中小企業診断士の過去問
令和5年度 再試験(2023年)
財務・会計 問17

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和5年度 再試験(2023年) 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

割引キャッシュフロー法には、キャッシュフロー予測に関する問題、資本コス,推定の問題、不確実で複雑な意思決定機会への対処の問題がある。このうち、キャッシュフロー予測に関する問題は、予測方法の問題と予測値にかかわる不確実性の問題に分けられる。予測値にかかわる不確実性の問題に対処する方法としては、( A )、( B )、( C )などの適用が考えられる。( A )は将来の企業環境の状態を記述するストーリーに基づいて分析するものである。また、( B )と( C )は、キャッシュフローに不確実性を生じさせる要因を確率変数とみなして、キャッシュフローの確率分布を見い出す方法である。( C )は、コンピュータなどを利用して反復計算し、予測を繰り返す点に特徴がある。
  • A:シナリオ分析  B:ディシジョン・ツリー分析  C:モンテカルロ・シミュレーション
  • A:シナリオ分析  B:モンテカルロ・シミュレーション  C:ディシジョン・ツリー分析
  • A:ディシジョン・ツリー分析  B:シナリオ分析  C:モンテカルロ・シミュレーション
  • A:モンテカルロ・シミュレーション  B:シナリオ分析  C:ディシジョン・ツリー分析

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、割引キャッシュフロー法(DCF法)における不確実性対処手法を理解することがポイントです。DCF法は、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いて評価する方法であり、予測に伴う不確実性への対処が重要です。この対処方法としてよく用いられるのが、シナリオ分析、ディシジョン・ツリー分析、およびモンテカルロ・シミュレーションです。

 

シナリオ分析

シナリオ分析は、将来の環境の状態を複数のシナリオ(例えば、楽観的・悲観的な見通し)で記述し、それぞれのシナリオにおけるキャッシュフローを分析する手法です。シナリオごとに異なる外部環境を仮定し、キャッシュフローの見通しを立てることで、不確実性の影響を把握します。

本文の「将来の企業環境の状態を記述するストーリーに基づいて分析するもの」という記述が、シナリオ分析に該当します。よって、Aに入る語句は「シナリオ分析」が適切です。

 

ディシジョン・ツリー分析

ディシジョン・ツリー分析は、不確実性要因を確率変数として表し、分岐を伴う意思決定の流れを視覚的に描いたものです。将来の意思決定の流れに応じて複数の結果を予測し、最適な選択肢を決定します。

これは「キャッシュフローに不確実性を生じさせる要因を確率変数とみなして確率分布を見出す方法」に該当するため、Bに「ディシジョン・ツリー分析」が適切です。

 

モンテカルロ・シミュレーション

モンテカルロ・シミュレーションは、不確実な変数に対して確率分布を仮定し、コンピュータを使ってランダムな値を繰り返し生成することで複数のシナリオを試算し、キャッシュフローの分布を導き出します。このシミュレーションは「キャッシュフローの予測を繰り返す点に特徴がある」とされ、Cには「モンテカルロ・シミュレーション」が適切です

選択肢1. A:シナリオ分析  B:ディシジョン・ツリー分析  C:モンテカルロ・シミュレーション

この選択肢は適切です。

選択肢2. A:シナリオ分析  B:モンテカルロ・シミュレーション  C:ディシジョン・ツリー分析

この選択肢は不適切です。

選択肢3. A:ディシジョン・ツリー分析  B:シナリオ分析  C:モンテカルロ・シミュレーション

この選択肢は不適切です。

選択肢4. A:モンテカルロ・シミュレーション  B:シナリオ分析  C:ディシジョン・ツリー分析

この選択肢は不適切です。

まとめ

シナリオ分析は、複数の環境条件を想定してキャッシュフローを予測する手法です。

ディシジョン・ツリー分析は、確率変数を用いて複数の意思決定パスを視覚的に示し、最適な選択肢を決定する方法です。

モンテカルロ・シミュレーションは、確率分布に基づく反復計算を用いてキャッシュフローを予測する手法です。

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