中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問141 (経営法務 問19)

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 令和5年度 再試験(2023年) 問141(経営法務 問19) (訂正依頼・報告はこちら)

インコタームズに関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • CIF条件の下では、物品の滅失等の危険については、仕向港において物品が本船から荷卸しされた時に危険が買主に移転し、買主は、海上運賃と貨物海上保険料を除き、海上運送中に生じた費用の一切を負担しなければならない。
  • CIF条件の下では、物品の滅失等の危険については、船積港において物品が本船の船上に置かれた時に危険が買主に移転し、買主は、海上運賃と貨物海上保険料を除き、海上運送中に生じた費用の一切を負担しなければならない。
  • FOB条件の下では、物品の滅失等の危険については、仕向港において物品が本船から荷卸しされた時に危険が買主に移転し、売主は、海上運賃と貨物海上保険料を除き、海上運送中に生じた費用の一切を負担しなければならない。
  • FOB条件の下では、物品の滅失等の危険については、船積港において物品が本船の船上に置かれた時に危険が買主に移転し、売主は、海上運賃と貨物海上保険料を除き、海上運送中に生じた費用の一切を負担しなければならない。

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この過去問の解説 (1件)

01

インコタームズ(国際貿易取引条件)における、CIFとFOBの知識を問う問題です。

 

前提として、貨物の輸出~輸入までの流れを大まかに説明すると以下のとおりとなります。

①売主が輸出港に貨物を運ぶ

②輸出港で、貨物が船舶に積み込まれる→この時点で、所有権が「買主」に移転します(危険負担も移転します)。

③輸出港から輸入港へ向かう

④輸入港で、貨物が船舶から積み降ろされる

⑤貨物が買主のもとに運ばれる

 

CIFとFOBの知識を、以下に整理します。※本問の各選択肢の後半部分の記述が該当します。

・CIF(Cost Insurance and Freight;運賃保険料込み条件)

輸入港までの運賃および保険料を、売り手が負担します。試験対策上は、FOB+運賃・保険料と理解すると良いでしょう。

・FOB(Free on Board;本船渡し)

輸出港で貨物が積み込まれた後、輸入港までの運賃および保険料は買い手が負担します。

選択肢1. CIF条件の下では、物品の滅失等の危険については、仕向港において物品が本船から荷卸しされた時に危険が買主に移転し、買主は、海上運賃と貨物海上保険料を除き、海上運送中に生じた費用の一切を負担しなければならない。

冒頭の解説②より、「仕向港において物品が本船から荷卸しされた時に危険が買主に移転」するのではないため不適切な選択肢です。

選択肢2. CIF条件の下では、物品の滅失等の危険については、船積港において物品が本船の船上に置かれた時に危険が買主に移転し、買主は、海上運賃と貨物海上保険料を除き、海上運送中に生じた費用の一切を負担しなければならない。

正解の選択肢となります。

選択肢3. FOB条件の下では、物品の滅失等の危険については、仕向港において物品が本船から荷卸しされた時に危険が買主に移転し、売主は、海上運賃と貨物海上保険料を除き、海上運送中に生じた費用の一切を負担しなければならない。

冒頭の解説②より、「仕向港において物品が本船から荷卸しされた時に危険が買主に移転」するのではないため不適切な選択肢です。

 

また、後半部分の記述では「買主は、海上運賃と貨物海上保険料を含めて、海上運送中に生じた費用の一切を負担」しなければなりません(積み込み時点で、所有権が買主に移転しているためです)。

選択肢4. FOB条件の下では、物品の滅失等の危険については、船積港において物品が本船の船上に置かれた時に危険が買主に移転し、売主は、海上運賃と貨物海上保険料を除き、海上運送中に生じた費用の一切を負担しなければならない。

冒頭の解説より、後半部分の記述は「買主は、海上運賃と貨物海上保険料を含めて、海上運送中に生じた費用の一切を負担」しなければならないため不適切な選択肢です(積み込み時点で、所有権が買主に移転しているためです)

まとめ

【補足】

 

仕向港は「貨物を最初に船卸した港湾」であり輸入港です。船積港は「貨物を最終に船積した港湾」であり輸出港です。船積港は仕出港ともいいます。

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