FP2級の過去問 2023年1月 学科 問53
この過去問の解説 (2件)
贈与税の控除に関する問題は、特に相続時精算課税制度と配偶者控除が、学科実技ともに頻出です。
相続時精算課税制度の上限額と配偶者控除の控除額、それぞれ金額が違うので注意しましょう。
適切
同一年中に何人にいくら贈与を受けたとしても、基礎控除は受贈者ごとに110万円です。
父から100万円・母から100万円の合計200万円贈与を受けたとしても、受贈者である子は110万円の控除ののち、残りの90万円に対して贈与税がかかります。
不適切
相続時精算課税制度とは、特定贈与者から財産の贈与があった場合、2500万円まで贈与税がかからない制度のことです。
しかし2500万円を超えると、その超過した金額に対して一律20%の贈与税がかかります。
そしてこの特別控除となった2500万円までの財産は、相続時に持ち戻して計算されます。
相続の際は、相続時精算課税制度対象の贈与財産と死亡時の相続財産を合算して相続税の計算がされます。
適切
贈与税の配偶者控除は、配偶者から居住用の不動産そのもの、または居住用の不動産を購入するための資金の贈与を受けた際に、一生に一度のみ適用されます。
控除額は、基礎控除である100万円に足して、さらに2000万円を控除することができます。
つまり贈与税の配偶者控除を適用すると、2110万円が控除が可能となります。
実技の計算問題でも頻出なので、金額をしっかり覚えておきましょう。
基礎控除の金額を忘れないことが大切です。
適切
暦年課税制度の贈与税の計算は2通りあり、試験の際は速算表が与えられるので、計算できるようにしましょう。
18歳以上の者が父母や祖父母である直系尊属から贈与を受けた場合は、特例贈与財産となり、特例贈与財産の速算表で計算することになります。
上記以外は一般贈与財産です。
課税価格や控除額は覚える必要がありませんが、どのような条件で特例贈与財産となるのかは、しっかり覚える必要があります。
相続税の計算は実技試験でも出題されます。配偶者控除や相続時精算課税制度など、特例が複数あるので、概要や控除額を覚えておきましょう。
適切です。
同一年中に複数人から贈与を受けたとしても、基礎控除額は受贈者1人当たり年間110万円です。
父と母から200万円ずつ贈与を受けた場合、基礎控除額110万円を控除した、残り290万円に対して贈与税が課税されます。
不適切です。
相続時精算課税制度による特別控除額は、贈与者ごとに累計2500万円です。
「相続時精算課税制度」とは
贈与を受けた場合に、贈与者の相続時まで課税を繰り延べることがきる制度です。
贈与時は2500万円まで非課税となり、2500万円を超えた部分には一律20%の贈与税がかかります。相続時には、贈与財産と相続財産を合算して相続税を計算し、すでに納付した贈与税額を控除します。課税方法は贈与者ごとに選択が可能です。
例えば、
〈贈与者A⇒Cへ〉
暦年課税で110万円贈与
〈贈与者B⇒Cへ〉
相続時精算課税制度で
2500万円贈与
〈受贈者C〉
基礎控除110万円+特別控除2500万円
=2610万円まで非課税
適切です。
配偶者控除は基礎控除との併用が可能です。よって、基礎控除額と配偶者控除を合わせて最高2110万円まで控除されます。
「配偶者控除」とは
婚姻期間20年以上の配偶者から、居住用財産(不動産または取得資金)の贈与を受けた場合、最高2000万円まで控除されます。
数字を覚えておきましょう。基礎控除と別枠で適応できることがポイントです。
適切です。
贈与税の計算における超過累進税率には2種類あります。
●父母・祖父母など直系尊属からの贈与
⇒ 特例税率
●その他からの贈与
⇒ 一般税率
直系尊属から贈与を受けた場合、基礎控除額を控除した後、特例税率をかけて計算します。
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