FP2級の過去問
2021年1月
実技 問68

(ア）〇
登記記録の権利部は、「甲区」と「乙区」の２つに区分されています。
甲区には、所有者・取得時期・差し押さえなど「所有権」に関する事項が記録されています。
乙区には、抵当権・地上権・賃借権など「所有権以外」に関する事項が記録されています。

（イ）×
資料に「下線のあるものは、抹消事項であることを示す」とあります。そのため、株式会社LX不動産の所有権は抹消されており、現在の所有者は、関根健二さんであることがわかります。

（ウ）×
抵当権・地上権・賃借権など所有権以外に関する事項が記録されるのは「権利部（乙区）」です。

（エ）〇
登記事項証明書は、法務局において手数料を払えば、誰でも交付の請求をすることは可能です。

よって、（ア）〇　（イ）×　（ウ）×　（エ）〇　となり
正解は、１です。

正解は 1 です。

（ア）○　差し押さえ等の登録事項は「権利部（甲区）」に記録されます。

登記記録の権利部には「甲区」と「乙区」の2つがあります。
甲区には、所有権の保存、移転やこれらの仮登記および差し押さえなどの処分制限といった、所有権に関する登記事項が記録されます。
乙区には、地上権や賃借権、抵当権などの権利に関する事項といった、所有権以外の権利に関する事項が記録されます。

（イ）×　権利部（甲区）に所有権保存登記がされており、所有者が「関根健二」と記載されていますので、現在の所有者は「株式会社LX不動産」ではなく「関根健二」です。

権利部の甲区には、所有権保存（最初の所有者）、所有権移転（次の所有者）、所有権移転その次の所有者…と順に記載されていくので、ここに現在の所有者が記載されていることになります。

所有権保存登記とは、所有権の登記のない不動産について、最初に行われる登記のことです。
新築の戸建て・マンションを購入した際、この所有権保存登記を行うことで、その建物の所有者が自分であると明示します。
なお、甲区に所有権の登記を行うと、第三者に対抗が可能です。

ちなみに、表題部の所有者に記載されているのは、建物を最初に建てた人（法人）です。
この表題部のみでは、第三者に対抗ができません。

（ウ）×　抵当権などの事項は、「権利部（乙区）」に記録されます。

登記記録の権利部には「甲区」と「乙区」の2つがあり、乙区には、地上権や賃借権、抵当権などの権利に関する事項といった、所有権以外の権利に関する事項が記録されます。
抵当権とは、債務者から不動産を取り上げずに債券の担保とし、債務が弁済されないときには、不動産から優先的に弁済を受ける（差し押さえ）権利です。

（エ）○　登記事項証明書は、その不動産の所有権を有するかどうかに限らず、法務局で手数料を納付すれば誰でも交付請求することができます。

正解は1です。

ア.適切です。

登記の「権利部（甲区）」には、差押え等を含む所有権に関する情報が記載されています。

イ.不適切です。

一見すると株式会社LX不動産が所有者に見えますが、資料下部に「下線のあるものは、抹消事項であることを示す」とあるため、所有者は株式会社LX不動産はではありません。権利部に記載されている関根健二さんが現在の所有者であることがわかります。

ウ.不適切です。

アで記載した通り、登記の「権利部（甲区）」には、所有権に関する情報が記載されます。

抵当権など、所有権以外に関する事項が記録されるのは「権利部（乙区）」です。

エ.適切です。

登記事項証明書は、法務局において手数料を納付することにより、誰でも交付の請求をすることができます。

これらより、（ア）〇　（イ）×　（ウ）×　（エ）〇　となります。