中小企業診断士の過去問
令和5年度 再試験(2023年)
企業経営理論 問2
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和5年度 再試験(2023年) 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- PPMでは、成長市場に位置づけられキャッシュ・フローを最も生み出す「問題児」事業よりも、「負け犬」事業を削減する方が重要である。
- PPMでは、縦軸に自社の事業の成長率、横軸に相対的な市場シェアをとり、その中での各事業のポジションに応じて、キャッシュの分配が決定される。
- PPMでは、「花形」事業は、他の事業へ資金供給することが最も重要な役割である。
- PPMでは、「問題児」事業から撤退するか否かは、成長率、収益性に加え、自社のドメインとの適合性の観点からも判断される。
- PPMでは、ライバルである他社を買収し生産規模を拡大すれば、「金のなる木」事業を「花形」事業にすることができる。
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この過去問の解説 (1件)
01
PPMの基本知識を理解できているかを問う問題です。
PPMとは縦軸に市場成長率、横軸に市場占有率を取り各事業がどのポジションに位置づけられるかを分析し、各事業の取るべき戦略を判断するものです。
市場成長率と市場占有率によって以下の4つに分類します。
花形
市場成長率も市場占有率も高い事業です。
キャッシュインが多いのですが、多額の投資が必要でもあります。
金のなる木
市場成長率は低く、市場占有率は高い事業です。
安定して利益を上げることはできますが、成長が期待できないため、利益を他の事業の成長に再投資する判断が必要です。
問題児
市場成長率は高く、市場占有率は低い事業です。
利益は出ていませんが、市場の成長は見込まれるため、再投資により花形へと成長させていく戦略が重要なポイントになります。
負け犬
市場成長率も市場占有率も低い事業です。
成長も見込めず、シェアも低いため売却や撤退などを検討します。
各選択肢をそれぞれ解説します。
問題児は成長市場に位置づけられはしますが、市場占有率が低いためキャッシュ・フローを最も生み出すという点は不適切です。
そのため本選択肢は不正解です。
横軸は合っていますが、縦軸にとるのは市場成長率です。
そのため本選択肢は不正解です。
花形はキャッシュを生み出しますが、競争が激しく多額の投資も必要であるため、他の事業への資金供給を担うのは適切ではありません。
選択肢の役割を担うのに適切なのは金のなる木です。
そのため本選択肢は不正解です。
問題児の事業に対する判断として適切であるため、本選択肢が正解です。
金のなる木と花形事業の違いの一つは、市場成長率です。
買収によって市場成長が活発になるとは限らないため、本選択肢は不正解です。
PPMについての基礎知識はもちろんですが、花形など4つのタイプのマトリクスがイメージできれば正解するのは難しくありませんでした。
本問のような内容が出題されたら、すぐにイメージできるように学習しておきましょう。
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