中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問50 (企業経営理論 問1)
問題文
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問題
中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問50(企業経営理論 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
- 価格設定とアウトプットの水準、マーケティング戦略の策定、パフォーマンスの監視など、企業の資源転換プロセスの能率を最適化するような意思決定を「管理的な意思決定」と呼ぶ。
- 環境が安定している場合、「日常業務的な意思決定」よりも「戦略的な意思決定」にマネジャーの関心が向けられる。
- 企業が経営資源を財・サービスに転換して利潤を追求するとき、環境に合わせて自社の目的を設定し、それに適合した最良の可能性を提供する資源配分パターンを作り出すことを「戦略的な意思決定」と呼ぶ。
- 最適なパフォーマンスを求めて自社資源の構造づくりをするような意思決定を「日常業務的な意思決定」と呼び、組織づくりはそれに含まれる。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、H.I.アンゾフの意思決定論における「戦略的な意思決定」や「管理的な意思決定」、「日常業務的な意思決定」の分類について理解することがポイントです。アンゾフは意思決定を戦略的な視点から分析し、企業が環境に適応しつつ経営資源を活用するための意思決定を段階的に分類しました。
アンゾフの「管理的な意思決定」は、企業資源の効率的な運用を通して日々のオペレーションを最適化する意思決定を指しますが、選択肢に挙げられた「価格設定」「アウトプットの水準」「マーケティング戦略の策定」などは「戦略的な意思決定」に分類されることが多い項目です。したがって、この選択肢は不適切です。
環境が安定している場合、企業は日常業務的な意思決定に注力することが一般的です。逆に、不確実で変動が大きい環境では、企業は環境への対応を重視するため、「戦略的な意思決定」に重点を置くことが多くなります。
この記述はアンゾフの「戦略的な意思決定」の定義に沿っています。戦略的な意思決定とは、企業が外部環境に適応しつつ経営資源の最適な配分を行う意思決定のことです。企業全体の方向性や成長戦略を決定する重要な意思決定といえます。したがって、この選択肢が正解です。
「日常業務的な意思決定」は、短期的な業務遂行に関する意思決定です。企業資源の構造や組織づくりは、企業全体の長期的な方向性に関わるため、「管理的な意思決定」や「戦略的な意思決定」に含まれます。
戦略的な意思決定:企業の方向性や成長戦略に関する意思決定で、外部環境の変化に合わせて経営資源の最適な配分を行うもの。
管理的な意思決定:企業資源を効率的に活用し、運営の効率や能率を向上させるための意思決定(人材管理や組織構造の変更など)。
日常業務的な意思決定:日常の業務遂行に関する短期的な意思決定で、主にオペレーションに関わる意思決定。
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02
アンゾフの意思決定論に関する問題です。
以下に述べるように、アンゾフの意思決定論には3種類ありますが、用語の意味合いから正誤判断することは可能です。
・戦略的な意思決定
経営戦略や中長期的目標の策定、経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)に関する意思決定など、企業の経営層が行なう意思決定が該当します。
・管理的な意思決定
予算配分や人事異動など、企業の中間管理職層が行なう意思決定が該当します。
・日常業務的な意思決定
現場から得られたデータに基づき具体的な作業方法を決定するなど、現場責任者層が行なう意思決定が該当します。
冒頭の解説より、本選択肢は戦略的な意思決定の内容であるため不適切な選択肢です。
環境が安定している場合は、マネジャーの関心は「戦略的な意思決定」よりも「日常業務的な意思決定」に向けられるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より経営資源に関する意思決定は経営層の役割であるため、「戦略的な意思決定」として適切であり正解の選択肢となります。
冒頭の解説より、経営資源に関する意思決定は「戦略的な意思決定」であるため不適切な選択肢です。
【補足】
アンゾフについては、企業の成長戦略を4象限のカテゴリーに分類する「成長マトリクス」というフレームワークが最も有名です。
縦軸に「製品」、横軸に「市場」の2軸を取り、製品と市場それぞれに「既存」と「新規」の2つの区分を設けて4つの象限(市場浸透、市場開拓、製品開発、多角化)に分けるものです。
成長マトリクスは頻出論点であり、補助金申請業務などの実務でも用いられますので、復習は必須です。
(本問は用語の意味合いからでも正誤判断が可能なため、復習の優先度は低めで構いません)
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