FP2級の過去問 2020年9月 実技 問72

解答 ４

（ア）126㎡
敷地面積に対する建築面積の最高限度の割合を建蔽率（けんぺいりつ）といいます。
「建築面積×建蔽率」で敷地面積は計算しますが、防火地域に耐火建物、もしくは準防火地域に耐火・準耐火建物を建築する場合には、建蔽率が10％緩和されます。よって、この場合は「180㎡×（60%＋10%）」となり、126㎡となります。
なお、準防火地域での建蔽率緩和は2019年6月に新たに施行されました。これによって、密集地などで耐火建物への建替えが促進されることが目的です。

（イ）288㎡
敷地面積に対する建物の延床面積の最高限度を容積率といいます。
「敷地面積×容積率」で延床面積は計算しますが、前面道路が12m未満の場合は、都市計画で定められた容積率と「前面道路の幅×前面道路の幅員に対する法定定数」のいずれか小さい方が適用されます。住居系用途地域の場合は、法定乗率は0.4と定められていますので、前面道路から計算される容積率は「4m×0.4＝1.6」となり、こちらを適用することとなります。よって、延床面積の最高限度は「180㎡×1.6＝288㎡」となります。

【正解４】

（ア）
＜資料＞の土地の建ぺい率は6/10（＝60%）で、
防火地域に耐火建築物を建てる場合、建ぺい率の上限が10%緩和されるため、建築面積の最高限度は、
180㎡×（60%＋10%）＝126㎡

（イ）
＜資料＞の土地は、前面道路の幅員が4ｍ（12m未満）なので、指定容積率と「前面道路の幅員×法定乗数」のいずれか低い方が容積率の限度となります。
　・指定容積率は、20/10（＝200%）
　・前面道路の幅員×法定乗数は、4ｍ×4/10＝16/10（＝160%）
より、容積率の上限は160%となります。
よって、延べ面積（床面積）の最高限度は、
180㎡×160%＝288㎡

以上より、（ア）126㎡（イ）288㎡

【不動産：不動産に関する法令上の規制】

についての問題です。

（ア）建築面積の最高限度は126ｍ²です。

防火地域では建ぺい率が60％であることを押さえましょう。

建ぺい率上限80％以外の防火地域内に耐火建築物を建てる場合は、建ぺい率の上限が10％緩和されます。

最大建築面積は敷地面積×建ぺい率で算出されるので

180ｍ²×（60％+10％）＝126ｍ²　となります。

（イ）延べ面積（床面積の合計）の最高限度は288ｍ²です。

住居地域で前面道路が幅員4ｍであることを押さえましょう。

前面道路の幅員が12ｍ未満の場合は容積率の制限があります。

幅員×法定乗数と指定容積率の小さい方の容積率となります。

幅員×法定乗数＝4ｍ×4/10＝160%

※住居系では法定乗数4/10、その他地域では法定乗数6/10です。

200％＞160％で160%が容積率となります。

最大延べ面積は敷地面積×容積率で算出されるので

180ｍ²×160％＝288ｍ²　となります。