中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問63 (企業経営理論 問13)

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和6年度(2024年) 問63(企業経営理論 問13) (訂正依頼・報告はこちら)

熟達した起業家にみられる意思決定の様式とされるエフェクチュエーションに即した行動に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
  • 既存の製品を製造する時に使用していた温水に着眼し、その温水を利用してイチゴのハウス栽培を始めた。
  • 新規店舗を開設する際に、目標店舗数を設定するのではなく、許容できる損失額を重視して、段階的に店舗数を増やしていった。
  • 大災害が起こったことによって大きな被害を受けたが、新聞報道などで被災地に注目が集まったことを利用して、自社製品の広告に力を入れた。
  • 他国で戦争が勃発し、エネルギー価格の変動が見込まれるため、過去20年分のデータを精査して、来年度の利益目標を立てた。
  • 発売した新製品に対してある顧客からクレームを受けたが、その顧客に製品改良のための活動に参加してもらい、製品の品質向上を図った。

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この過去問の解説 (1件)

01

エフェクチュエーション理論に関する問題です。

 

本問では、最も「不適切」なものを選択させる設定になっていることに注意してください。

 

エフェクチュエーション理論では、成功した起業家には次の5つの思考プロセスや行動パターンがあるとしています。

 

・「手中の鳥」の原則 (The Bird in Hand Principle)  

既に手元にある資源や能力、知識、人脈等を明確化し、それらを使って何ができるかを考える

 

・「許容可能な損失」の原則 (The Affordable Loss Principle)  

期待されるリターンを想定して投資するのではなく、損失を想定して小さく事業を開始する。失敗から学びながら、次の機会を探る

 

・「クレイジーキルト」の原則 (Crazy-Quilt Principle)  

精緻な競合分析を行い競合に勝つことを目的とせず、競合を含む多様な利害関係者と交渉しながらパートナーとして関係性を築き、パートナーの持つ資源を活用して価値を生み出す

 

・「レモネード」の原則 (Lemonade Principle)

予期せぬ事態に直面した際、それをチャンスと捉えて成功をつかむ(禍を転じて福となす)

 

・「飛行中のパイロット」の原則 (Pilot-in-the-Plane Principle)  

未来は自ら創り出すものと捉え、自身がコントロールできることに集中して行動する 

 

エフェクチュエーション理論と対比する考えとして「コ―ゼーション」があります。コ―ゼーションとは、将来は現在の市場環境の延長線上にある(現在の状況が今後も続く)と考え、精緻な経営戦略を立案したり、予め期待されるリターンを想定して投資を行なうなどが挙げられます。

選択肢1. 既存の製品を製造する時に使用していた温水に着眼し、その温水を利用してイチゴのハウス栽培を始めた。

冒頭の解説より、「手中の鳥」の原則の説明です。

 

したがって、本問では不適切な選択肢です。

選択肢2. 新規店舗を開設する際に、目標店舗数を設定するのではなく、許容できる損失額を重視して、段階的に店舗数を増やしていった。

冒頭の解説より、「許容可能な損失」の原則の説明です。

 

したがって、本問では不適切な選択肢です。

選択肢3. 大災害が起こったことによって大きな被害を受けたが、新聞報道などで被災地に注目が集まったことを利用して、自社製品の広告に力を入れた。

冒頭の解説より、「レモネード」の原則の説明です。

 

したがって、本問では不適切な選択肢です。

選択肢4. 他国で戦争が勃発し、エネルギー価格の変動が見込まれるため、過去20年分のデータを精査して、来年度の利益目標を立てた。

冒頭の解説より「コ―ゼーション」の記述であり、エフェクチュエーション理論の説明ではありません。

 

したがって、本問では正解の選択肢となります。

選択肢5. 発売した新製品に対してある顧客からクレームを受けたが、その顧客に製品改良のための活動に参加してもらい、製品の品質向上を図った。

冒頭の解説より、「クレイジーキルト」の原則の説明です。

 

したがって、本問では不適切な選択肢です。

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