FP2級の過去問 2020年1月 学科 問27
この過去問の解説 (3件)
[1]適切
ポートフォリオのリスクとは、一般に、組み入れた各資産の損失額の大きさではなく、期待収益率からのばらつきの度合い(ブレの度合い)を指します。
[2]不適切
ポートフォリオの相関係数が 1 である場合、2証券はまったく同じ動きをするため、分散投資の効果はありません。
[3]不適切
ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値となります。
[4]不適切
ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となります。
【正解 1】
ポートフォリオ理論についての問題です。
ポートフォリオとは、株式、債券、不動産、商品、現金、預金といった複数の資産の組み合わせのことを言います。
[1]適切
投資におけるリスクとは、投資した資産が期待通りに動かない度合い、すなわち不確実性を意味するものであり、損失が発生することも期待以上の成果が上がることもリスクと考えます。
そしてポートフォリオのリスクは、一般的には投資収益率の標準偏差によって表され、これは期待収益率からのばらつきの度合い(ブレの度合い)を指します。
[2]不適切
2つの資産の値動きの関連性を数値化したものを相関係数と呼びます。相関係数は−1から1までの数値を示します。
相関係数が1の資産同士は、全く同一の値動きをするため、分散投資によるリスクの低減効果はありません。
本問では、「相関係数が 1 である場合、〜分散投資の効果(リスクの低減効果)は最大」とありますので、誤りです。
[3]不適切
ポートフォリオのリスクは、相関係数が1でない限り、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも小さくなります。
これをポートフォリオ効果と呼びます。
本問では、「〜で加重平均した値よりも大きく」とありますので、誤りです。
[4]不適切
ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となります。
なお、期待収益率とは、将来にわたる運用から獲得することができる収益率のことです。
本問では、「加重平均した値よりも大きく」とありますので、誤りです。
解答 1
1.○
ポートフォリオ理論上のリスクとは、将来期待できる平均的なリターンである期待収益率からのばらつき度合い、ブレのことを言います。期待収益率に対して、振れ幅の大きい状態をリスクが大きいと呼びます。
2.✕
2つの資産の関係を示す相関係数は、1からマイナス1の間で表されます。
1の場合には、同じ動きをします。逆にマイナス1の場合には、逆の動きをします。ゼロの場合には、2つの資産の動きには関係性がありません。
よって、分散投資の効果は最大となるのは、相関係数がマイナス1のときです。
3.✕
ポートフォリオのリスクは、各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも小さくなります。このように、値動きの異なる資産を組み合わせることで、全体としてリスクが軽減されることをポートフォリオ効果と言います。
4.✕
ポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率を組み入れ比率で加重平均した値となります。
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