中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問68 (企業経営理論 問18)

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和6年度(2024年) 問68(企業経営理論 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

A.マズローの欲求段階説と、その修正を試みたC.アルダファーのERG理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • ERG理論では、例えばある人との関係において関係欲求が満たされない場合、人間はその人との関係において関係欲求を満たすことを追求し続けると考える。
  • ERG理論では、例えば成長欲求が満たされない場合、欲求段階説の想定とは異なり、より具体的で確実性の高い目標を志向する関係欲求を満たそうとするようになる可能性を想定する。
  • ERG理論における関係欲求の内容は、欲求段階説における生理的欲求の一部と安全欲求、および所属と愛の欲求の一部に対応する。
  • 欲求段階説では、人間の持つ欲求を生理的欲求、安全欲求、所属と愛の欲求、自己実現欲求の4つのカテゴリーに分類するのに対して、ERG理論では、生存欲求、関係欲求、成長欲求という3つのカテゴリーに分類する。

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この過去問の解説 (1件)

01

A.マズローの欲求段階説と、C.アルダファーのERG理論の比較を問う問題です。

 

・欲求段階説

人間の欲求は、低い順から「生理的欲求」→「安全欲求」→「所属と愛の欲求」→「承認欲求」→「自己実現欲求」とピラミッド状に5つの階層に分かれており、低い階層の欲求が満たされると次の階層の欲求を求めるようになるという理論です。

 

・ERG理論

欲求段階説を、生存欲求(Exstence)、関係欲求(Relatedness)、成長欲求(Growth)の3つに修正した上で、生存欲求→関係欲求→成長欲求の順に求めていくとします。

また、生存欲求はマズローの生理的欲求と安全欲求の一部に相当し、関係欲求はマズローの安全欲求の一部と所属と愛の欲求と承認欲求の一部に相当し、成長欲求はマズローの承認欲求の一部と自己実現欲求に相当します。

 

また、両者には以下の大きな違いがあります。

欲求段階説:低い階層の欲求が満たされると次の階層の欲求を求めるようになり、後戻りすることはない

ERG理論:次の階層の欲求が満たされていなくても、低い階層の欲求を満たそうとすることがある(後戻りすることがある)

選択肢1. ERG理論では、例えばある人との関係において関係欲求が満たされない場合、人間はその人との関係において関係欲求を満たすことを追求し続けると考える。

冒頭の解説より、ERG理論では、例えばある人との関係において関係欲求が満たされない場合、人間は関係欲求より低い階層(生存欲求)を満たそうとすることがあります。

 

したがって、不適切な選択肢です。

選択肢2. ERG理論では、例えば成長欲求が満たされない場合、欲求段階説の想定とは異なり、より具体的で確実性の高い目標を志向する関係欲求を満たそうとするようになる可能性を想定する。

冒頭の解説より、ERG理論では、例えば成長欲求が満たされない場合、欲求段階説の想定とは異なり、より具体的で確実性の高い目標を志向する関係欲求を満たそうとするようになる可能性を想定することは、ERG理論の説明として適切です。

 

したがって、正解の選択肢となります。

選択肢3. ERG理論における関係欲求の内容は、欲求段階説における生理的欲求の一部と安全欲求、および所属と愛の欲求の一部に対応する。

冒頭の解説より、ERG理論における関係欲求の内容は、欲求段階説における安全欲求の一部と所属と愛の欲求と承認欲求の一部に対応します。

 

したがって、不適切な選択肢です。

選択肢4. 欲求段階説では、人間の持つ欲求を生理的欲求、安全欲求、所属と愛の欲求、自己実現欲求の4つのカテゴリーに分類するのに対して、ERG理論では、生存欲求、関係欲求、成長欲求という3つのカテゴリーに分類する。

冒頭の解説より、欲求段階説は5つのカテゴリーに分類されています。

 

したがって、不適切な選択肢です。

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