も適切です。

まとめ

外貨建売上債権:円安になると、外貨の価値が上がり、為替差益が発生します。円高の場合は為替差損が発生します。

外貨建株式の評価:子会社株式や関連会社株式は、取得時の為替相場で換算します。決算日の直物相場で換算するのは誤りです。

有形固定資産の評価:在外支店の有形固定資産も、取得時の為替相場で評価されます。決算日の相場では換算しません。

振当処理:為替予約に基づく振当処理では、予約時の直物相場と先物相場の差額を合理的に期間配分して損益計算に反映させます。

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