FP2級の過去問
2022年9月
学科 問5

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問題

FP技能検定2級 2022年9月 学科 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

公的年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
なお、本問においては、厚生年金保険法の「被扶養配偶者である期間についての特例」による標準報酬の改定を「3号分割」という。
  • 遺族厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金の受給権を取得した場合、遺族厚生年金が支給される際には老齢基礎年金も併給される。
  • 同一の事由により、障害厚生年金と労働者災害補償保険法に基づく障害補償年金が支給される場合、障害補償年金は所定の調整率により減額され、障害厚生年金は全額支給される。
  • 離婚時における厚生年金保険の3号分割の対象となるのは、1986年4月以降の国民年金の第3号被保険者であった期間における、当該第3号被保険者の配偶者に係る厚生年金保険の保険料納付記録(標準報酬月額・標準賞与額)である。
  • 老齢厚生年金や遺族厚生年金等の年金給付を受ける権利(基本権)は、原則として、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したときに時効により消滅する。

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この過去問の解説 (3件)

01

公的年金の分野は細かく分類があるので、しっかり体系立てて覚えましょう。

特に65歳以上の公的年金の受給条件については、しっかり覚える必要があります。

基本的に年金は老齢基礎年金+老齢厚生年金や遺族基礎年金+遺族厚生年金など、同じ区分の年金しか受給できません。

しかし65歳以上になると、遺族厚生年金と障害基礎年金のみ、他の区分の年金との併給が可能になります。

選択肢1. 遺族厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金の受給権を取得した場合、遺族厚生年金が支給される際には老齢基礎年金も併給される。

適切

公的年金は基本的に、老齢基礎年金と老齢厚生年金など同じ区分の年金のみ受給可能です。

しかし遺族厚生年金障害基礎年金を受給している者は65歳以上になると、他の区分の年金との併給が可能です。

選択肢2. 同一の事由により、障害厚生年金と労働者災害補償保険法に基づく障害補償年金が支給される場合、障害補償年金は所定の調整率により減額され、障害厚生年金は全額支給される。

適切

障害厚生年金と障害補償年金(労災保険)が同時に支給となる場合は、障害厚生年金は全額支給、障害補償年金は所定の調整率により減額されます。

障害前よりも支給額が高額にならないように調節されています。

選択肢3. 離婚時における厚生年金保険の3号分割の対象となるのは、1986年4月以降の国民年金の第3号被保険者であった期間における、当該第3号被保険者の配偶者に係る厚生年金保険の保険料納付記録(標準報酬月額・標準賞与額)である。

不適切

3号分割の対象者は、2008年4月1日以降に国民年金第3号被保険者だった期間に限られます。

3号分割とは、上記の期間に離婚した場合に第2号被保険者の厚生年金の2分の1を請求できる制度です。

選択肢4. 老齢厚生年金や遺族厚生年金等の年金給付を受ける権利(基本権)は、原則として、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したときに時効により消滅する。

適切

年金を請求して給付を受けることができる権利(基本権)は原則5年です。

5年間請求していない場合は基本権は消滅します。

しかし書面で申し立てることで、基本権による受給権を消滅させないことも可能です。

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02

公的年金に関する問題です。

選択肢1. 遺族厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金の受給権を取得した場合、遺族厚生年金が支給される際には老齢基礎年金も併給される。

適切な選択肢。

 

年金の併給できる組み合わせは以下の表のようになります。

 老齢厚生年金障害厚生年金遺族厚生年金
老齢基礎年金〇(65歳以降)
障害基礎年金〇(65歳以降)〇(65歳以降)
遺族基礎年金

選択肢2. 同一の事由により、障害厚生年金と労働者災害補償保険法に基づく障害補償年金が支給される場合、障害補償年金は所定の調整率により減額され、障害厚生年金は全額支給される。

適切な選択肢。

 

遺族年金と労働災害補償保険法に基づく遺族補償年金が支給される場合も、遺族年金は全額支給され遺族補償年金が減額されます。

選択肢3. 離婚時における厚生年金保険の3号分割の対象となるのは、1986年4月以降の国民年金の第3号被保険者であった期間における、当該第3号被保険者の配偶者に係る厚生年金保険の保険料納付記録(標準報酬月額・標準賞与額)である。

不適切な選択肢。

 

3号分割の対象となるのは、2008年4月以降の国民年金の第3号被保険者であった期間に限られます。

選択肢4. 老齢厚生年金や遺族厚生年金等の年金給付を受ける権利(基本権)は、原則として、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したときに時効により消滅する。

適切な選択肢。

 

年金を受給できる権利は5年経過すると時効により年金受給権が消滅します。

参考になった数0

03

公的年金は2級学科では必ず出題されます。基本的な部分は確実に押さえておきましょう。

選択肢1. 遺族厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金の受給権を取得した場合、遺族厚生年金が支給される際には老齢基礎年金も併給される。

(適切)

国民年金と厚生年金を同時に給付する場合、それぞれの年金の支給事由が「老齢」「障害」「遺族」のように、支給事由が同じでなければ併せて受給することはできません。

ただし、65歳以降になると例外的に「障害基礎年金+老齢厚生年金」の組み合わせであれば、併給することが可能です

選択肢2. 同一の事由により、障害厚生年金と労働者災害補償保険法に基づく障害補償年金が支給される場合、障害補償年金は所定の調整率により減額され、障害厚生年金は全額支給される。

(適切)

本問のとおり、障害厚生年金と障害補償年金(労災年金)を受け取る場合、労災年金の額は減額され支給されることになっています。 しかし、障害厚生年金はそのまま全額支給されることになります。

選択肢3. 離婚時における厚生年金保険の3号分割の対象となるのは、1986年4月以降の国民年金の第3号被保険者であった期間における、当該第3号被保険者の配偶者に係る厚生年金保険の保険料納付記録(標準報酬月額・標準賞与額)である。

(不適切)

3号分割の対象となるのは、婚姻期間のうち、平成20年4月1日以降の、第3号被保険者期間中の相手方(特定被保険者)の厚生年金の標準報酬です。

問題文の1986(昭和61)年4月は第3号被保険者の制度が開始された時期です。混同しないよう気を付けましょう。

選択肢4. 老齢厚生年金や遺族厚生年金等の年金給付を受ける権利(基本権)は、原則として、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したときに時効により消滅する。

(適切)

年金を受ける権利(基本権)は、請求をしないまま5年が経過すると時効によって消滅します。

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