中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問97 (運営管理 問15)

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問題

中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問97(運営管理 問15) (訂正依頼・報告はこちら)

ある製品についての最適発注計画を考える。製品の発注費は1回当たり5,000円、保管費は1個1期当たり50円である。ただし、製品は、期首に発注し即時に納入され、保管費は、翌期以降に持ち越された量にだけ発生するものとする。
下表は、毎期の予測需要量および最適発注計画を算出するための計算シートを示している。
例えば、「2期に発注」の行と4期の列で示されるセルの値9,500は、2期に2期から4期までの予測需要量の合計値70を発注した場合の費用を示している。すなわち、3期の予測需要量分10が1期間、4期の予測需要量分40が2期間持ち越されることから、この発注に対する保管費が(10 × 1 + 40 × 2 )× 50 = 4,500となり、これに発注費5,000を加えた値が9,500である。

この表から読み取れる記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a  1期に全期間の予測需要量を発注したときの総在庫保管費は、8,000円である。
b  3期の予測需要量が10から15に変更されると、最適発注計画の発注期は変化する。
c  最適発注計画では、1期と3期に発注が行われる。
d  最適発注計画の総費用は12,000円である。
問題文の画像
  • a:正  b:正  c:誤  d:誤
  • a:正  b:誤  c:正  d:誤
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  • a:誤  b:正  c:誤  d:正
  • a:誤  b:誤  c:正  d:正

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この過去問の解説 (2件)

01

最適発注計画について与えられた条件から実際に計算する問題です。

 

a

発注費は5,000円であるため、4期までの保管費を合算した数値から総在庫保管費は以下のように計算できます。

13,000 - 5,000 = 8,000円

そのため本選択肢は正しいです。

 

b

3期の予測需要量が変わると影響を受けるのは、1期に3期までの発注をする場合(a)と、2期に3期までの発注をする場合(b)です。

それぞれの増加する保管費を計算します。

(a) (15 - 10) x 2期分 x 50円 = 500円

(b) (15- 10 ) x 50円 = 250円

増加分を踏まえて判断しても、最適発注計画に影響はないため本選択肢は誤っています。

 

c

最適発注計画は、1期に3期までの発注を行い、4期に発注を行うことです。

そのため本選択肢は誤っています。

 

d

最適発注計画の費用を計算します。

7,000円 + 5,000円 = 12,000円

そのため本選択肢は正しいです。

 

正しい選択肢の組み合わせは、 a:正 b:誤 c:誤 d:正 です。

選択肢1. a:正  b:正  c:誤  d:誤

本選択肢は不正解です。

選択肢2. a:正  b:誤  c:正  d:誤

本選択肢は不正解です。

選択肢3. a:正  b:誤  c:誤  d:正

本選択肢が正解です。

選択肢4. a:誤  b:正  c:誤  d:正

本選択肢は不正解です。

選択肢5. a:誤  b:誤  c:正  d:正

本選択肢は不正解です。

まとめ

何度も計算を行わなければならないため、他の問題にかける時間がなくなりそうな場合は後回しにする判断も必要な問題です。

ただ、難しい計算ではないため計算が得意であればその限りではありません。

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02

最適発注計画に関する問題です。本問は、正誤に関わらず全ての選択肢を解説します。

解説の都合上、順番はa→c→d→bとなります。(実際に解く場合でも、この順番が最も速いと思われます)

 

・解答群a:1期に全期間の予測需要量を発注したときの総在庫保管費は、8,000円である。

→「1期に全期間の予測需要量を発注したとき」とは、「1期に発注」行の「4期」列の13,000円をいいます。

与件文より発注費が1回当たり5,000円であるため、13,000円-5,000円=8,000円となり、総在庫保管費は8,000円です。

(「総在庫保管費」なので、発注費は含みません)

 

別解でも、{(20×1)+(10×2)+(40×3)}×50=8,000と求まります。

 

・解答群c:最適発注計画では、1期と3期に発注が行われる。

「最適発注計画」の定義が明確ではありませんが、発注がなるべく少ない回数で済み、保管費が最も安く済む計画であると仮定します。

そこで、与えられている表(計算シート)から最も安い金額を探します。

 

最も安い金額は5,000円ですが、毎期ごとに当期のみの発注を行なうため5,000×4期=20,000円となります。この場合は保管費が一切かかりませんが、発注費は4回かかります。

 

次に安い金額は「2期に発注」行の「3期」列の5,500円ですが、1期と4期分の発注が別途必要になり、後述する組み合わせより高くついてしまいます。

3番目に安い6,000円も3期と4期分の発注が別途必要になり、同様に結果的に高くついてしまいます。

 

4番目に安い7,000円は2ヶ所にあり、「1期に発注」行の「3期」列と「4期に発注」行の「4期」列を組み合わせると、1~4期までの全ての期の発注を合計12,000円で発注できます。

したがって、最適発注計画では1期と4期に発注が行われるため不適切です。

 

・解答群d:最適発注計画の総費用は12,000円である。

解答群cの解説より、合計12,000円で発注できるため適切です。

 

ここまでで、選択肢が1つに絞り込まれます。そのため、解答群bは正誤判断の必要がありません。

 

・解答群b:3期の予測需要量が10から15に変更されると、最適発注計画の発注期は変化する。

ここで計算する必要があるのは、「1期に発注」行の「3期」列(7,000円)と「2期に発注」行の「3期」列(5,500円)です。

3期の予測需要量が5増加するので、「1期に発注」行の「3期」列は5×2期分(3期と4期)×50=500円追加になり7,500円、「2期に発注」行の「3期」列は5×1×50=250円追加になり5,750円になります。

 

しかしながら、いずれのパターンも他に安く済む発注方法があるため、最適発注計画の発注期は変化しません

選択肢1. a:正  b:正  c:誤  d:誤

冒頭の解説より、「a:正 b: c:誤 d:」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢2. a:正  b:誤  c:正  d:誤

冒頭の解説より、「a:正 b:誤 c: d:」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢3. a:正  b:誤  c:誤  d:正

冒頭の解説より、「a:正 b:誤 c:誤 d:正」の組み合わせであるため正解の選択肢となります。

選択肢4. a:誤  b:正  c:誤  d:正

冒頭の解説より、「a: b: c:誤 d:正」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢5. a:誤  b:誤  c:正  d:正

冒頭の解説より、「a: b:誤 c: d:正」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

まとめ

【補足】

 

冒頭の解説ではきちんと解答群a~dの解説をしていますが、現実的な対応策は捨て問扱いとして適当にマークすることになります。

その理由としては、以下のとおりです。

 

・長くてややこしい与件文をきちんと読まないと、与えられている表(計算シート)の仕組みが分からない。

→表の仕組みが分かれば表を見るだけで正答することはできますが、表の仕組みが分かるまでに時間がかかる。

 

・5つの選択肢の正誤の組み合わせが、全て正誤2つずつとなっている。

・5つの選択肢を縦に見比べると、a~dの正誤の並べ方が正誤とも2~3個で共通している。

→冒頭の解説より、解答群3つを正誤判断しないと正答できない。

 

本問以外の問題に対応する時間も必要であるため、限られた本試験の制限時間内で本問を解くことは至難の業です。

(運営管理は平均40マーク前後出題され、試験時間が90分のため、見直し時間を考慮すると2分以内に解かなければなりません)

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