中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問67 (企業経営理論 問17)

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和6年度(2024年) 問67(企業経営理論 問17) (訂正依頼・報告はこちら)

社会や組織の転換期において、既存の体制や構造を変革するために発揮されるリーダーシップを「変革型リーダーシップ」と呼ぶ。変革型リーダーはフォロワーの価値観や態度を変化させ、フォロワーとの間で相互に刺激し合い高め合う関係を築くとされる。
一方で、定常的な状況下において有効な成果をあげるために、ギブ・アンド・テイクの交換関係をフォロワーとの間に築くことでフォロワーへの影響力を発揮するリーダーシップを「交換型リーダーシップ」と呼ぶ。
B.バスらによると、変革型リーダーシップと交換型リーダーシップは、それぞれ複数の異なる次元から構成される。これらの次元に則して、変革型リーダーシップと交換型リーダーシップの代表例を以下に示す。両リーダーシップとそれぞれの代表例との対応関係の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

<変革型リーダーシップまたは交換型リーダーシップの代表例>
a  業績目標を達成した場合に何が報酬としてフォロワーに与えられるかを示す。
b  魅力的な将来ビジョンを打ち出し、ビジョンを実現する意義をフォロワーに話す。
c  フォロワーがルールや基準から逸脱していないか日常的に注意を払う。
d  フォロワーにとって理想的な模範となるべく率先して行動する。
e  前提を見直すことで、フォロワーに新たな視点から問題解決するよう促す。
f  個々のフォロワーのニーズや能力の多様性を認め、フォロワーの強みを伸ばそうと支援する。
g  フォロワーがリーダーや組織に対して誇りや尊敬の念を持つように促す。
h  問題が深刻になってから事後的に問題に介入する。
  • 変革型リーダーシップ:a、b、d、f、h  交換型リーダーシップ:c、e、g
  • 変革型リーダーシップ:a、c、d、e、g  交換型リーダーシップ:b、f、h
  • 変革型リーダーシップ:a、c、e、f、g  交換型リーダーシップ:b、d、h
  • 変革型リーダーシップ:b、c、d、e、h  交換型リーダーシップ:a、f、g
  • 変革型リーダーシップ:b、d、e、f、g  交換型リーダーシップ:a、c、h

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この過去問の解説 (1件)

01

変革型リーダーシップと交換型リーダーシップの対応関係の組み合わせに関する問題です。

 

与件文に、両リーダーシップの特徴が示されています。

変革型リーダーシップ:フォロワーの価値観や態度を変化させ、フォロワーとの間で相互に刺激し合い高め合う関係を築く

交換型リーダーシップ:ギブ・アンド・テイクの交換関係をフォロワーとの間に築くことでフォロワーへの影響力を発揮する

 

以上から、a~hを分類します。

a.業績目標を達成した場合に何が報酬としてフォロワーに与えられるかを示す。→交換型
b.魅力的な将来ビジョンを打ち出し、ビジョンを実現する意義をフォロワーに話す。→変革型
c.フォロワーがルールや基準から逸脱していないか日常的に注意を払う。→交換型
d.フォロワーにとって理想的な模範となるべく率先して行動する。→変革型
e.前提を見直すことで、フォロワーに新たな視点から問題解決するよう促す。→変革型
f.個々のフォロワーのニーズや能力の多様性を認め、フォロワーの強みを伸ばそうと支援する。→変革型
g.フォロワーがリーダーや組織に対して誇りや尊敬の念を持つように促す。→変革型
h.問題が深刻になってから事後的に問題に介入する。→交換型

 

以上から、変革型リーダーシップについてはリーダーとフォロワーの間にはトップダウン型の上下関係があり、リーダーの能動的な姿勢が見られます。その部分に該当すると思われる記述を黄色でハイライトしています。

 

対して、交換型リーダーシップについてはリーダーとフォロワーは対等の関係で、リーダーは見守る姿勢が見られます。その部分に該当すると思われる記述を水色でハイライトしています。

選択肢1. 変革型リーダーシップ:a、b、d、f、h  交換型リーダーシップ:c、e、g

冒頭の解説より、変革型リーダーシップはb、d、e、f、g、交換型リーダーシップはa、c、hであり、不適切な選択肢です。

選択肢2. 変革型リーダーシップ:a、c、d、e、g  交換型リーダーシップ:b、f、h

冒頭の解説より、変革型リーダーシップはb、d、e、f、g、交換型リーダーシップはa、c、hであり、不適切な選択肢です。

選択肢3. 変革型リーダーシップ:a、c、e、f、g  交換型リーダーシップ:b、d、h

冒頭の解説より、変革型リーダーシップはb、d、e、f、g、交換型リーダーシップはa、c、hであり、不適切な選択肢です。

選択肢4. 変革型リーダーシップ:b、c、d、e、h  交換型リーダーシップ:a、f、g

冒頭の解説より、変革型リーダーシップはb、d、e、f、g、交換型リーダーシップはa、c、hであり、不適切な選択肢です。

選択肢5. 変革型リーダーシップ:b、d、e、f、g  交換型リーダーシップ:a、c、h

冒頭の解説より、変革型リーダーシップはb、d、e、f、g、交換型リーダーシップはa、c、hであり、正解の選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

相対的に、変革型リーダーシップの方に分かりやすい特徴が多く、理解が進みやすいと思われます。

 

交換型リーダーシップについてもきちんと理解できていれば望ましいですが、試験対策上は変革型リーダーシップに当てはまらないものを交換型リーダーシップとして区別できれば十分です。

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