FP2級の過去問
2022年9月
学科 問24

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問題

FP技能検定2級 2022年9月 学科 問24 (訂正依頼・報告はこちら)

債券のイールドカーブ(利回り曲線)の一般的な特徴等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • イールドカーブは、縦軸を債券の利回り、横軸を債券の残存期間として、利回りと投資期間の関係を表した曲線である。
  • イールドカーブは、好況時に中央銀行が金融引締めを行うとスティープ化し、不況時に中央銀行が金融緩和を行うとフラット化する傾向がある。
  • イールドカーブは、将来の景気拡大が予想されるとスティープ化し、将来の景気後退が予想されるとフラット化する傾向がある。
  • イールドカーブの形状は、通常、右上がりの順イールドであるが、急激な金融引締め時に右下がりの逆イールドとなる傾向がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

債券のイールドカーブに関する問題はFP2級では一般的に出題されることはありません。

しかしFP試験問題は、経済の状況等から関連がある問題は出題されることがあるとされています。

イールドカーブの問題はテキストからの出題ではなく、出題時の日本国内や世界の状況等を反映した問題と言えるでしょう。

選択肢1. イールドカーブは、縦軸を債券の利回り、横軸を債券の残存期間として、利回りと投資期間の関係を表した曲線である。

適切

イールドカーブは利回り曲線といい、縦軸を債券の利回り横軸を残存期間として、利回りと投資期間の関係を表した曲線です。

基本的には短期間の場合は利回りが低く、長期間の場合は利回りが高くなる順イールドとなります。

それを線で結ぶと右肩上がりの図になります。

それとは逆に、短期間の場合は利回りが高く、長期間の場合は利回りが低くなる、右肩下がりの状況を逆イールドといいます。

選択肢2. イールドカーブは、好況時に中央銀行が金融引締めを行うとスティープ化し、不況時に中央銀行が金融緩和を行うとフラット化する傾向がある。

不適切

・スティープ化→曲線の右肩上がりが急激な状態

・フラット化→曲線が緩やかになる状態

好況時に中央銀行が金融引締めを行うとフラット化し、不況時に中央銀行が金融緩和を行うとスティープ化する傾向があります。

好況時に金融引締めを行うと市場金利が上がり、市場金利と債券価格は逆の動きをするため、債券価格は下がります。

そのため短期金利が上がりフラット化が起きやすくなります。

逆に不況時に金融緩和を行うと市場の金利は下がり、債券価格が上がります。

そのため短期金利が下がることでスティープ化が起きやすくなります。

選択肢3. イールドカーブは、将来の景気拡大が予想されるとスティープ化し、将来の景気後退が予想されるとフラット化する傾向がある。

適切

将来の景気拡大が予想される場合、市場の金利上昇の可能性を考えて長期債券を売って、他の金利の良いものへの資金とするなどの動きが見られます。

そうすると、長期債券の価格は下落・金利は上昇、スティープ化が起こります。

逆に将来の景気後退が予想される場面では、政策として市場の金利の引き下げを考えて、長期債券を購入する動きがみられます。

そうすることで長期債券の価格は上昇・金利は下落となり、フラット化が起こります。

選択肢4. イールドカーブの形状は、通常、右上がりの順イールドであるが、急激な金融引締め時に右下がりの逆イールドとなる傾向がある。

適切

急激な金融引締め時は、市場の金利が上がり、短期債券の価格が下がります。

そして短期債券の金利が急激に上がることで、逆イールドとなる傾向があります。

参考になった数5

02

イールドカーブとは利回り曲線とも呼ばれ、債券の利回りと満期までの期間の関係を表す折れ線グラフのことです。

イールドカーブの形状によって、将来金利の予想が立てられるため、投資家が注目する重要な尺度の1つです。

選択肢1. イールドカーブは、縦軸を債券の利回り、横軸を債券の残存期間として、利回りと投資期間の関係を表した曲線である。

(適切)

イールドカーブとは、横軸に債券の残存年数(残存期間)、縦軸に最終利回りをとった座標に、各債券の残存年数と最終利回りに対応する点をつないだ「金利曲線」のことです。

選択肢2. イールドカーブは、好況時に中央銀行が金融引締めを行うとスティープ化し、不況時に中央銀行が金融緩和を行うとフラット化する傾向がある。

(不適切)

イールドカーブにおいて、短期金利と長期金利の金利差が大きくなり、傾きがさらに急(右上がり)になることをスティープ化するといいます。

逆に傾きがなだらかになることをフラット化といいます。

イールドカーブは金融引締めを行うと、フラット化し、逆に、金融緩和を行うと、スティープ化します。

選択肢3. イールドカーブは、将来の景気拡大が予想されるとスティープ化し、将来の景気後退が予想されるとフラット化する傾向がある。

(適切)

景気拡大期は設備投資などの資金需要が増すため、長期金利が上昇することでスティープ化します。

反対に景気後退期には設備投資などに慎重になるため、資金需要が減り、長期金利が下落することでフラット化する傾向があります。

選択肢4. イールドカーブの形状は、通常、右上がりの順イールドであるが、急激な金融引締め時に右下がりの逆イールドとなる傾向がある。

(適切)

短期金利が長期金利を上回り、右下がりのイールドカーブとなることを逆イールドといいます。

逆イールドは、急激な金融引締め時などに発生します。

参考になった数2

03

イールドカーブに関する問題です。

選択肢1. イールドカーブは、縦軸を債券の利回り、横軸を債券の残存期間として、利回りと投資期間の関係を表した曲線である。

適切な選択肢。

 

イールドカーブは債券の利回りと償還期間の相関関係をグラフとしたものです。

選択肢2. イールドカーブは、好況時に中央銀行が金融引締めを行うとスティープ化し、不況時に中央銀行が金融緩和を行うとフラット化する傾向がある。

不適切な選択肢。

 

イールドカーブの形状としてスティープ化フラット化があります。

スティープ化はグラフの傾きが大きくなることをいい、フラット化は傾きが小さくなることをいいます。

 

金融引締めを行うと短期債権の金利が上昇するためフラット化し、金融緩和をするとスティープ化します。

選択肢3. イールドカーブは、将来の景気拡大が予想されるとスティープ化し、将来の景気後退が予想されるとフラット化する傾向がある。

適切な選択肢。

 

景気拡大が予想されるということは、近い将来金融引き締めが予想されます。金利上昇に備えて長期債券を売却する動きが見られるようになるため、長期債券の利回りが上昇しスティープ化します。

 

景気後退では反対に金融緩和を予想し、長期債券を購入する動きが見られ利回りが減少するためフラット化します。

選択肢4. イールドカーブの形状は、通常、右上がりの順イールドであるが、急激な金融引締め時に右下がりの逆イールドとなる傾向がある。

適切な選択肢。

 

短期債券利回り<長期債券利回りの状態が順イールドです(反対の状態は逆イールド)。

金融引き締めにより短期債券の利回りが上昇しますので、急激な引き締めによって逆イールドとなることがります。

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