2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2021年5月
問99 (実技 問99)
問題文
隆行さんは、自分の老齢年金の受取り方について考えており、FPの三上さんに質問をした。老齢年金の繰上げおよび繰下げ受給に関する次の[ ア ]~[ エ ]の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。
ア 老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰上げ請求は、異なる時期に別々に行うことができる。
イ 老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰下げ申出は、異なる時期に別々に行うことができる。
ウ 老齢基礎年金または老齢厚生年金の支給の繰下げによる年金額の増額率は、最大で30%となる。
エ 老齢基礎年金と併せて付加年金が受給できる場合であっても、付加年金については繰上げ受給により減額されることはなく、繰下げ受給により増額されることもない。
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問題
FP技能検定2級 2021年5月 問99(実技 問99) (訂正依頼・報告はこちら)
隆行さんは、自分の老齢年金の受取り方について考えており、FPの三上さんに質問をした。老齢年金の繰上げおよび繰下げ受給に関する次の[ ア ]~[ エ ]の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。
ア 老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰上げ請求は、異なる時期に別々に行うことができる。
イ 老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰下げ申出は、異なる時期に別々に行うことができる。
ウ 老齢基礎年金または老齢厚生年金の支給の繰下げによる年金額の増額率は、最大で30%となる。
エ 老齢基礎年金と併せて付加年金が受給できる場合であっても、付加年金については繰上げ受給により減額されることはなく、繰下げ受給により増額されることもない。
- ア:× イ:× ウ:○ エ:×
- ア:○ イ:× ウ:○ エ:×
- ア:× イ:○ ウ:× エ:×
- ア:○ イ:× ウ:× エ:○
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この過去問の解説 (3件)
01
【正解3】
(ア)不適切
老齢厚生年金の支給開始を繰り上げ請求を行う場合、あわせて老齢基礎年金の支給開始も同時に繰り上げなければなりません。
(イ)適切
老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰下げ請求は、同時に行うことも別々に行うことも可能です。
(ウ)不適切
老齢基礎年金または老齢厚生年金の繰下げ支給を行う場合、繰下げ支給1ヶ月につき0.7%増額され、繰下げの場合は最大5年(60月)分増額されるので、増額率は最大42%です。
・繰上げ支給の額=本来の年金額×(1-繰上げ月数×0.5%)
・繰下げ支給の額=本来の年金額×(1+繰下げ月数×0.7%)
(エ)不適切
付加年金は支給額は繰上げ支給、繰下げ支給に連動し、支給額は繰上げ受給で減額され、繰下げ受給で増額されます(なお、加給年金額は繰下げ請求をしても増額されません)。
以上より、(ア)×(イ)〇(ウ)×(エ)×
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02
老齢年金についての問題は頻出です。
今回提示されている選択肢ア~エは、全て基礎的な内容であり、3級でも問われます。
2級受験であれば、確実に取りたいので、しっかり読んで理解して解いていきましょう。
特に老齢年金の繰下げ受給は、2022年に年齢が75歳までに伸び、増額も最大84%となりました。
しばらくは狙われやすい範囲なので、しっかり法改正部分はもちろん押さえておきましょう。
(ア)
不適切 ✕
老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰上げ請求は、は、本来65歳から支給される老齢年金を60歳~64歳に前倒して受給できる制度です。
しかしこの繰上げ請求は、必ず同時に行わなければなりません。
そして一度繰上げ請求をすると、取り消し・変更は行うことはできません。
繰上げ受給できる年金額は、繰り上げた月あたり0.4%減額されます(0.4%✕60か月=最大24%)
※減額率は2022年に0.5%から0.4%に緩和されました。
(イ)
適切 〇
老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰下げ申出とは、本来65歳から支給される老齢年金を66歳~75歳に後ろ倒して受給できる制度です。
この繰下げ申出は、別々に行うこともできます。
例えば、老齢基礎年金は65歳から、老齢厚生年金は70歳からなど、一方のみも可能です。
(ウ)
不適切 ✕
繰下げ受給の年金額は2022年に改正がありました。
年齢は75歳まで、増額率は繰り下げた月あたり0.7%です。
つまり、0.7%✕120か月となり、増額率は最大84%です。
(エ)
不適切 ✕
付加年金とは、第一号被保険者にのみ利用できる老齢基礎年金に上乗せすることができる年金です。
毎月400円の保険料で、保険料の納付月数✕200円が加算されます。
この付加年金は老齢基礎年金の増減率に連動しています。
繰上げ受給をした場合は付加年金も同じ割合で減額され、繰下げ受給した場合は同じ割合で増額されます。
付加年金に関しては、毎月の保険料と年金加算額も頻出です。
逆に覚えないように気を付けましょう。
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03
正解は 3 です。
(ア)×
老齢基礎年金の繰上げ請求(65歳に達する前に受給)をする場合、老齢厚生年金も同時に繰上げ請求しなければなりません。
なお、繰上げ請求した場合の減額率は「0.5% × 繰上げ月数」です。
(イ)○
繰上げ請求と違い、繰下げ請求(66歳に達した後に受給)は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に請求する必要はなく、どちらか一方だけ繰下げすることも可能です。
なお、繰下げ請求した場合の増額率は「0.7% × 繰下げ月数」です。
(ウ)×
老齢基礎年金・老齢厚生年金は、2022年3月までは70歳まで繰り下げ可能です。
繰下げ請求した場合の増額率は「0.7% × 繰下げ月数」ですから、66歳~70歳まで5年間繰下げた場合の増額率は
0.7% × (12ヶ月 × 5年) = 42%
となります。
なお、2022年4月からは繰下げ可能な年齢は75歳まで引き上げられます。
この場合、66歳~75歳まで10年間繰下げた場合の増額率は
0.7% × (12ヶ月 × 10年) = 84%
となります。
(エ)×
付加年金は老齢基礎年金と合わせて受給できる終身年金で、老齢基礎年金の繰上げ・繰下げをする際は、老齢基礎年金と同率で減額・増額されます。
付加年金の受給金額(年額)は200円×納付月数で定額となっており、「マクロ経済スライド」「物価スライド」「賃金スライド」による調整はされません。
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